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メディアが中立に“偏る”と…/政界地獄耳
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2019年3月20日8時0分 日刊スポーツ
★高須クリニック院長・高須克弥が、第2次世界大戦下にアウシュビッツ収容所で起きたユダヤ人に対する大量虐殺(ホロコースト)について15年10月19日のツイートで「南京もアウシュビッツも捏造(ねつぞう)だと思う」とつづった。これに対してポーランドのアウシュビッツ記念館公式ツイッターが19年3月15日、コメント欄で「アウシュビッツは世界中の人々の心に絶えず忠告する史実です。ナチス・ドイツによって造られたその強制・絶滅収容所の史跡は、人類史上最大の悲劇を象徴しています」と異例の日本語で忠告したとハフポスト日本版が伝えた。 ★高須は16日「全ての歴史は検証されるべきだと思います。これが正しい科学者の姿勢だと思います」と反論した。映画監督でジャーナリスト・想田和弘はフェイスブックで「『ホロコーストは捏造だ』とデマを飛ばすAとAに対して『デマをやめろ』とたしなめるBがいて、AとBが激しく言い合いを始めたとする。すると必ず『どっちもどっちだな』と両方を非難するCが出てくる。この場合、Cは『中立』ではない。明らかにAに加担している。マスメディアの両論併記は、実はこのCに当たる場合が多い。形式的には中立公平なように見えるけれども、実はAに加担している。しかもそのことを記者も自覚していない。公平な記者が本当にやるべきことは、Aのうそを暴くことですよ」と記した。 ★想田の指摘は今、日本のメディアすべてが自戒すべきことだろう。メディアは元来、公正に“偏る”傾向がある。読者や視聴者に判断材料を提供しているだけと言い張る。しかし、声の大きい方に引きずられるためにコメンテーターたちはこぞってCを目指す。だが、公正さを装ってありもしない議論を報じる意味はない。バランスなど意味がない。バランスは真実や理論や現実とは関係ない。AをやるからBもやるなどと考えるからCを目指し着地したくなるのだ。(K)※敬称略 |
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