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これから「正義」について考えてみよう
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2019年3月 7日 植草一秀の『知られざる真実』
「ガーベラ革命」とは 「誰もが笑顔で生きてゆける社会を実現すること」。 その中身の核心は、 すべての人に保障する最低水準引き上げと、そのための財源調達である。 3月2日開催の「ガーベラ革命宣言」総決起集会については、[オールジャパン平和と共生]サイトに掲載した報告 https://bit.ly/2NFlQaC をご高覧賜りたい。 [オールジャパン平和と共生]として提示した具体的施策については https://bit.ly/2Tqh5H1 https://bit.ly/2XzngIk をご高覧賜りたい。 すべての人に保障する最低水準を引き上げるために、消費税増税が必要であるとの主張が散見されるが、これは極めて危うい。 なぜなら、この主張が財務省に利用される可能性が極めて高いからだ。 より正確に言うなら、財務省に利用されるのではなく、財務省が消費税増税のために、財務省の意向に従う学者に、言わせている可能性が高いものなのだ。 結局、消費税増税だけが実行されて、高福祉は実現しないことになるだろう。 消費税の激烈な負担と貧困な社会保障制度は最悪の組み合わせである。 北欧の負担と米国の給付の組み合わせになってしまう。 政治の核心は財政である。 政府がどのように財源を調達し、その財源を何にどのように投下するか。 これが財政活動だが、政治活動の核心がこの部分にある。 この財政のあり方を定める基本的な考え方が政治哲学と言ってもよい。 政治哲学の流派は基本的に二分される。 第一はリバータリアニズムである。 第二はリベラリズムである。 リバータリアニズムは個人の活動への政府介入を嫌う。 レッセ・フェール=自由放任の考え方がベースに置かれる。 結果における優勝劣敗はそれぞれの主体の能力、行動による結果であり、政府はこれに介入するべきでない、とする。 市場原理主義、新自由主義の思想との親和性が高い。 リベラリズムは競争が行われる初期条件の相違に着目する。 初期条件の不利が結果における劣勢を招くことは容易に想像できる。 初期条件がどのようなものになるか、それぞれの個人には選択の余地がない。 この際に着目して、結果における最低ラインの引き上げを重視する。 1990年代以降の米国では、強者と弱者の分断、対立を避けるために、共通善を見出し、「正義」の論議で政治を行う必要があるとするコミュニタリアニズム=共和主義が新たに提唱されている。 この考え方は、日本古来の共同体主義と類似する部分もあり、日本にとっては目新しいものとは言えない面もある。 コミュニタリアニズムの主張は、基本的にはリバータリアニズムの思想へのアンチテーゼの意味が強い。 1990年代以降、多国籍企業が市場原理を基軸に据える経済運営をグローバルに浸透させる動きを強めている。 これに連動して格差問題の拡大がグローバルな重要問題に浮上してきた。 日本もその例外ではない。 とりわけ小泉内閣と第二次以降の安倍内閣が市場原理主義を基礎に置く政治運営を熱烈推進してきた。 その結果として、日本も世界有数の格差大国になってしまった。 この日本の現状を踏まえた日本政治刷新の提案が「ガーベラ革命」である。 すべての人に保障する最低ラインを大きく引き上げること。 そのための、財源調達と財政支出の全面的な刷新を提言している。 現状をあたりまえと思わず、ゼロベースで思考することが重要である。 財源調達では消費税を廃止して「能力に応じた負担」をベースに置く。 歳出では利権支出を切って、社会保障支出を拡充する。 この革命が必要なのだ。 |
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