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政府統計だけではない!「新規国債7年連続減額」のまやかし
https://diamond.jp/articles/-/192392
2019.1.31 ダイヤモンド・オンライン編集部
Photo:PIXTA
来年度予算案が1月28日から始まった通常国会に提出される。「毎月勤労統計」の不正調査発覚で異例の“修正”を余儀なくされるなど、予算審議は波乱含みだ。だが、不信感を持たれているのは、何も政府統計だけではない。政府が、成長維持と財政再建を両立したと強調する「消費増税対策」や、「新規国債発行7年連続減額」の裏にも“まやかし”がある。なぜなら、そこには財政をめぐる“病巣”があるからだ。(ダイヤモンド・オンライン特任編集委員 西井泰之)
選挙を意識した「歳出増ありき」で
大盤振る舞いの100兆円超え
「経済成長と財政再建の両立を実現した」
来年度予算案の閣議決定後、麻生太郎財務相や菅義偉官房長官ら政権幹部は、まるで口裏を合わせたように、出来栄えをこう自賛してみせた。
その代表が消費増税対策。だが、その中身は実に怪しい。
消費税は今年10月、税率が8%から10%に引き上げられる予定だ。その駆け込み需要や反動減をならすという名目で、2.3兆円の予算措置と軽減税率の導入が盛り込まれている。
だが、プレミアム商品券の配布などが、消費喚起にどこまでつながるか効果がはっきりしないのに加え、「キャッシュレス促進」のためのポイント還元や、「国土強靭化」のための公共事業(1.3兆円)など、別の政策目的の事業までが対策に盛り込まれている。
そもそも景気への影響は、14年4月に税率を引き上げた際より増税幅が小さく、軽減税率も導入されることから、「前回ほど大きくない」とされていた。にもかかわらず、ここまで大盤振る舞いするのは、4月の統一地方選や夏の参院選を意識して、増税への反発を防ぎたいという「政権の事情」が優先されたからだ。
消費税率を15年までに2段階で5%から10%に引き上げることが決まったのは、「3党合意」によって「税と社会保障の一体改革関連法」が成立した12年。増収分の8割は国債減額などの財政健全化に、2割を社会保障の充実に充てることになっていた。
ところが安倍政権になって、10%増税は2回も先送りされた。さらに一昨年秋には、唐突に「使途変更」が打ち出され、増収分を財政健全化に充てる割合は半分に減らされている。
こうした「先送り」や「使途変更」は、いずれも衆院選や参院選の直前に打ち出されもの。今回もそうした前例を踏襲し、選挙を意識した“対策”になったわけだ。
消費増税で増収のはずが減収に
「一度限りの対策」なのかも不明
10%増税による増収(平年度ベース)は5.7兆円が見込まれているが、軽減税率の導入に加え、使途変更による「幼児教育無償化」や「低年金者への給付金」といった支出を差し引くと、実質は2兆円になる。
しかし、そこからさらに増税対策が実施されるため、増税しているにもかかわらずむしろ“減収”になってしまうという、ちぐはぐなことになってしまうのだ。
公共事業費も、増税対策の分を合わせると6.9兆円になり、前年度当初予算より15.4%増となる。これは、リーマンショック直後に景気が落ち込んだ07年度以来の高水準だ。
その結果、一般会計の歳出規模(101.4571兆円)は、当初予算としては初の100兆円を突破した。
景気が悪いときに財政で支えるのはセオリーだが、安倍政権下では景気拡大のさなかでも財政支出が膨らみ続けてきた。1月で景気拡大が「戦後最長」に到達したとされる中での“超大型予算”だ。
こうした「歳出増ありき」の予算編成の裏側を、財務省幹部はこう話す。
「増税を2回も先送りした政権だ。何かしないと、また増税を延期しかねない」「前回の増税後、景気が長く停滞したのは事実。今度失敗すると、二度と消費増税をやれなくなる。増税の“成功体験”を作ることが重要で、そのためなら何でもする」
一方で、政権の要求に従いながらも、財務省なりに歯止めをかけようと“知恵”を絞ったところもある。
例えば、消費増税対策は「臨時・特別措置」として別枠にし、財源も預金保険機構の利益剰余金などの一時的な「その他収入」にして、通常予算とは区別した。
「商品券配布や強靭化対策も一度限り。実施時期で年度をまたがるものもあるが、実質は1年で外れる。それ以降は2兆円の“実質増収”が確保できる」(財務省幹部)という計算だ。
対策に盛り込まれた事業の実施時期と増税収入の入る時期がずれることで、「来年度予算では、消費税増収分の半分を財政健全化に充てるという約束も守った」と、主計局は説明する。
だが、思惑通りに対策が「一度限り」なるかは分からない。2.3兆円もの支出や減税が翌年度からなくなるとなれば、公共事業などは実質削減になる。東京オリンピック以降、景気後退が予想されている中で、果たして守られるのか。政治から何らかの「続行論」が出てもおかしくはない。
歳入を膨らませたカラクリは
バブル期並みの税収見積もり
「歳出増ありき」の下、財政健全化が進んだように見せるため、歳入面でもさまざまな“カラクリ”が施された。
1つは、税収の過大な見積もりだ。企業業績の好調ぶりを反映して法人税収などが増えそうなのは確かだが、税収を、29年ぶりに過去最大を更新、バブル期並みとなる前年度比5.8%増の62兆4950億円と見込んでいるのだ。
その裏には、来年度の成長率を名目で2.4%、実質で1.3%と見込んでいることがある。世界経済の調整局面入りが懸念され、民間調査会社の多くは成長鈍化を予想する中で、政府の見通しは民間予測の2倍近い高成長となっているのだ。
成長率の“かさ上げ”をめぐっては、財政健全化計画改訂の際にも批判が出た。だが、安倍政権ではアベノミクスがうまくいっているように見せる数字の“忖度”が、もはや日常化した感がある。
さらに、歳入増を大きく見せているのが、前述の預保の利益剰余金や、政府が保有していたNTT株の売却益などでかき集めた税以外の「その他の収入」の増加だ。
預保の利益剰余金は、金融機関に公的資金を注入する際の勘定で、業績が回復した金融機関からの公的資金の返済が進んだことから生まれた。会計検査院が16年に、「使われる見込みがない余裕資金」と指摘していたのを、金融庁との折衝を経て、18年秋にはそのうちの8000億円を繰り入れるめどが立ったという。
歳入確保に頭を悩ませていた財務省には、まさに「渡りに船だった」(主計局幹部)。税収や「その他の収入」が膨らんだ結果、新規国債の発行額は32兆6605億円と前年度の当初予算より1兆円余り減ることになった。
「財政健全化が進んできた証し」と強調する、安倍政権発足以来「7年連続新規国債発行減額」は、こうして達成されたのだ。
「日銀依存」の国債消化
「7年連続減額」は当初予算だけ
しかし、歳出と歳入の最後の帳尻を、国債発行で合わせるやり方は相変わらずだ。「入りを量りて出ずるを制す」という予算編成の鉄則は、もはや死語になった。
国債発行計画自体にも、さまざまなカラクリがある。
来年度の国債発行総額は、満期が来たものの借換債などを合わせると148.7兆円。国債残高(財投債は除く)は896.7兆円と増え続けている。
国債残高が膨らむ中で、国債の償還や利払い費に充てる国債費(23.5兆円)はほぼ横ばい、利払い費はむしろ前年度当初より1826億円減った。日銀の異次元緩和で金利が抑えられ、国債消化も銀行などを経由して、全面的に日銀が引き受けるという異例の支えがあるからだ。
日銀の国債の買い増しは年間三十数兆円のペースに落ちているとはいえ、来年度も、新規に発行される国債の全額を日銀が引き受けることになる計算だ。また国債の金利は10年物国債で1.1%、平均で1.0%弱を見込んでいる。税収見通しの前提はバブル期並み、一方で金利は超不況期並みという“いいとこ取り”の前提をおいての新規国債発行減額なわけだ。
「いったん金利が上がり始めたら国債費が膨らみ、それがさらに国債残高を増やしてスパイラル的に財政赤字が膨らんでしまう。異常な『日銀依存』がいつまでも続けられるわけではない」
国債発行減額の“連続記録”を表向き維持したことには胸をなでおろしているものの、理財局の幹部の表情は複雑だ。
しかも、新規国債発行減額は前年度の当初予算に対してのもので、安倍政権では年度途中で大型の補正予算が組まれることが続いてきた。その財源を国債発行で賄う結果、年度を通せば、国債の新規発行額が前年度を上回ったことが、「7年連続減額」の中ですでに2回ある。
政府の言う「成長維持」は票目当てのバラマキ、「財政健全化」は“砂上の楼閣”のようなものだといえる。
初の100兆円突破。「戦後最長景気」を喧伝しながら財政出動を増やす自己矛盾。それでも財政健全化は進むように見せかけるため、歳入を過大に見積もる。超低金利で国債の償還・利払い費を抑制。税収はバブル期並み、一方で金利は超不況期並みという“いいとこ取り”の前提だ。https://t.co/y2ZnceUV17
— 無核 (@nonucs) 2019年1月31日
この国の政治家は自分さえ良ければいい、将来の問題は自分には関係ないと思ってる老人。そういう輩を選んでる国民のレベルが問われている。 RT @dol_editors: 政府統計だけではない!「新規国債7年連続減額」のまやかし - DOL特別レポート https://t.co/AaQWZeYoXf
— (Ken) rock_forever☂☂ (@rock_forever) 2019年1月30日
アベノミクス偽装の発端は2015年10月の経済財政諮問会議における麻生発言。他にもある偽装。/ 政府統計だけではない!「新規国債7年連続減額」のまやかし | DOL特別レポート | ダイヤモンド・オンライン https://t.co/PBtLc6wx0D / https://t.co/pHliw0Zmd0 @iwakamiyasumiさんから
— akio (@akio_str) 2019年1月31日
政府統計だけではない!「新規国債7年連続減額」のまやかし | https://t.co/0Io9IGpcIb 「政府の言う「成長維持」は票目当てのバラマキ、「財政健全化」は“砂上の楼閣”のようなもの」
— peace_prayer (@peace_prayer) 2019年1月31日
政府統計だけではない!「新規国債7年連続減額」のまやかし https://t.co/R5EKKdSPvP 「安倍政権下では景気拡大のさなかでも財政支出が膨らみ続けてきた。1月で景気拡大が「戦後最長」に到達したとされる中での“超大型予算”だ。」
— peace_prayer (@peace_prayer) 2019年1月31日
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