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プーチン激怒 安倍演説「打倒ロシア」号令短歌を引用の愚
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/246506
2019/01/31 日刊ゲンダイ
プーチン激怒は必至、返ってこない(写真は国後島)/(C)ロイター
どうして、このタイミングで、この短歌なのか。安倍首相が施政方針演説で引用した短歌が、問題になり始めている。短歌は日露戦争中、明治天皇が国民に勇気ある戦いを呼びかけたものだ。しかし、日露戦争は日本にとっては栄光の歴史でも、ロシアにとっては屈辱的な敗戦の歴史である。よりによって、今月22日、安倍首相はプーチン大統領と会談したばかり。ロシア国民が触れられたくない歴史に触れたことで、プーチン大統領を刺激したのは間違いない。
◇ ◇ ◇
安倍首相の“間抜けな引用”は、今回が初めてじゃない。昨年9月の総裁選の時も、「薩摩と長州で力を合わせ、新たな時代を切り開いていきたい」と、鹿児島県をヨイショし、わざわざ桜島をバックに出馬を表明しながら、「我が胸の燃ゆる思ひにくらぶれば煙はうすし桜島山」と、幕末の志士が薩摩への失望を詠んだ歌を引用している。どうやら、歌の意味を知らずに「桜島」という単語で選んだらしく、無教養ぶりを露呈した。
今回は無教養で済まない。
「しきしまの 大和心のをゝしさは ことある時ぞ あらはれにける」――。安倍首相が引用したのは明治天皇が詠んだ歌。「日本人の大和魂の勇ましさは、(平時では現れなくても)何か起こった時こそ現れるものだ」という意味で、日露戦争真っただ中の1904年に詠まれた。進行中の日露戦争に向けて、国民を鼓舞激励する天皇の「打倒ロシア」の号令なのだ。
日本は大国ロシアを破り、ロシアから南樺太(サハリン島南部)などを奪っている。安倍首相は、日露戦争が大好きらしく、2015年の「戦後70年談話」でも、「日露戦争は、植民地支配のもとにあった、多くのアジアやアフリカの人々を勇気づけました」と語っている。しかし、ロシアにとっては目を背けたい黒星だ。
筑波大の中村逸郎教授(ロシア政治)が言う。
「どうして、北方領土問題が難航するこのタイミングで、“対露戦争”に号令をかける意味の短歌を引用したのか理解に苦しみます。ロシアに押されっぱなしの安倍首相は、国内向けのアピールを込めたのかもしれませんが、ロシアは戦争を仕掛けられたと受け止めるはずです。怒ったプーチン大統領は6月の大阪G20をボイコットするかもしれません。ロシアにとって日露戦争は、アジアの後進国に負けて、サハリンという領土まで奪われた屈辱の戦いですからね。第2次大戦後、ロシアが北方領土を占領し、その後も引き渡しに応じないのは、日露戦争の仕返しとの意味もあるのです」
年頭会見でも、安倍首相は北方領土で暮らす住民の「帰属問題」を持ち出しロシア国民を怒らせた。外交のイロハが分かっていない。
【政治】安倍首相が施政方針演説で明治天皇が進行中の日露戦争に向けて国民を鼓舞激励する短歌を引用し問題に……。ロシアにとって日露戦争は屈辱の戦い。北方領土問題が難航するこのタイミングでの安倍首相の“間抜けな引用”に落胆の声も。https://t.co/M1hei1QK1S #日刊ゲンダイDIGITAL #日刊ゲンダイ
— 日刊ゲンダイ (@nikkan_gendai) 2019年1月30日
驚愕!狂ったかシンゾー氏 開いた口が閉まらんない・・・
— INSAI.K (@TOSHIHIROK6) 2019年1月30日
プーチン激怒 安倍演説「打倒ロシア」号令短歌を引用の愚 https://t.co/9xquBnqOih #日刊ゲンダイDIGITAL
【明治天皇「日露戦争」号令短歌を引用】プーチンを怒らせるバカ丸出し安倍首相 これでは北方領土は永久に返らない 今回は無教養で済まない 年頭会見でも、安倍首相は北方領土で暮らす住民の「帰属問題」を持ち出しロシア国民を怒らせた。外交のイロハが分かっていない(日刊ゲンダイ) pic.twitter.com/iCBuzIvHSU
— KK (@Trapelus) 2019年1月30日
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