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記者会見から逃げないリーダーは仕事もできる。その逆も真 ファクトチェック・ニッポン!
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/245968
2019/01/23 日刊ゲンダイ
ブロック塀倒壊で起きた死亡事故を受けて、記者会見する高槻市の浜田剛史市長(左)/(C)共同通信社
「次の質問」を連発して記者の質問を回避した外務大臣。記者の質問を受ける前に会場を後にしたJOC会長。民主国家におけるリーダーの重要な資質に説明責任があったはずだが。日本はいつから全体主義の国になったのか。
そんな中で、去年目にしたある記者会見を思い出した。2018年、各地で起きた自然災害。私の住む大阪も地震、台風で被害を受けた。6月18日は府の北部を地震が襲った。私は出演している情報番組「ちちんぷいぷい」のスタジオで、次々に入る被害の状況を追っていた。そのひとつに、息をのんだ。スタジオ内の空気も止まった。
「高槻市で小学校の壁が倒壊……登校中の小学校4年生の女子生徒が壁の下敷きに……」
あと少しで校舎に入れたことになる。その悲報に、MCの山本浩之さんの顔が歪んだ。スタジオの皆が天を仰いだ。くだんの会見はそれから間もなく行われた。深々と頭を下げる高槻市長。
「申し訳ございませんでした」
学校の壁が建築基準法違反だった疑いはある。しかし、自然災害による被害だと抗弁することも可能だった。因果関係の調査はまだ始まってもいない状況だ。それでも頭を下げた市長の対応に、最近忘れかけていたものを感じた。
年が明けた1月10日、その市長に会いにいった。濱田剛史市長は言った。
「とにかく、ご家族のことを考えた。自然災害だとか、壁の基準はどうだとか言い訳をして、ご家族の気持ちはどうなるでしょうか?」
もちろん、市長は政治家だ。政治生命という言葉は心のどこかに必ずある。謝罪会見をすれば、事実上、市が責任を認めたことになる。会見しても話せることは少ないという意見も出たという。
「責任は全て俺が取る。君たちは災害対策に全力を尽くしてくれ」
そう幹部に言って会見場に出たという。もちろん、子どもを失った遺族の心が癒やされることはないが、その後、遺族との間で和解が成立したという。
「まだ被害は終わっていないんです」
市長は言った。9月5日には台風21号が大阪を襲っている。その復旧作業が今も続いているという。それを見に、市北部の山に入る担当者に同行した。山は至るところで、倒れた木々が斜面を埋め尽くしていた。その下に民家も。1カ所、まだ通行止めとなっている場所があった。「厳密には孤立集落もまだ残されています」と職員は言った。倒木が道路を封鎖する恐れがあるので、住民に限って道路を使えるようにしているという。
市は激甚災害を申請。国の支援も受けて、早ければ2月にも倒木の搬出を始めるという。山で起きた被害に激甚災害指定の支援を得るのは、三宅島の噴火以来だというから異例だ。
「市がいろいろとやってくれるので大丈夫」
軽トラックで通りがかった年配の女性はそう語った。その明るい表情に安堵した。同時に思った。会見のできるリーダーは仕事もできる。そして、その逆もまた真なり。間違いない。
立岩陽一郎
ジャーナリスト、1967年生まれ。91年、一橋大学卒業後、NHK入局。テヘラン特派員、社会部記者、国際放送局デスクなどを経て2016年12月に退職し、17年からフリーランスとして活動。現在は調査報道を専門とする認定NPO運営「ニュースのタネ」編集長。アメリカン大学(米ワシントンDC)フェロー。毎日放送「ちちんぷいぷい」レギュラー。
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— 立岩陽一郎 (@YoiTateiwa) 2019年1月22日
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