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1月 18, 2019 日々雑感(My impressions daily)
<厚生労働省の「毎月勤労統計」の不正調査問題で、不正なデータを補正するために必要な基礎資料のうち、2004〜11年分が紛失や廃棄されていたことが判明した。同省が17日の総務省統計委員会で明らかにした。統計委員会の西村清彦委員長は統計として成立しない可能性に言及。厚労省は引き続き資料を探す方針だが、政府の基幹統計に穴が開く異例の事態に発展する可能性が出てきた。
厚労省や総務省によると、欠損しているのは(1)07年1月分の事業所からの回答書(2)10年に事業所の業種分類方法を変更した際の基礎資料(3)10年以前の雇用保険データ――など。(2)と(3)はデータを実態に近づける補正作業に必要だという。(2)の一部は既に廃棄されたとしている。
総務省は09年、政府の基幹統計を担当する省庁に対し、調査の回答書を永久保存するよう要請していた。ただし、(1)は要請前の文書で、(2)と(3)は要請の対象外だった。
厚労省は17日の統計委で、基礎資料がそろっていた12〜18年の補正結果を提出。統計委は「おおむね妥当」と判断し、政府統計として認める考えで一致した。しかし、厚労省は11年以前について「集計を行うためのデータが不足している」として補正結果を示さなかった。西村委員長は統計委の会合後、「(基礎資料が)なければ(統計として)出せない」と述べ、このままでは政府統計として成立しない可能性を示唆した。総務省によると、基幹統計の正確な値を公表できない事態は過去に例がないとみられる。
毎月勤労統計は雇用保険や労災保険の給付額を算定する基礎資料になっている。厚労省は追加給付額を算出する際、資料が残る12〜17年の給与額が不正調査による額より平均で0・6%増えていたため、この値を当てはめ、過少給付は総額567億5000万円と推計したという。
不正調査問題を受け、政府は鈴木俊彦事務次官ら幹部職員を処分する方針を固めた。過少給付対象者が延べ約2000万人に上り、19年度予算案の閣議決定をやり直す事態を招いた責任は重いと判断したとみられる。また、追加給付にかかる費用は総額約800億円になることを政府関係者が明らかにした。事務手続きやシステム改修などに200億円程度がかかることが判明したという。
一方、与野党は17日、不正調査問題を巡り、衆院厚生労働委員会で24日午前に閉会中審査を実施することで合意した>(以上「毎日新聞」より引用)
厚労省や総務省によると、欠損しているのは(1)07年1月分の事業所からの回答書(2)10年に事業所の業種分類方法を変更した際の基礎資料(3)10年以前の雇用保険データ――などという。なぜ後々の検証に必要な生データを保管していないのか。
また政権に忖度した「恣意的データ」になりがちな「事業所の業種分類方法を変更した際の基礎資料」が、紛失しているのか。統計の継続性を「補完」するにも絶対に必要なデータではないか。
総務省が09年に政府の基幹統計を担当する省庁に対し、調査の回答書を永久保存するよう要請していた、という。だが(2)と(3)は要請の対象外だったから永久保存していなかったという。バカバカしいにもほどがある。なぜ厚労省が所管している「年金」や「雇用保険」の算定基礎となるデータが「基幹統計」の対象外だとしたのか、総務省の見解も是非とも聞きたいものだ。
すべてのデータを利用するには電子データ化する必要がある。つまり原始紙データは失われていも電子化されたデータは省内のサーバーか担当者のPCに残っているのではないか。そうした可能性も調査したのだろうか。
紙データは嵩張るため、永久保管といっても無理があるかもしれない。しかし広い関東平野の田舎の地価の安いところに巨大な「政府原始データ保管倉庫」群を建設して、全ての省庁の「原始データ」を永久保存するようにしてはどうだろうか。
そうすれば地価の高い都内に大きな官庁を建設する必要はないし、雑然とした省庁の事務所内もスッキリとするだろう。さらに、電子データの隠蔽や改竄も「原始データ」が省庁官僚の手の届かないところにあれば出来ないだろうし、後々の検証も可能だ。
それにしても官僚たちは勘違いしてはいないだろうか。彼らの仕事の「成果」はすべて国民に帰属する。彼らの持ち物で「自由裁量」出来るものではない。だからこそ、民間の事業所が一円の得にもならない「官庁から依頼された統計資料」を作成して提出しているのだ。それが隠蔽されたり改竄される、と分かっていたら協力する民間企業はなくなるだろう。
分り切ったことだが、官僚は国民の上に君臨しているのではない。すべての公務員は国民に奉仕する存在だ。そして政治家も主権者たる国民の「付託」を得て権力を行使できる、ことを忘れずに職責に精励すべきだ。
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