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古賀茂明「辺野古署名20万人超でどうなる? 沖縄の心をカネで買おうとする安倍政権」
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190113-00000013-sasahi-pol
AERA dot. 1/14(月) 7:00配信
著者:古賀茂明(こが・しげあき)/1955年、長崎県生まれ。東京大学法学部卒業後、旧通産省(経済産業省)入省。国家公務員制度改革推進本部審議官、中小企業庁経営支援部長などを経て2011年退官、改革派官僚で「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者...
ブライアン・メイが投稿したツイッター
米国ホワイトハウスの「We the people」という請願サイトで、昨年12月8日に始まった「大浦湾辺野古の埋立を県民投票が実施されるまで停止せよ」(Stop the landfill of Henoko / Oura Bay until a referendum can be held in Okinawa)と求める提案に、昨年12月8日から今年1月7日までの30日間で20万人超の署名が集まった。30日間で10万人の署名が集まれば、米政府が60日以内に何らかの回答を行うことになっている。
タレントのローラさんがインスタグラムで声を上げたり、締め切り間際に、あの「クイーン」のギタリスト、ブライアン・メイさんも署名を呼びかける緊急声明を出して、大きな話題になったが、おそらくそんな援護射撃も不要だったかもしれないと思うほど多くの署名が集まった。
そして、ホワイトハウス前には、アメリカの市民が集まってデモまで行われているニュースも流れ、世界に広がる賛同の渦にうれしい気持ちになった人も多いだろう。
今後は、アメリカ政府がどう答えるのかが、注目される。回答期限は60日以内だから(数え方が厳密にはよくわからないが)、期限は、概ね3月7日ということになる。
◆安倍政権が心配する署名運動に対するトランプ大統領の反応
そこで気になるのが、米国の対応だ。米政府は、沖縄の米軍基地に対する日本の世論を非常に気にかけている。その意味で、今回の署名活動には大きな関心を持っているはずだ。これだけ盛り上がったので、どういう回答をすれば、沖縄や日本の世論の反感をさらに高めることなく、平穏な状況に持って行けるのかということを専門家による分析などを行いながら慎重に検討しているだろう。
ただし、これは、従来の米国政府であればという話だ。最後の良識派と言われるマティス国防長官が辞任した直後にこの事態が起きたことで、これまでのような米国の対応が期待できないかもしれない。もしも、トランプ大統領がこの件を何らかの形で利用しようとすれば、問題は意外な方向に発展する「恐れ」がある。それは、安倍政権にとっての「恐れ」だ。
普段から、米国が他国の安全保障のために犠牲を払い過ぎているという持論を展開しているトランプ大統領のことだ。「そんなに日本国民が嫌がっているなら、米軍を撤退させてやろう」などとツイートする可能性は十分にあり得る。これは、安倍晋三総理や自民党にとっては、悪夢である。沖縄の基地を最も欲しているのは、彼らだからだ。
もしかすると、今頃、あらゆるルートを使って、「こんな署名のことは気にしないでください。『共産主義』の連中が騒いでも、安倍政権はびくともしません。日本はどこまでもアメリカと一心同体です。今も着々と工事は進んでいますからご安心ください。武器もますますたくさん買いますから、どうか撤退などとは言わないでください」とトランプ大統領に懇願しているかもしれない。
ちなみに、本件は、安全保障問題という文脈よりも、あの美しい海が茶褐色の土砂で埋め立てられ、もう二度と戻ってこないかもしれないということで、世界の人々に衝撃を与えた可能性が高い。
茶褐色の泥が美しいコバルトブルーの海に流れ出している映像を見た瞬間に、欧米先進国の市民たちは、「あり得ない環境破壊だ」と飛び上がって驚いたのではないだろうか。
これまで、沖縄の基地問題について、日本周辺の安全保障問題を切り離して議論することは難しかった。しかし、今回は、非常にわかりやすい映像が流れたことで、そんな議論など吹き飛んでしまった。環境問題にほとんど関心のない安倍政権には、この反応は想定外だったのではないだろうか。
この「事件」は、あらためて、日本は先進国ではないという印象を世界中に広めることになってしまった。
◆県民投票をめぐる世論誘導を始めた安倍政権
この署名運動でも挙げられている、2月の県民投票では、既に不参加を表明していた沖縄、宜野湾、宮古島の3市に加え、石垣市も1月11日に不参加を正式表明した。4市の有権者数とその県民全体に占める割合は、2018年9月30日執行の知事選時点の数字で計算すれば、沖縄10万9019人(9・5%)、宜野湾7万5547人(6・6%)、宮古島4万3422人(3・8%)、石垣3万8687人(3・4%)で、計26万6675人、県全体の23.3%を占める。
さらに、うるま市も態度を保留しており、これも不参加となれば、その有権者9万6421人(8・4%)を加えた合計36万3096人が不参加となり、県全体114万6815人の31.7%となる。逆に言えば、投票できるのは、県の有権者全体の68.3%だけという事態になりかねない。
仮に投票率が非常に高く8割になったとしても、投票者はおよそ有権者の54.7%となり、そのうちの8割が辺野古基地建設反対と投票しても全体で見れば約43.7%でしかない。投票率7割で反対7割なら、県全体の3割強だ。
そうなれば、安倍政権は、「県民の3割が反対しているからと言って基地建設を止めることはできない」というロジックを使って、基地建設推進の根拠として使うかもしれない。
もちろん、こんな議論はまやかしである。投票の機会を与えられなかった人々の多くが反対の意思を持っている可能性が高く、それを考えれば、民意を図るためには、投票できなかった地域の有権者数は除外して辺野古基地建設反対の割合を見るべきである。
しかし、既に、政府はまやかしの議論を広めるための世論操作を始めているようだ。
この点でいえば、1月10日付朝日新聞が気になった。宮古島市で県民投票の実施を求める署名集めに参加していた医師の声を紹介。宮古島市は投票不参加となったが、県内41市町村のうち36市町村が投票に参加することに期待し、「全県実施ではなくても、投票自体には意味はある」という医師の談話が記されている。
だが、記事の地の文章の中に、「反対票が不参加自治体を含めた全有権者の過半数に達すれば、それが沖縄の『民意』と言える」という考え方を載せている。
この考え方に従えば、参加市町村で投票率8割、建設反対8割という圧倒的反対が確認されても、「県の有権者全体から見れば過半数ではないから、基地建設反対は沖縄の民意ではない」という結論になる。これは、安倍政権が狙っているロジックそのものである。
この記事をよく読むと、前後の文脈から、記事で紹介した市民の考え方を書いたとも読めるが、「 」に入っていない地の文章なので、誰の考え方なのかは、正確にはわからない。いずれにしても、産経新聞や読売新聞ではなく、朝日新聞がこのような考え方を、何の留保もつけずに掲載したのは、非常に不思議だ。もしかすると、記者本人やデスクまでが、他意はないものの、政府の解説をそのまま無批判に受け入れてしまっているからこういうことが起きたのではないか、と心配になる。なぜなら、安倍政権のことだから、必ず、そういう洗脳を一生懸命にやっているのだろうと思わずにはいられないからだ。
県民投票後の菅義偉官房長官の記者会見の模様が、今から目に浮かぶ。
――東京新聞の望月衣塑子記者らの鋭い突っ込み:「投票率が8割で、その8割が基地建設反対という圧倒的民意が明らかになりました。政府としては、この民意を真摯に受け止めて、辺野古基地建設を止めるというお考えはないのですか?」
菅長官の余裕綽々の回答:「沖縄県の有権者全体から見れば、基地建設反対の意思を表明したのは、わずか4割強でしかありません。少数派の意見によって、政府の考え方を変えるなどということはあってはならないことではないでしょうか。政府としては、沖縄県民の皆様に寄り添いつつ、今後とも辺野古基地建設を粛々と進めてまいる考えにいささかの変更もありません。」――
◆投票不参加は安全保障の問題ではなくおカネ?
それにしても、世論としては、投票実施を求める声が圧倒的に強いのだが、どうして、市民の声を無視して、議会や首長が投票実施を拒否しようとするのだろうか。
もちろん、投票不参加の市の議会では、自民党優位で予算が通らないということなのかもしれないが、それにしても、世論を怖れぬ「勇気ある」行動に、呆れる人も多いだろう。
私は、こうした行動の裏にあるのは、安全保障に関する考え方の違いという問題ではなく、もっと卑近な「おカネ」の問題だと見ている。それをわかりやすく表したのが、来年度の沖縄県の予算だ。
沖縄県の予算は、他の都道府県と異なり、県に対する国の予算を「沖縄振興費」という特別な名称を付けて、一括計上することになっている。これは、あたかも、沖縄を特別に扱っているかのように見せる仕組みだが、実際には、沖縄への国からの財政移転の額を比べると、一度も日本一になったことはない。それどころか二桁順位が当たり前だ。沖縄は決して優遇されているわけではないのだ。
安倍政権は、翁長雄志前知事の時代から、歴代政権に比べて明らかに沖縄を冷遇し、沖縄振興費は低水準が続いている。19年度の予算は、沖縄振興費全体では3010億円と18年度の当初予算比では、横ばいだったが、県が最も強く要望していた、自由に使途を選べる一括交付金は1093億円と前年度の当初予算から95億円も減額されてしまった。また、一括交付金以外の予算の具体的使途でも、辺野古が位置する名護市など北部地域に限定した事業は増額し、辺野古基地建設に配慮した予算となっている。
さらに驚くことには、19年度から、他の都道府県にはない、沖縄だけに限った新たな制度を創設することになった。沖縄の自立的発展に資する「市町村」の事業を推進するためという名目で、新規で「沖縄振興特定事業推進費」を創設し30億円をつけたのだ。しかも、これは、昨年8月の沖縄県の予算要求には入っていなかったものだ。予算要求もしないのに、予算が付くということは、よほどの理由がない限りないのだが、今回は、政府が無理矢理その予算(30億円)を作ってしまった。もちろん、その分、他の予算が削られたということになる。ちなみに、前述の一括交付金は、2014年度の1759億円がピークで、来年度の1093億円は4割近く削られていることになる。安倍政権の沖縄への態度が鮮明になっていると言って良いだろう。
今回作られた新しい制度は、一言で言えば、県を通さないで、国が市町村向けに直接、使途の自由な交付金を出す制度だ。
宮腰光寛沖縄・北方担当大臣は、「臨機応変な財源捻出が困難な市町村に配分する」と発言しているが、どうやって支出対象とする市町村を選ぶのか、その基準は全く不明。つまり、安倍政権が好きなように支出できるということになる。これは、明らかに、沖縄県が要望する一括交付金は減らして兵糧攻めをする一方で、国の言うことを聞く「かわいい」市町村だけにお金を自由にばらまける制度を創設したということだ。
このような背景を理解したうえで、何故、民意を無視して、県民投票を実施しないという判断をする自治体があるのかを考えれば、答えは明白になる。県民投票を行わなければ、来年度予算で新たに作られた交付金予算から、億円単位の「おいしいお金」にありつけると、自民党議員・首長やそれを支持する土建業者が狙っているのだ。日本の安全保障のために基地が必要というような高尚な議論など関係ない。ただただカネが目当てと言っても良いだろう。
核のゴミの処理についても、同じように、安倍政権が、貧乏な地域を狙って、カネで住民の心を買おうとしていることを昨年、朝日新聞がスクープしたが、本当に、この政権には人の心があるのかという憤りを覚える。
沖縄の皆さんには、こんなひどい仕打ちをされても、「何とか耐えて、頑張っていただきたい」とお願いしたい。私たちにできることは限られているかもしれないが、ホワイトハウスの署名でも明らかになったとおり、沖縄の人々と一緒に声を上げ続けることが非常に重要だ。
特に、沖縄県やその他の米軍基地を押し付けられている地域の方々に比べて、その不利益を受けずに済んでいる私を含めた多くの日本人には、少なくともそれくらいのことをする責任がある。
この問題は、単なる安全保障の問題ではない。人権の問題であり、環境の問題であり、地方自治の問題であり、そして、民主主義の問題である。日本人としての「心」が問われている。その心を「カネで買う」という勢力に負けたら、日本の民主主義は終わりだ。
何としても、県民投票で世界中に、辺野古新基地建設NOという圧倒的な沖縄県民の声を示していただきたい。
沖縄の人々に頭を下げて心からお願いし、ともに声を上げ、そして、神に祈りたい。
何故、民意を無視して県民投票を実施しないのか
— ちょこ太郎 (@nowhere3_3) 2019年1月14日
自民議員・首長、それを支持する土建業者、だただカネが目当て
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たとえ投票率8割で、反対8割でも、投票出来ない市町村があるだけで、反対の意志が認められない構図。
— はましょー (@rastadesho) 2019年1月14日
アリーナ建設のおカネが欲しいからって、ひどくない?桑江さん。#県民投票 #辺野古 #沖縄市https://t.co/yhS9LLf0qP
古賀茂明「辺野古署名20万人超でどうなる? 沖縄の心をカネで買おうとする安倍政権」 https://t.co/SLfkaO1mdq
— tetssugi (@ts_prepre) 2019年1月14日
「県民投票を行わなければ来年度予算で億円単位の「おいしいお金」にありつけると、ただただカネが目当てと言っても良いだろう」
釣る愚者に釣られる愚輩(^-^)凸
国民の過半数にも満たない票で当選した議員らが、国民の意思と逆のことを好き勝手にしてるくせに! 💢💢💢
— SAM ☮ (@2525slow) 2019年1月14日
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古賀茂明「辺野古署名20万人超でどうなる? 沖縄の心をカネで買おうとする安倍政権」 https://t.co/zG5ZmmEBvg 反対署名は共産主義❓美しい浜辺を土砂で埋める行為、鯨の商業捕鯨を選んだ安倍政権、何が正しいか選択するのは国民の一票だが、選挙の度に義務的な投票しか出来ない愚民が優ってるのか❓
— パイプのジョニー (@paipunojyoni) 2019年1月14日
「こうした行動の裏にあるのは、安全保障に関する考え方の違いという問題ではなく、もっと卑近な「おカネ」の問題だと見ている。」
— ふぉっくす (@foxx1980) 2019年1月14日
『古賀茂明「辺野古署名20万人超でどうなる? 沖縄の心をカネで買おうとする安倍政権」』(AERAdot)https://t.co/qc9Zlllhqf
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