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ソレイマニ司令官は米国の軍事ビジネスのために殺された トランプvsイラン 狂気の泥仕合
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/267597
2020/01/16 日刊ゲンダイ
ソレイマニ司令官は国民的英雄だった(C)ロイター/WANA (West Asia News Agency)
イランの国民的英雄・ソレイマニ司令官は1957年3月11日生まれ。貧しい農家の出身である。父親は借金を重ね農業を営んでいたが、借金の返済が追い付かず、破綻。ソレイマニ氏は家計を助けるため13歳から建設現場で働いた。
彼が生まれる4年前の1953年、アメリカはCIAの工作で当時のイラン政府を転覆させ傀儡政権を樹立している。反米活動家や労働者、知識人の多くが投獄された。
当時のアメリカの中東政策はイスラエルとサウジアラビアを軸にイランもコントロールするという「ニクソン・ドクトリン」。そのため、イランとサウジには膨大な武器が輸出された。1977年、カーター大統領は「世界で混乱が広まる中、イランは最も安定した国」と宣言している。ソレイマニ少年はそうした情勢下で育った。
しかし1978年、アメリカの傀儡であったパーレビ政権の圧制に国民がついに怒りののろしを上げた。労働者のストライキが大規模化し、イラン経済の屋台骨の原油施設も稼働しなくなった。大混乱の末、ホメイニ師が革命政権を樹立したのが1979年2月11日のこと。
当時、21歳のソレイマニ青年は革命防衛隊に加わり、最前線で戦った。ソレイマニ司令官は、8年間つづいたイラン・イラク戦でも大きな役割を果たしている。
トランプ大統領はソレイマニ司令官をテロリストと断罪するが、正規軍の最高幹部である。貧しい生い立ちから政治の腐敗やアメリカの横暴を目の当たりにし、祖国の再建に邁進する宗教心のあつい指導者であった。
彼の葬儀に際し、最高指導者のハメネイ師が涙を流したのも当然であろう。
ではソレイマニ司令官がイラクのバグダッドの飛行場でアメリカのドローン攻撃で殺害されたのはなぜなのか? バグダッドを訪問した目的は何だったのか?
実はイラク政府がイランとサウジとの対立を解消するための仲介役を担っていたのである。長年、対立をつづけてきたイランとサウジが和解すれば、中東の地図は大きく変わる。
ソレイマニ司令官は、イラン政府としての調停案への回答文書を携えていた。イラクのアブドルマハディ首相に手渡すためだった。水面下でサウジとイランの交渉が始まっていたと推察される。
残念ながら、こうした動きはアメリカの望むものではなかった。なぜなら、イランとの対立があるからこそ、サウジはアメリカの武器を大量に買ってくれるからだ。イランとサウジの間で和解が成立すれば、トランプ大統領を支えるアメリカの軍需産業は大きなビジネスを失うことになる。アメリカのモットーは「戦争ほど儲かるビジネスはない」というわけだ。(つづく)
(国際政治経済学者・浜田和幸)
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— 日刊ゲンダイ (@nikkan_gendai) 2020年1月15日
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— KK (@Trapelus) 2020年1月15日
狂気のドロ仕合A 経済学者 浜田和幸
ソレイマニは米国のビジネスのために殺された
イランとサウジの間で和解が成立すれば、トランプ大統領を支えるアメリカの軍需産業は大きなビジネスを失うことになる
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