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トランプ氏をイラン司令官殺害に動かした「一線」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54035300U0A100C2EA2000/
2020/1/4 12:52 日経新聞
トランプ米大統領はイランに対する空爆を実行直前で見送ったことがあった=ロイター
【ワシントン=中村亮】トランプ米大統領がイラン革命防衛隊司令官の殺害に踏み切ったのは、イランが「越えてはならない一線(レッドライン)」を越えたと判断したからだ。米国人が死傷した攻撃にイランが関与したとみて、側近に殺害計画の策定を指示。同盟国と司令官を追跡して作戦を実行した。イランの報復攻撃にも警戒を強め、3000人規模の増派を検討する。
「米国人を傷つけるテロリストに言っておく。我々はおまえを見つけて殺害する」。トランプ氏は3日、フロリダ州で革命防衛隊の精鋭組織「コッズ部隊」のソレイマニ司令官の殺害を踏まえ、米国人の安全を最重要視する考えを力説した。
米国務省高官はソレイマニ氏がイラクやシリア、レバノンで米国人を標的に攻撃を計画したと指摘した。数百人が殺害される恐れがあったと主張し、同氏の殺害を正当化した。
国務省によると、イラクでは2019年11〜12月に米兵などを標的としたとみられる攻撃が少なくても11回あり、米国はソレイマニ氏の関与を主張する。12月27日にはイランが支援するとされる武装勢力の攻撃で米民間人1人が死亡、米兵4人が負傷する事態に発展。国務省高官は「忍耐も限界に達した。警告ではなく行動に出る必要が生じた」と振り返る。
ブルームバーグ通信によると、トランプ氏は米国の死傷者が出たとの報告を受けて、即座にソレイマニ氏の殺害計画の策定を指示した。クリスマス休暇を全米各地で過ごしていたペンス副大統領やポンペオ国務長官、オブライエン大統領補佐官(国家安全保障担当)らと電話会議で計画を議論した。情報漏洩を懸念し、議会指導部への事前通告は見送った。
同盟国と連携し、ソレイマニ氏が1月3日未明ごろに第三国からバグダッドの国際空港に到着するとの情報をつかんだ。到着直後を最適な攻撃のタイミングと踏んで、無人機による精密攻撃で同氏を殺害した。米国本土がイランの報復攻撃を受けるリスクも議論したが作戦を強行した。
トランプ氏は19年6月、イランによって米無人機が撃墜された際、イランに対する空爆を指示したが実行直前に中止した。当時、米軍高官は空爆を実行すればイラン側に150人の死者が出る可能性を報告。トランプ氏は無人機の撃墜では米国人の死傷者が出ておらず、釣り合わないとして作戦を中止した。
元国務省高官のマイケル・シン氏は米国に死傷者が出ればトランプ氏が「レッドライン」を越えたとみなし、軍事攻撃に踏み切ることが明らかになったと指摘する。イランの英雄ともされるソレイマニ氏を殺害したことを踏まえ「敵がレッドラインを越えれば容赦なく打撃を与えることも分かった」と強調。「イランはレッドラインを読み誤って想定外の反撃を受けた」と説明する。
トランプ氏はソレイマニ氏の殺害を政権の成果と訴える。3日にフロリダ州でキリスト教福音派を集めた選挙集会を開き「米国人は神から多くの祝福を受けているが、最も良いのは最強の軍に守られていることだ」と、同氏の殺害をアピールした。福音派の多くはイランに対する強硬姿勢を求める。殺害を20年の大統領選に向けた支持につなげたいトランプ氏の思惑がにじむ。
一方でトランプ政権はイランによる報復攻撃への備えも急ぐ。複数の米メディアによると、米政権は3000人規模の米兵を中東地域に追加派遣する案を検討している。ポンペオ氏は米国のインフラなどを念頭にイランのサイバー攻撃に警戒が必要だと指摘する。国土安全保障省はイランによる米本土への新たな脅威がないか検証作業に入った。
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