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人間活動の外部費用は地球を殺している
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2020年1月 4日 マスコミに載らない海外記事
2019年12月30日
Paul Craig Roberts
人は他の生命体を根絶することで自身を根絶している。自由な発想に尽力する人間として、少数の利益のために、人間が地球を破壊するのを阻止するのに、本当に必要なのは、スタートレックのボーグ風マインド・コントロールではあるまいかと思うことがある。
外部費用は、経済学者が無視しており、法的、政治的決定、実際、あらゆる決定、大いに理性的に見えるものであっても、思いがけない結果は驚くべきものであり得るように思われる。私は資本主義生産の外部費用が、利益を超え、場合によっては、生産物の価値を超えると確信している。最も慎重に評価された法律や最も慎重に計画された企業活動は悲惨な結果をもたらし得るのだ。本質的に、人が決定をするとき、めったに自分たちが何をしているか分からないものだ。
金融化が、雇用海外移転経済が、同じことをする他の経済とあいまって、企業が、企業の資本を減らす目的で、借金さえしての自身株買い戻しが、新プラントや装置や労働で投資することより一層利益があることを見いだして状況は悪化する。自社株買い戻しは今アメリカ企業投資の主な用途だ。近年、企業収益と借り入れの全てが、経営者と株主に報酬を与える株買い戻しのために使われている。現在日本と欧州連合の中央銀行は株購入で株式価格を維持している。日本の中央銀行は上場投資信託(ETF)の最大保有者だ。私は連邦準備銀行が、S&P先物を購入し、アメリカ株式市場の崩壊を防いでいると確信している。
失業は、社会不安と政治不安を増し、出世のはしごを破壊し、企業経営者と株主の全ての富と配当収入の集中は、近代以前の時代の貴族と農奴のように所得分配をゆがめる。中央銀行が流動性資産を投入しての、株と債券価格の上昇は、惨事がいつ起きてもおかしくない資産バブルを引き起こす。
経済学者は、生産の外部費用に、ほとんど注意を払わないが、人間活動による地球に対する外部費用は、よりわずかしか注目されていない。
クリスマスの贈り物として、ジョエル・サートレイの素晴らしい絶滅危惧種写真集をもらって、私はこれを思い出した。
https://www.amazon.com/National-Geographic-Photo-Ark-Vanishing/dp/1426220596/ref=sr_1_1_sspa?keywords=Joel+Sartore&qid=1577406247&s=books&sr=1-1-spons&psc=1&spLa=ZW5jcnlwdGVkUXVhbGlmaWVyPUEyREtFRTdWR0VKUlBJJmVuY3J5cHRlZElkPUEwMTg3MjQ0MVRaREpaNFJRUlRHTCZlbmNyeXB0ZWRBZElkPUEwNDU5Mjg1MzAyQVIxS0RHTUZRQSZ3aWRnZXROYW1lPXNwX2F0ZiZhY3Rpb249Y2xpY2tSZWRpcmVjdCZkb05vdExvZ0NsaWNrPXRydWU=
それは痛ましく、自分たちの行動の悲惨な帰結に無頓着な人間に、なぜ神が支配力を与えたのかと疑わせる。絶滅した動物、虫、は虫類、鳥の種をお考え願いたい。我々はなぜこれをしたのだろう? ごく少数の金持ち連中が、もう少し金持ちになりたい以外、理由はない。彼らは動物、植物、森林、清浄な水、魚や海洋生物、鳥、チョウ、ミツバチや多数の虫を絶滅させた金は必要ではなかったはずだ。
ディック・チェイニーが副大統領だった時以来ずっと、実質的に、大統領や環境保護庁は採鉱や材木やエネルギー権益の代理人だった。他のほとんどの環境や野生生物保護も無視された。国有森林は伐採され、国定記念物は損なわれており、狼が殺され、珍しい種は密猟や戦利品として狩猟される。すべての種が根絶されるまで、人は幸せにならないように思われる。
民間の環境保護団体は、今非常に企業からの資金と企業受託者に依存しているので、ほとんど効果がない。彼らは実質的に、ワシントンにおける彼らの企業寄贈者の権益に反対する運動をすることはできないのだ。
ペブル鉱山をお考え願いたい。カナダの採鉱企業、コンスタンチン・メタル・リソーシズが、アメリカ合州国環境保護庁の承認で、アラスカ州のブリストル湾の本部で採掘事業を始める許可証を受け取った。この水域は鮭の産卵場所で、鮭で生きるワシとハイイログマが食物を見つける場所だ。洋服屋オービスが広告で明らかにしている通り、操業中にペブル鉱山から得られるのは、外国企業の収益、2,000の臨時職と、わずか1,000の常勤職だ。失われるものは、15億ドルの漁業と、14,000の関連する仕事、670平方キロの手付かずの環境、世界的に有名な4つの釣り川、長さ22キロの鮭の最良産卵地と、毎日136万リットルの有毒な廃水のチルカット川への流入による清浄な水の破壊、それによる鮭やワシやハイイログマの絶滅、14,000人の生活だ。
これが資本主義が決定をする方法だ。地球上の生命の価値を重要と思う人々は重要ではない。利益が重要と考えているのは、自分たちの意思や利益のために、議会や、環境や保護された環境に依存する生活を守るはずの規制当局に圧力をかけられる大企業だ。
資本主義の活動に、自由市場主義の経済学者が描くような空想的なものでなく、実態をそのまま見れば、破壊勢力であることがわかる。規制が緩和されればされるほど、益々破壊勢力になるのだ。だが資本主義は制御可能なのだろうか? あらゆる取り組みは失敗した。シカゴ大学の経済学者ジョージ・スティグラーは、全ての規制当局は、規制するはずの相手に取り込まれ、規制当局は規制するはずの企業の代理人になると言っている。
結果的に、アマゾン熱帯雨林は、世界資源を破壊する犯罪者、裸にした土地から、引き換えに一つか二つの農作物を手に入れる連中に破壊されているのだ。アメリカの権益を推進するため、ワシントンが権力の座につけた不正なブラジル政府は、地球上の生命に対する犯罪の共犯者だ。中国の材木企業のおかげで、インドネシアの森林でも同じことが起きている。スマトラ虎よ、さらば。森林に依存して暮らす先住民よ、さらば。
サートレイの絶滅危惧種写真集序文で、エリザベス・コルバートが、現在の人類は、6600万年前に恐竜を絶滅させた小惑星と同じだと主張しているが、我々は我々自身を含めて全てを絶滅させているのだ。
我々が動物や虫を絶滅させると、その種のゲノムは失われる。事実上、我々は図書館を絶滅して我々自身を益々無知にしているのだ。
多様性を主張する人々が、白人の排除ではなく、地球上の生命の多様性維持に焦点を変えれば、遥かに良いのではと思う。だが、それには、全ての生命に対する知性や共感が必要だが、それは人間には豊富にはない特質だ。
Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。
記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2019/12/30/the-external-costs-of-human-activity-are-killing-the-planet/
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