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トランプに対するFBIによる不正捜査疑惑の捜査はブレナン元CIA長官へ
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201912190000/
2019.12.20 櫻井ジャーナル
ウクライナゲート
アメリカ議会では民主党がドナルド・トランプ大統領に対する弾劾を叫んでいる。いわゆる「ウクライナゲート」に絡んでのことだが、この疑惑は2014年2月にバラク・オバマ政権がネオ・ナチを使ってウクライナの合法政権を転覆させたことに端を発する。
民主党が問題にしたのは、すでに本ブログでも書いたが、トランプ大統領が7月25日にゼレンスキー大統領へ電話した際、ジョー・バイデンが2018年1月23日にCFR(外交問題評議会)で行った発言を話題にしたこと。バイデンはウクライナのクーデター政権に対し、10億ドル欲しければ検事総長のビクトル・ショーキンを6時間以内に解任しろと恫喝、実際に解任されたと自慢したのだ。その際、バイデンは「ウクライナを支援する欧米諸国や国際機関が同国の腐敗問題に取り組む中、同国の検事総長が汚職捜査に消極的だとして解任させようとした」と主張している。
ブリスマ疑惑
しかし、ショーキンは宣誓供述書の中で、解任の理由は天然ガス会社ブリスマ・ホールディングス(本社はキプロス)を捜査していたことにあるとしている。
ジョー・バイデンの息子、ハンター・バイデンは2014年4月から同社の重役を務めたが、エネルギー産業に詳しいわけではない。しかも検事総長を解任しろという圧力は2015年終わりから16年初めにかけての数カ月に及んだという。トランプがゼレンスキーへ電話する前の今年2月の初めにはハンターに対する捜査を再開する動きがあったとも伝えられている。
問題のブリスマは2002年に創設された。創設者のひとりであるミコラ・ズロシェフスキーは2010年からエコロジー資源大臣を務めているが、検察当局は彼をマネー・ロンダリング、脱税、汚職の容疑で12年に捜査を開始。その年にズロシェフスキーは大臣を辞めた。
捜査が進めば起訴される可能性があったが、2014年にクーデターでビクトル・ヤヌコビッチ政権は倒されてしまう。その年の終わりにズロシェフスキーは国外へ逃げ出す。資産はイギリスの当局に凍結されたが、2016年にその凍結は解除され、17年に帰国した。ズロシェフスキーが国外へ逃亡している中、ハンター・バイデンは雇われたわけだ。
ブリスマの重役としてハンター・バイデンは高額の報酬を得ていたのだが、ウクライナのアンドリー・デルカチ議員によると、バイデン前副大統領もブリスマからロビー会社を介して90万ドルを受け取っているという。つまりブリスマ疑惑では創設者のズロシェフスキーだけでなく、バイデン親子も容疑者に含まれているわけだ。有力メディアの世界では、この疑惑をウクライナゲートが隠している。
ロシアゲート
ウクライナゲートの前、民主党や有力メディアはロシア政府が2016年に実施されたアメリカの大統領選挙に介入したと叫んでいた。いわゆる「ロシアゲート」だが、これはすでにFBIによる不正行為が追及される展開になっている。
ロシアゲートの出発点は外部に漏れたヒラリー・クリントンの電子メール。2016年3月にウィキリークスは民主党の幹部やヒラリー・クリントンの不正行為を明らかにする電子メールを公表、7月にはヒラリーを起訴するに十分な証拠を公表していくとジュリアン・アッサンジが発言する。実際、7月22日に公表したのだ。
この電子メールによって、民主党の幹部が自党の候補者選びでバーニー・サンダースの足を引っ張り、既定の方針通りにヒラリー・クリントンを選ぼうとしていることが判明した。当然のことながら、サンダースの支持者は怒った。
それに対し、民主党側はサーバーがGuccifer 2.0にハッキングされ、その黒幕はロシアの情報機関だと主張。それがウィキリークスへ渡されたというシナリオだ。
アメリカの電子情報機関NSAの技術部長を務めた内部告発者で情報機関で通信傍受システムの開発を主導したウィリアム・ビニーが指摘しているように、NSAはすべての通信を傍受、保管している。もしロシアゲートが事実なら、FBIは必要な証拠をすべてNSAから入手できるからだ。
また、コンピュータの専門家たちは早い段階から技術解析などで作り話だと指摘されていた。例えば、IBMのプログラム・マネージャーだったスキップ・フォルデンは転送速度などの分析からインターネットを通じたハッキングではなく、内部でダウンロードされたと結論、その分析内容を公表している。
実は、民主党の内部で電子メールをダウンロードしたのではないかと言われている人物が存在する。DNC(民主党全国委員会)のスタッフだったセス・リッチだ。
この人物は7月10日、つまり電子メールが公表される12日前に射殺されている。警察は強盗に遭ったと発表するが、それに納得できないリッチの両親は元殺人課刑事の私立探偵リッチ・ウィーラーを雇って調査を始めた。
この探偵によると、セスはウィキリークスと連絡を取り合い、DNC幹部の間で2015年1月から16年5月までの期間に遣り取りされた4万4053通の電子メールと1万7761通の添付ファイルをウィキリークスへ渡したとしている。この発言はウィラーガーが雇い主に無断で行ったことから問題になり、その後、探偵から情報は出なくなった。
トランプが大統領に就任した2カ月後の2017年3月、アダム・シッフ下院議員が下院情報委員会で前年の大統領選挙にロシアが介入したとする声明を出し、「ロシアゲート」なる茶番劇の幕を上げた。
シッフが主張の根拠にしたのはイギリスの対外情報機関MI6(SIS)の元オフィサー、クリストファー・スティールが作成した報告書。根拠が薄弱だということはスティール自身も認めている代物だ。このスティールに調査を依頼したのはフュージョン、そのフュージョンを雇ったマーク・エリアス弁護士はヒラリー・クリントン陣営や民主党全国委員会の法律顧問を務めていた。
CIA疑惑
トランプを引きずり下ろすためにFBIの幹部が根拠薄弱の話を利用して不正捜査した疑惑が強まっているのだが、その背後にはオバマ政権でCIA長官(2013年3月から17年1月)を務めたジョン・ブレナンがいると以前から指摘されていた。
現在、FBIの不正捜査疑惑はウィリアム・バー司法長官の下でコネチカット州の連邦検事ジョン・ドゥラムが捜査中。そのドゥラムはブレナンの電子メールや通話履歴を含む関連文書を調べ始めたという。
この話はニューヨーク・タイムズ紙が伝えたのだが、この新聞も支配層の意向に従って情報を流してきた。そのメディアがこの話を伝えたことは興味深い。支配層内部の権力抗争が激しくなっているのかもしれない。
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