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非常に重要な化学兵器禁止機関スキャンダルが展開中。それを誰もに語らない理由はこれ
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2019年12月18日 マスコミに載らない海外記事
ケイトリン・ジョンストン
2019年11月17日
世界中で一面記事になるはずの、もう一つの軍事介入に関し、アメリカとその同盟国が、またしても世界をだました証拠で、今化学兵器禁止機関は大打撃を受けつつある。それでも、アメリカ報道機関の主要ニュースを見ていれば、今唯一重要なのは、共和党が多数派の上院で何か魔法のように、圧倒多数の賛成で、ドナルド・トランプが大統領の座から解任されるかもしれないという子供じみた夢想にふけることだと思わされるだろう。
CounterPunchは、これまで大衆に知られていなかった化学兵器禁止機関スキャンダルに関する多くの暴露を含むジャーナリストのジョナサン・スティールによる実に衝撃的なニュースを報じた。スティールは、同紙が欧米帝国主義に批判的な、あらゆる重要な思索家を粛清する前に、ガーディアンの海外特派員として働き受賞した記者だ。最初彼は先月、BBCでの発言で、シリア、ドゥーマでの化学兵器攻撃とされているものへのこの組織による調査で、二人目の内部告発者の存在を明らかにして化学兵器禁止機関論争に決然と取りかかっていた。
もし読者がこの話題について十分お読みでない場合、ドゥーマ事件に関する、これらの新しい意外な事実の重要性を正当に評価するため、出来事の線表をご覧になるにはここをクリックいただければ良いが、簡単にまとめると、去年4月、バッシャール・アル・アサド大統領の下、シリア政府に使用された化学兵器により、多数の一般人がドゥーマで殺害されたという報道が表面化したのだ。アサドが既にドゥーマでの戦闘で勝利しており、報復として欧米諸大国からシリアへ軍事攻撃があるのを知った上で、禁止された兵器を使う戦略上の理由はなかったのだから、シリアに対する言説操作作戦に注意を払っていた人々はすぐさま、これをいぶかしく思った。例により、数日後、アメリカとフランスとイギリスが、シリア政府に空爆を開始した。
今年3月、化学兵器禁止機関はドゥーマについての最終報告を発表したが、その報告はドゥーマ調査から独立した二人の内部告発者に否定された。最初のものは、今年5月に浮上し、犯罪現場で発見された塩素ボンベは、空から落とされる可能性は少なく、それらは、そこに手作業で置かれた可能性、すなわちドゥーマを占領している反政府勢力が仕組んだ可能性が遥かに高いことをはっきり示す漏洩した技術的評価だ。二人目の内部告発者は先月、内部告発者を守る組織カレッジ財団が集めた専門委員会の前で、ブリュッセルで丸一日のプレゼンテーションを申し出て、その調査結果はウィキリークスに発表された。
スティールによるこの新報告は、身の安全上の懸念から偽名「アレックス」で通っている二人目の内部告発者が彼に提供した情報に焦点をあてている。アレックスが提供した情報は、漏洩した技術的評価より遥かに刺激的であることが分かった。 ここに七つの要点(ハイパーリンクで、各々が参照する適切な記事にとべる)がある。
1 - アメリカ政府当局者が、化学兵器禁止機関の調査担当者に、アサド政権がドゥーマ事件に責任があると信じるよう強いようとした。化学兵器禁止機関の当時の部長ロバート・フェアウェザーによって、当局者が調査担当者と同じ部屋に配置されたが、もちろん調査担当者は、化学兵器禁止機関の公平さに対する誓約の極めて不適当な違反と感じた。念のため言っておくと、既にアメリカ政府は表向き独立した国際組織化学兵器禁止機関に、既存の政権転覆の狙いを推進可能にするよう脅して強いる周知の実績がある。
2 - アレックスは、ドゥーマ事件に関する化学兵器禁止機関の公式出版物に関する内部対立は、これまで知られているより遥かに蔓延していたと報じ、「ドゥーマ・チームの大半が、事件に関する二つの報告、中間報告と最終報告が、科学的に貧弱で、手続き上、不正で、詐欺の可能性があると感じた。」と書いた。
3 - チームメンバーの一人以外全員が、塩素ボンベは、現地の人々が手作業で現場に置いた可能性が遥かに高そうだという技術的評価に同意した。
4 - その名が漏洩した技術的評価に署名されていた南アフリカ人弾道学専門家イアン・ヘンダーソンが、その漏洩の当事者だったように思える。ヘンダーソン自身が漏えいに関与していたかどうか、大衆には、これまで知られていなかった。
5 - アレックスが「誰もあえて明示的に言及しない、誰もが認識しているが口に出したくない重要な問題」と呼ぶもので、調査担当者たちは、化学兵器攻撃はなかったという彼らの調査結果が高まること関して、何であれ言うことに、圧力を経験していた。
6 - ドゥーマ事件に関する化学兵器禁止機関の最終報告は、明示的に、調査が、武器としての有毒化学物質の使用が行われたという「妥当な根拠を見いだした。この有毒化学物質は反応性塩素を含んでいた。有毒化学物質は分子塩素だった可能性が高い。」だが、アレックスによれば、現場で発見された塩化有機化学物のレベルは「どんな家庭環境にでもあるものより高くなく」、実際「環境試料から予想されるより、ずっと低く」、世界保健機構による飲料水の推奨塩素濃度と同等か、あるいは、より低かった。この極めて重要な事実は、アレックスが「故意で、異例」と表現するやり方で、積極的に、繰り返し化学兵器禁止機関の公式報告から削除された。
7 - 先月、スティールは、二人目の化学兵器禁止機関の内部告発者による暴露に対するコメントを得ようとして、化学兵器禁止機関に接触して失敗したが、新記事で、フェアウェザーと化学兵器禁止機関の広報部両方が返答を拒否しており、この組織が彼をまだ避けているのを確認したと述べた。ラ・レプッブリカのステファニア・マウリツィも化学兵器禁止機関がこの重要事項に関し報道機関を避けていると報じていた。5月に最初の内部告発者が浮上した後、化学兵器禁止機関は問い合わせに対応していたが、2番目の内部告発者の主張には、そうするのをやめろという命令を誰かが出したように思われる。
もし報道価値と実際のニュース報道の間に相関関係があれば、化学兵器禁止機関スキャンダルは、今頃、第一面の国際的な見出しになっているはずだ。ところが、そうではなく、アメリカと同盟国が虚偽情報に基づいて戦争犯罪を行い、独立のはずの監視組織が、彼らがそれを隠蔽するの支援している証拠が益々増えていることはほとんど報じられない。一体なぜだろう?
読者が、シリアに関する言論の管理者、ガーディアンのジョージ・モンビオや、インターセプトのメディー・ハサンに聞けば、たとえアサドがドゥーマ事件に責任がなかったにせよ、彼は依然、非常に悪い人物なのだから、それは重要ではなく、大した話題ではないのだ。だがバッシャール・アル・アサドが良い人物かどうかは全く無関係なのだから、これは彼らにとって、知性的に、実に不正直な曖昧化だ。化学兵器禁止機関がアサドの無罪を証明するドゥーマに関する、シリア政府の無罪を示す調査結果を隠蔽するのは大したことではなく、アメリカが更に次の軍事介入で世界をだますことを意味するから重要なのだ。アメリカが将来の他の軍事介入への支持を作り出すことが一層困難になるだろう。
もちろん、それこそが政治/メディア支配層が化学兵器禁止機関スキャンダルを無視している本当の理由だ。軍の暴力は、アメリカに集中した帝国をばらばらにならないよう維持する接着剤であり、軍の暴力を推進することに対して、帝国が同意を作り出す能力を維持するのは、戦略上、最も重要なことを意味している。富豪に支配される放送局は、従業員が自分たちの出世が、金権政治階級が築く帝国を守ることに依存しているのを理解するような形で経営されているから、化学兵器禁止機関スキャンダルは、商売を続けたいと望む誰にとっても明白な禁忌事項だ。
こうした話題を主流マスコミに報道するようにさせる唯一の方法は、主流メディアの支援なしで広められるかどうかで、その時点で、宣伝屋は、メンツを維持するため、言説支配を取り戻す、ほぼ不可能な作業を始めるため、それを報じるよう強いられるだろう。これは、化学兵器禁止機関スキャンダルを、主流マスコミが注目するよう押しやるため十分な人数の人々が協力した時にしか起き得ない。私はこれは、世界にとって非常に良い結果になるだろうと思う。
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ケイトリン・ジョンストーンは、ならずものジャーナリスト。間抜けな社会主義者。アナルコ内的世界探索者。ゲリラ詩人。ユートピア・プレッパー。
記事原文のurl:https://medium.com/@caityjohnstone/the-hugely-important-opcw-scandal-keeps-unfolding-heres-why-no-one-s-talking-about-it-3632903f22a2
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