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英国の保守党政権が公約を破るのは不可避で、連合王国が分裂する可能性も
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2019.12.16 櫻井ジャーナル
イギリスでは「道化」とも呼ばれているボリス・ジョンソンが率いる保守党が12月12日に実施された総選挙で勝利した。そのジョンソンは選挙に先立ち、さまざまな公約をしている。
EUからの離脱が前面に出ているが、それだけでなく、NHS(国民保健サービス制度)へ毎年340億ポンド以上を支出、新たに40病院を2030年までに建設、5万人以上の看護師の教育支援、2万人以上の警察官増員などが含まれている。
しかし、この中で実現しそうなのは警察官の増員位ではないかと見られている。必然的に不満が高まり、混乱が予想される。警察官の増員が実現するだろうと言われているのはそのためだ。
そうした不満の受け皿が存在すると支配層にとって面倒なことになる。ジェレミー・コービンが率いる労働党はその可能性があったが、これまでも有力メディアから中傷攻撃を浴び、今回の選挙を受けて彼は党首を辞めると表明した。トニー・ブレアのような人物を新しい党首にしようと支配層は考えているはずだ。
マーガレット・サッチャーの後継者と言われたブレアが労働党の党首になったのは1994年6月。1980年代に親イスラエルから親パレスチナへ軸を移動させていた労働党を親イスラエルへ引き戻し、サッチャー流の新自由主義を導入することになる。ブレアはイギリスとアメリカの連携を強める政策も推進したが、同じことを次の労働党の党首も求められるだろう。
不満の高まりはスコットランド、北アイルランド、ウェールズの独立問題を再燃させる可能性もある。スコットランドが独立した場合、北海油田の収入は90%がスコットランドへ入ると言われている。
独立運動には歴史的な背景がある。イングランド、スコットランド、アイルランド、ウェールズの連合は支配層の都合で決められたのだが、その背後では住民の虐殺があり、その記憶は消えていない。
ウェールズは13世紀にイングランドの支配下に入り、1536年に統合された。スコットランドは1707年に、アイルランドは1801年にはアイルランドを飲み込んでいる。
その間、1649年にイングランドでは国王チャールズ1世が処刑され、地主や富裕な商工業者に支持されていた独立派のオリバー・クロムウェルが実権を握って独裁体制へ移行した。
ピューリタン革命だが、実権を握ったクロムウェルは騎士派(王党派)との戦いで手を組んでいた水平派を次に弾圧する。水平派は小農民や職人層に支持されていた。
それと並行してクロムウェルはアイルランドを侵略、住民を虐殺している。アイルランドの人口は虐殺前の1641年に147万人だったが、52年には62万人へ減っている。50万人以上は殺されたのだが、残りは「年季奉公」や「召使い」として売られたと言われている。事実上の奴隷だ。
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