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トルコによるクルド人地域侵攻容認というトランプの過ち
2019/10/24
岡崎研究所
10月6日、トランプ大統領はクルドが支配するシリア北東部へトルコが侵攻することを容認する方針を打ち出した。これは、トランプの衝動と気紛れが引き起こした騒動のようである。ワシントン・ポスト、ニューヨーク・タイムズ、ウォールストリート・ジャーナルといった大手メディアやそれらのコラムニスト達ばかりではない。共和党のミッチ・マコーネル、リンゼイ・グラム、マルコ・ルビオといった大物政治家や前国連大使ニッキー・ヘイリーまでもが、一斉に反発し非難している。
non-exclusive/Turgay Malikli/iStock / Getty Images Plus
10月6日のホワイトハウスの声明が言っていることは次の 2つである。
(1)トルコは間もなくシリア北東部に侵攻する。米軍はこの作戦を支持もしないし関与もしない。米軍は近接する地域には最早存在しないであろう。
(2)米国はフランス、ドイツ、その他欧州諸国に囚われているIS戦闘員を引き取るよう要求して来たが、彼等は拒否した。米国はIS戦闘員を抱えて行くつもりはない。何故なら長期間を要し、納税者にとって大きなコストになる。今後はトルコがIS戦闘員に責任を持つ。
この声明は、トランプ大統領がエルドアン大統領と電話で会談した直後に出されたものであるが、エルドアンに何を話したのか。トルコがロシアのS-400ミサイル・システムを導入したことに対する対応を有耶無耶にしたままであるが、エルドアンとの関係はどういうものなのか、すっきりしない。
何を考えてこの度の政策を打ち出したのか、定かでない。犬猿の仲のトルコとクルドの間を取り持ちつつ、両者との協力関係を維持するというおよそ解決可能とは思われない問題の解決に向けてある程度の進展はあったらしく、両者を引き離す「安全地帯」を国境地域に設けて米国とトルコが共同でパトロールすることも始まっていたようであるが、トランプの突然の表明はこの方針をひっくり返すものである。問題点は、次の通りである。
第一に、これはクルドに対する裏切りである。ホワイトハウス の声明はトルコ軍がシリア北東部のクルド支配地域に侵攻することを米軍は邪魔しないと約束している。今後、ISの脅威に対処する上でクルドの協力は得られないことになる。各方面の非難に驚いたのか、トランプは「クルドは我々と共に戦った。しかし、そのために彼等には莫大なカネと装備が支払われたのだ」とツイートしたが、これは余計な侮辱である。トランプは「もしトルコが許容範囲を超えれば、トルコ経済を完全に破壊し抹消する」とツイートしたが、タガの外れたレトリックでしかない。
第二に、クルドはトルコに太刀打ち出来ないであろうから、全面的な戦争になるとは限らないが、シリアは更に不安定化する。米軍が頼りにならないと見切りをつければ、クルドはアサド政権との取引きに走るであろう。米国のシリアにおける政治的足場は弱まるであろう。
第三に、トルコは侵攻する地域からクルドを駆逐し、そこに国内に滞留するシリア難民を帰還せしめる挙に出るかも知れない。それは紛争を引き起こすであろうし、クルドはそれが「民族浄化」に類した事態になることを恐れているようである。
第四に、シリア北東部の収容所に拘束されている2000人以上のIS戦闘員(その他に 7 万人の戦闘員の家族がキャンプに収容されている)は今後トルコが管理するとホワイトハウスの声明は言っているが、トルコにその意思と能力がある筈はない。トルコとの戦闘となれば、クルドは管理を放棄し(IS戦闘員を管理しているのは米軍ではない)、IS戦闘員が野放しになる危険がある。
10月9日、トルコは越境作戦を開始した。
これを受けて、トランプはトルコとクルドの戦いは歴史的に不可避なのだと言い訳のようなことを言い、クルドの米軍に対する協力の価値を貶めるようなことも述べた。更には囚われているIS戦闘員は欧州に逃げ出すだろうと論点をすり替えるようなことを述べた。
リンゼイ・グラム議員は、トルコに対する制裁法案を提案する意向である。トランプ政権の信頼性は大きく傷付いた。そして、拘束されているIS戦闘員をどう取り扱うかの問題の緊急性が図らずも改めて明らかとなった。
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/17635
弾劾調査:新証言でトランプ大統領「最悪の日」
Taylor Testimony Marks Trump's Worst Day in Office
2019年10月24日(木)16時25分
ジェイソン・レモン
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トランプ弾劾の証拠になる証言をして一躍、注目の人になったウクライナ駐在のテイラー米代理大使 Carlos Jasso-REUTERS
<遂にトランプ政権の終わりの始まりか? 政敵の汚点捜査に同意しなければ国防に協力しない、と小国を脅した克明な証言が飛び出した>
ウクライナ駐在のビル・テイラー米代理大使が証言を行った10月22日午前の米下院の聴聞会。議場から出てきた民主党のアンディ・レビン下院議員は、待ち構えていた記者団にテイラー証言は衝撃的な内容だったと明かした。
「私はまだ議員になって10カ月ほどだが、今日は──と言っても、まだ正午にもなっていないね?──議員生活で最も動揺した日だった」と、レビンは記者団に語った。「いやあ、参ったよ」
ロナルド・レーガン元大統領のスピーチライターだったジョン・ポドレツはMSNBCに出演し、これはトランプが大統領になって「最悪の日」で、この証言でトランプ弾劾は100%可能になったと語った。
<参考記事>トランプ弾劾調査の引き金になった「ウクライナ疑惑」のすべて
<参考記事>トランプ、ウクライナの次は中国にバイデンの調査を要求 民主主義に最悪の反則と元米NATO大使
テイラーは、ドナルド・トランプ米大統領が批判を押し切って解任したマリー・ヨバノビッチの後任として今年6月に代理大使に就任。この日は大統領弾劾訴追のための調査を行う下院委員会の召喚に応じて、非公開の聴聞会に出席した。
そんな圧力は「狂っている」
たとえばEU駐在のゴードン・ソンドランド米大使に宛てたテキストメッセージで、テイラーは「安全保障上の援助は、(ライバル候補の)捜査を条件とする、と言っていいんですね」と、ストレートに質問していた。ここで言う捜査とは、2020年大統領選で民主党の最有力候補になっているジョー・バイデン前副大統領とその息子ハンターが絡むウクライナで行ったかもしれない不正ビジネス疑惑に関する捜査のことだ。ソンドランドは、やりとりの記録が残るのを避けるためか、「後で電話する」とだけ返事した。
またテイラーはソンドランドに、「米国内の選挙支援を見返り条件に軍事援助の提供を控えるなど、『狂っている』とメッセージで伝えた」ともBBCは報じている。
民主党のアミ・ベラ下院議員はCNNの取材に応じ、テイラー証言で「不明点がいくつも明らかになった」と述べた。ベラによれば、テイラーはソンドランド駐EU大使よりも事実関係を「はっきり覚えている」ようで、「かなり率直に自分の体験を話してくれた」という。
弾劾調査が始まったのは9月末。きっかけは内部告発だ。トランプは、2016年の米大統領選に介入したのはロシアではなく、民主党の依頼でウクライナが介入したという陰謀説を唱え、さらには2020年の米大統領選の民主党の有力候補の1人であるバイデンは、息子がウクライナで行った不正ビジネスを隠蔽しようとしたと根拠なく主張。これらの疑惑に関し、ウクライナ政府に捜査を行うよう働きかけたとして、政府内部の人間がトランプの「裏取引」を告発したのだ。
次のページもう「疑問の余地はない」
大統領が政敵に関する捜査で外国政府に協力を求めること自体、職権乱用だと指摘されている。
しかもトランプ政権はウクライナ向けの4億ドルの軍事援助を一時的に棚上げにしていた。ミック・マルベイニー大統領首席補佐官代行は15日に開かれた下院の公聴会で、援助棚上げは民主党とバイデンを標的にした捜査を行うようウクライナに働きかけることと関係があった、と証言した。証言後に猛攻撃にさらされたマルベイニーは、すぐさま撤回を試み、「交換条件」など存在せず、軍事援助をちらつかせて、大統領の望む捜査をさせるなどということはあり得ないと、苦しい言い訳をした。
民主党のデビー・シュルツ下院議員はニューヨーク・タイムズの取材に応じ、テイラー証言は「胸が痛むほど詳細な」内容で、トランプ個人の政治的な目標とトランプ政権のウクライナ外交の「直接的なつながり」が疑問の余地なく明らかになったと語った。
トランプ側は「魔女裁判」と抗議
アメリカの選挙では外国人や外国政府から支援を受けることは違法だ。民主党のエレン・ワイントローブ連邦選挙管理委員長は今年に入り、「選挙に関連して、外国籍の人物から何らかの価値あるものを得ようとする、もしくは受け取ることは違法である」との声明を発表した。
トランプとトランプ支持者は、弾劾調査を「魔女裁判」「リンチ」と呼び、「党派的」な動きだと批判しているが、ウクライナ疑惑については、共和党の一部有力議員も深刻な懸念を表明している。
マルベイニーが証言を撤回したことについて、共和党のフランシス・ルーニー下院議員は、政権スタッフが公的な発言を安易に「引っ込める」ことは問題だと批判した。
「今さら引っ込めても、もはや事実関係は明らかだ。既に試合終了のゴングが鳴ったのだ」
https://www.youtube.com/watch?v=N0WXj6i-c3o
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/10/post-13256.php
トランプ大統領じわり追い込む「支持層」の本音
2年前とは様相が変わってきている
ジェームズ・シムズ : ジャーナリスト2019年10月24日
支持者層もいよいよ不信感を抱き始めている。トランプ大統領は2期務めることができるか、微妙な様相を呈してきている(写真:EPA=時事)
2020年の大統領選はドナルド・トランプ敗退の様相――。
少し前まではトランプの勝算は高かった。今のところは経済指標も好調で、アメリカ国民の不評を買うような海外における戦争もない。ジョージ・W・ブッシュ元大統領は不景気によって、リンドン・ジョンソン元大統領が泥沼化したベトナム戦争によって支持を失ったように、こうした要素は現職のアメリカ大統領の支持率に大きく影響する。
スキャンダルは通常、政権に悪影響を及ぼすが、現時点ではトランプ支持者や無党派層にはあまり影響を及ぼしていない。
ところが、ウクライナをめぐる新たなスキャンダルで状況は一変している。下院議会で弾劾調査が開始され、トランプの周辺人物たちを巻き込み始めた。すでに微妙な支持率に加えて、景気の先行きも不透明感を増しているほか、民主党が格差問題を取り上げ始めていることもトランプにとってはバッドニュースだ。
かつてのリアリティーテレビ番組のスターだったトランプが敗退すれば、同氏はえり抜きの一群に仲間入りする。1952年以降、1期しか務められなかった大統領はジミー・カーターとブッシュの2人だけだ。ロナルド・レーガン元大統領や、バラク・オバマ前大統領などほか6人は、2期務めている。
ウクライナ・スキャンダルという痛手
最近で最も大きいスキャンダルはウクライナ絡みで、これこそがトランプ政権最大のスキャンダルとなりそうだ。内部告発者による申し立てが調査の発端となり、トランプ政権が軍事援助を逆手にとって、ウクライナ政府にトランプ氏最大の民主党ライバルである前ジョー・バイデン前副大統領と、その息子による汚職の可能性について調べさせようとしたとして、民主党が非難している。
その申し立てによると、トランプ政権はトランプの電話内容が発覚すれば問題となりうる性質のものであることに気づき、文字起こしを隠蔽させようとした疑いが持たれている。
弾劾に向けて下院は訴追者として告発を行い、決定されれば上院が裁判を行う。2大政党間におけるトランプへの見解はほぼ固まっており、共和党優位の上院が3分の2以上の票でトランプ追放を宣告することは考えにくい。だが、予定される公聴会で証人たちに召喚され、公開されていない詳細事項や関係書類などが公にされれば、大統領選を大きく左右する要素になるだろう。
すでに9月25日に電話の内容が公開された後、何人かの現役および元国務省高官が不利な証言を下院にしたり、問題になった政策を議論するメッセージなどを公開。ミック・マルバニー主席補佐官代行がいったんウクライナの軍事支援をする代わりにトランプがウクライナに政治的な調査を依頼したと会見で認めた後、翌日これを撤回するという事態が起きている。
「今回の件は、トランプにとって重大な脅威になるだろう。真摯に対応しないとまずい」と、トランプの側近であり、保守系メディア、ニュースマックスのCEOであるクリス・ラディは話す。「トランプを弾劾すべきという人の数は急激にとは言えないが増え続けており、これは大統領にとってはいい話ではない」
注目すべきは、この1件によってトランプ氏が無所属有権者ならびに、中道共和党有権者の支持を失うかどうかだ。ほかの世論調査同様、モンマス大学の調査でも、弾劾及び解任を支持するアメリカ国民の割合は8月から9月にかけて35%から44%に上昇している。無党派有権者間では30%から41%に増えている。
支持層に広がるトランプへの「不信感」
前回選挙の2016年、トランプ氏はその人気度を上回る得票率を獲得することができた。支持率は38%だったのに対し、一般投票では46%を得票して当選したのだ。
ところが、今年10月に行われたフォックスニュースの有権者調査では、43%がトランプ氏を支持しているものの、民主党のバイデン前副大統領、バーニー・サンダース上院議員、エリザベス・ウォーレン上院議員らと比較した想定票数ではトランプ氏が下回った。
元軍人のジェラルド・エブセンと彼の妻デビーにとっては、健康保険と気候変動問題が重要な問題だ。「健康保険については、(アメリカの65歳以上向け健康保険)メディケアよりは、オバマケア的な観点のバイデンを支持している。2人にとっては、医療保険が誰に投票するか決める材料になる」と、夫妻で、アイオワ州で8月に開かれたウォーレンのキャンペーンイベントに参加していたデビーは話す。
とはいえ、2人の最終ゴールは「トランプを落とすこと」であり、最終的には民主党候補に票を投じる考えだ。
大統領に就任してからほぼ3年、トランプ氏の支持率が50%を超えたことはまだない。これは近年の大統領としては前代未聞だ。
一方で、同氏の不支持率はつねに50%を上回っている。2018年にはそれを示唆するかのように、共和党が下院議席過半数を失った。トランプ氏の行動と敵対意識を高めるような物言いによって、郊外の有権者、とくに大卒の共和党女性有権者、そして無党派有権者投票者たちに愛想を尽かされたからだ。
景気が後退し、中国との貿易戦争が農業や工業の主要地帯に大きな悪影響を及ぼすようになれば、トランプ支持はさらに弱まるものと思われる。こうした地域からの支持がトランプ氏の最大の強みの1つだからだ。9月のワシントン・ポスト/ABCニュースによる世論調査によると、対象となった有権者の59%が2020年は不景気に陥ると考えており、43%がトランプ氏の経済貿易政策によってその可能性が高まると考えている。
実際、トランプ支持層である農家でもトランプ氏に対する「不信感」は広がっている。筆者が8月に生産金額において全米最大の農業地区であるネブラスカ州の第3下院選挙区を訪れた際にも、農業団体幹部が農民たちは中国との貿易戦争や、トウモロコシと大豆を原料とするエタノールのための再生可能燃料令を緩和するといったトランプ氏の政策の一部に憤っていると話していた。
「農民たちはとても不満に思っている。先の選挙では農業コミュニティーがトランプ支持に大きく貢献したと彼らは思っているのだから」とこの幹部は言う。「トランプに見捨てられた気分だ、という声も聞かれる」。
カンザス州の元州議会議員(共和党)のウィント・ウィンターも、「トランプが中国との貿易協議で大きな成果を上げるとは最初から思っていなかったが、一連の関税引き上げやツイートなどは茶番でしかない」と話す。「トランプはおそらく大統領選直前に何らかの手打ちをし、それを自分の成果として喧伝するだろう」。
ウィンターは、2018年のカンザス州知事選の際には、トランプが支持した右派候補ではなく、民主党候補を応援にまわっており、次期大統領選でも民主党候補に投票するとしている。ただしウォーレンやサンダースといった急進派を応援するのは心情的に難しい、ともしている。
勢いを増す「格差是正」を訴える声
対して、ネブラスカ州第3下院選挙区の共和党エイドリアン・スミス議員は、農民たちがトランプ大統領を「裏切る」とは見ていない。「トランプ以外の人で、少しでもマシになるとはどうしても考えにくいんでね」と、同議員は笑いながら語る。
一方、「大企業や一握りの世界的エリートがブルーカラーの仕事をたたき潰してしまったのであり、中産階級がトランプを当選に導いた」というトランプによる大衆受けするメッセージはすでに浸透しており、これに伴って民主党ではウォーレン人気が高まってきている。同氏のメッセージは、労働者の経済的困窮を改善するには構造変革が必要だというもの。一部の世論調査では、ウォーレンがバイデン及びサンダースを抜いている。
「富の99%を上位1%の人間が握っているこの現状には大きな問題がある。アメリカはそのような国として成り立っているのではない」と、特殊教育の教師であるジェシカ・マッケナ氏は言う。同氏は8月、幼い娘とともにアイオワ州でのウォーレン氏の選挙運動に参加していた。
こうした中、トランプ氏が大衆受けする経済不満を再び振りかざすかどうかは定かではない。前回同氏に投票した国民は、トランプ氏の見え透いた口先の約束を見透かしているかもしれない。例えば、同氏のPRポイントであった1.5兆ドルの減税は、結局主として企業や上位1%の富裕層をさらに優遇するものだったからだ。
6月には、右派のアメリカン・エンタープライズ公共政策研究所が「共和党員たちは、この世の中における自分たちの立ち位置をよく考える必要がある。ますます多くのアメリカ国民が、格差を是正することに関して、国がもっと大きな役割を担う必要があると考えるようになっている」と、書いている。
同研究所が1月に行った世論調査では、回答者の55%が、貧困は各個人の努力というよりも構造的問題によって形成されていると考えており、この数字は2001年における44%から上昇している。
共和党内での支持率は依然高い
とはいえ、トランプは共和党内ではいまだに常時90%に上る支持率を維持しており、2016年がまさにそうだったように、一般投票では負けても、選挙人団のほうは同氏に優勢に動く可能性がある。共和党の政治家たちはトランプ氏を裏切ることを恐れており、一生懸命声援を送っている。
例えば、トランプが、ソマリアから帰化してアメリカ国民となった議員をはじめとする4人の少数派民族出身の女性議員について、「『国へ帰って』自分の破綻した国をどうにかしろ」と発言し、彼女たちがトランプを非難したときも、ほとんどの共和党員がそうした人種差別的発言に対してトランプを非難することはなかった。
この件の数週間後、カンザス州代表の第2下院選挙区のスティーブ・ワトキンス議員は、トランプのこれまでの発言の数々について意見を求められ、20人強の選挙人の出席したタウンホール後にこう答えている。「彼が人種差別をする人だとは思わない」。
選挙まで余すところあと1年強となったが、多くのことが起こり、民主党が2016年同様にあとひと息のところで負ける可能性もある。しかし今明らかなのは、トランプの権力掌握が日に日に弱まっている様相だということだ。
https://toyokeizai.net/articles/-/309911
トランプ氏の車列に中指立てて解雇された米女性、地方選立候補で再チャレンジ
2019年10月24日 19:46 発信地:スターリング/米国 [ 米国 北米 ]
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トランプ氏の車列に中指立てて解雇された米女性、地方選立候補で再チャレンジ❮ 1/6 ❯‹ ›
ジュリ・ブリスクマンさん、米バージニア州にて(左2017年10月28日撮影、右2019年10月17日撮影)。(c)Brendan Smialowski / AFP
ジュリ・ブリスクマンさん、米バージニア州にて(左2017年10月28日撮影、右2019年10月17日撮影)。(c)Brendan Smialowski / AFP
郡政執行官に立候補するジュリ・ブリスクマンさん、米バージニア州スターリングにて(2019年10月17日撮影)。(c)Brendan Smialowski / AFP
米バージニア州のトランプ・ナショナル・ゴルフクラブ近くでドナルド・トランプ大統領の車列に向かって中指を立てるジュリ・ブリスクマンさん(2017年10月28日撮影)。(c)AFP/Brendan Smialowski
米バージニア州スターリングで戸別訪問を行うジュリ・ブリスクマンさん(2019年10月17日撮影)。(c)Brendan Smialowski / AFP
米バージニア州スターリングで戸別訪問を行うジュリ・ブリスクマンさん(2019年10月17日撮影)。(c)Brendan Smialowski / AFP
郡政執行官に立候補するジュリ・ブリスクマンさん、米バージニア州スターリングにて(2019年10月17日撮影)。(c)Brendan Smialowski / AFP
【10月23日 AFP】2017年秋、自転車に乗りながらドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の車列に向かって中指を立てる姿を写真に撮られて会社を解雇された米女性が、2年たった現在、民主党の候補として地方選に立候補し、政界進出を目指している。
バージニア州ラウドン(Loudoun)郡。フレンドリーな雰囲気とブロンドヘアが印象的なジュリ・ブリスクマン(Juli Briskman)さん(52)は、11月5日の選挙に向けて一軒一軒回りながらパンフレットを配っている。
近隣の男性は「ああ、彼女が大統領に中指を立てた人かい?」「仕事を失い、今は選挙に立候補していると聞いていた。素晴らしい。活力が気に入った」と語り、トランプ氏なら中指を立てられて当然だと笑った。
ブリスクマンさんは2017年10月、ゴルフ場「トランプ・ナショナル・ゴルフクラブ(Trump National Golf Club)」の外でトランプ大統領を護衛する黒いSUVの列が通り過ぎる際、トランプ氏に対して感じていたことをそのまま行動で示した。
AFPが撮影した写真は永遠のものとなり、瞬く間に拡散された。しかし、また同時に米政府や軍関係先を顧客とする会社に勤めていたブリスクマンさんは、市場アナリストとしての職を失うことになった。
政治的に分断した米国で、ブリスクマンさんの行為はさまざまな受け止められ方をした。ブリスクマンさんの中指が抵抗の象徴だとみなす人もいた一方、抗議や脅迫も寄せられた。
ブリスクマンさんはまた、不当な解雇だとして以前の勤務先を提訴。言論の自由の侵害だと訴えた。
ただ、解雇されたことによって「多くの道の扉が開かれた」とブリスクマンさんも認めている。10代の子ども2人を育てるシングルマザーは、新しい職もすぐに見つけた。そしてその後、民主党枠で郡政執行官に立候補しないかと打診を受けた。
決断するのに時間はかからなかった。長く地域社会に関わっていたこともあり、政界への進出はブリスクマンさんにとって理解に難くなかった。
「トランプの対抗馬にはなれないけれど、この選挙に出馬し、この地で変化を生み出すことはできる」
2年前の騒動を覚えている人はいないようにも思える。しかし、ブリスクマンさんの元には今も「臆病者」といった匿名の脅迫文が届くという。ブリスクマンさんは戸別訪問の際、民主党を支持していそうな家庭にターゲットを絞るためにアプリを利用し、不快な接触を避けるようにしている。(c)AFP/Sébastien DUVAL
https://www.afpbb.com/articles/-/3250967
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