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香港デモ「逃亡犯条例」発端の容疑者が出所 今後の扱いで香港と台湾が対立
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/10/post-13250.php
2019年10月23日(水)17時43分 ニューズウィーク
香港政府が「逃亡犯条例」の改正を提案するきっかけとなった殺人事件を巡り、別の罪で服役していた香港人の男が、刑期を終えて出所した(2019年 ロイター/Tyrone Siu)
香港政府が「逃亡犯条例」の改正を提案するきっかけとなった殺人事件を巡り、別の罪で服役していた香港人の男が23日、刑期を終えて出所した。
男は2018年に台湾を旅行中に恋人を殺害し、香港に逃げ帰ったとされる。同年3月に香港警察が逮捕したが殺人は立証できず、資金洗浄(マネーロンダリング)の罪で禁錮2年5月の刑を言い渡された。
男は刑務所前で被害者の遺族に謝罪するとともに、台湾当局に出頭し罪を認める意向を示した。
香港政府はこの殺人事件を理由に中国本土や香港など、犯罪人引き渡し協定を結んでいない国・地域にも、容疑者の引き渡しを可能にする条例改正案を議会に提案した。だが市民による激しい抗議活動を受けて撤回を余儀なくされた。
男は台湾当局に出頭する方針を示しているが、次の措置を巡っては香港と台湾の意見が対立している。
香港公安局の李家超(ジョン・リー)局長は23日、台湾当局が「政治的な理由」で捜査を妨害しているとし、男が台湾当局に出頭することを認めるべきだと主張。
台湾は、法的な枠組みがないまま男の引き渡しを認めれば、台湾の主権が損なわれ、台湾が「1つの中国」の枠組みに入ることになると反論している。
台湾の対中国大陸政策を担う大陸委員会は同日、男が1人で航空機で台湾に向かうなど「信じられない」との声明を発表。男と同じ航空機に搭乗する乗客の安全を完全に無視していると批判した。
台湾当局は男を台湾に連れ戻すため、捜査関係者を香港に派遣する意向を示しているが、香港政府は司法管轄区域を越えた行動は認められないと主張している。
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