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「憎悪には出口がない」 米最大のネオナチ組織 元トップ語る/東京新聞
2019年9月2日 13時57分
https://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2019090290135722.html
米国のトランプ政権下で人種や宗教に基づくヘイトクライム(憎悪犯罪)が増え、「テロ」に位置づけられる重大事件も相次いでいる。八月に南部テキサス州エルパソで二十二人が死亡した銃乱射事件では、容疑者の白人の男がヒスパニック(中南米系)を標的にしたと供述した。米最大とされるネオナチ組織の元総帥ジェフ・スクープ氏(45)は「憎悪には出口がない」と語り、憎悪犯罪の過激化がさらなる過激化を呼ぶ悪循環を指摘する。 (ニューヨーク支局・赤川肇)
「決して正当化も賛同もしない」。スクープ氏はエルパソ事件のパトリック・クルシウス容疑者(21)を非難しつつ、こう続けた。「ただ、何に怒っているのか理解できるところはある」
容疑者の投稿とされるインターネット上の犯行声明には「ヒスパニックのテキサス侵略への対応」「移民は米国の未来に有害なだけ」とつづられ、「国を破壊から再生する闘いの先頭に立てて光栄だ」と締めくくっている。最近の憎悪犯罪を称賛するくだりもある。
白人至上主義などの極右思想を掲げる「国家社会主義運動」(NSM)を一九九四年から率い、今年三月に引退表明したスクープ氏は「社会から疎外され、声が届かない。そう感じている若い白人、特に男性は多い」と現役時代を振り返る。容疑者の動機にも似たような「怒り」を感じるとともに、「先例をしのごうとしている」と憎悪犯罪の過激化も見て取る。
人種的な人口構造が変わりつつあるのは事実だ。米国勢調査局の推計では、これまで過半数を占めてきた白人の構成比は二〇一二年の63%から六〇年には43%に下がり、ヒスパニック系は17%から31%に増える。
連邦捜査局(FBI)によると、一七年に全米で報告された憎悪犯罪は、前年比17%増の約七千百件と三年連続で増加。FBI幹部は五月の下院委員会で証言し、「国内テロ」として捜査中の八百五十件の四割が人種的な動機で、その「大多数」に白人至上主義が絡む実態を明らかにした。
白人至上主義や極右思想への寛容姿勢が問われているのがトランプ氏だ。
南部バージニア州シャーロッツビルで一七年八月、白人至上主義者らの集会に参加した男(22)が反対派集団に車で突っ込み、女性(32)が死亡した事件で、トランプ氏は「双方に素晴らしい人々がいた」と差別主義の擁護とも受け取れる発言を連発。今年八月には西部オレゴン州で極右団体と極左集団「アンティファ(反ファシスト)」の双方が集会を開き、衝突が懸念された中、ツイッターに「アンティファの『テロ集団』指定を検討中だ」と投稿し、極右側には触れなかった。
スクープ氏は引退理由について「何が決め手かは分からない」と言葉を濁すが、リーダーの言動が暴力を誘発する「怖さ」を一つに挙げた。
トランプ政権下で与野党対立が先鋭化する政治情勢の下、エルパソ事件のような惨劇の連鎖を懸念。「誰か一人だけを責められない」と前置きした上で「大統領が何かを言えば、誰かを動かしうる。政治問題に立ち向かうとき、もっと慎重に言葉を選ぶべきだ」。
スクープ氏は今、ネオナチや白人至上主義に反対の立場を明言し、かつての仲間らにも異なる人種や宗教、信条の人々との平和的な対話を呼び掛けている。「憎悪には出口がなく、ひどい暴力につながりかねない」。他の集団への憎悪を流布してきた「道義的責任」を感じているという。
ただ、その改心をいぶかる見方もある。ユダヤ系の米人権団体「反中傷連盟」(ADL)のカルロス・ヒル上級調査研究員は「スクープ氏は暴力的で憎悪に満ちた発言を散々繰り返してきた。心を入れ替えたと望むが、楽観はしていない」と話した。
(東京新聞)
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