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(回答先: 正義とは何か? 投稿者 佐藤鴻全 日時 2019 年 7 月 25 日 18:18:12)
■正義とは何か?
表題の問いに自ら答えるなら、筆者は概ね以下のような事だと考える。
●正義とは、システムであり秩序である。通常は、従来の秩序を維持する事が正義である。しかし従来の秩序を破壊し改変する事が正義となる場合がある。
●例えばコンピュータ・システムが多様なように、多様な正義が併存する。
2つの正義が衝突する時には、システム間の存廃もしくは止揚による統合が起こる。
●新しい秩序が正義となるのは、その判断基準として次の不等式が成り立つ場合である。
【 旧秩序の齎す幸福総量 + 秩序変更に伴う流血と破壊の総量 < 新秩序の齎す幸福総量 】
尚、2つの正義の衝突の正否、結果の正否についても、当式に当てはめ判断されるべきである。
人々が、共同体の営みの中に何らかの継続的なルールや秩序を見出した時に、そこに共同体の正義が発生する。
古今東西、人々は正義を巡って争い合って来た。小は家庭のルールについて等であり、大は世界覇権を巡る争いである。
今日、日本の内政に目を向ければ、少子高齢化、低成長、財政逼迫で、旧来のシステムが立ち行かかなくなり、自助に舵を切るか、公助共助に舵を切るか、またそれらをどのような時間軸でどう組み合わせて行くか等が問われている。
LGBT問題では、同性婚を認めて行くべきか、その場合に人口動態、社会構造にどういう影響を及ぼすのか等が問われている。
中東問題については、イスラエル、イスラム教シーア派、スンニー派等の間で、各者がどのような妥協をして地域秩序を成り立たせるかかが問われている。
中国の民主化については、30年前の天安門事件の正否、また今後更なる経済成長、強国化の果てに民主化を求めるのか、民主化を先にするのか、その速度、手順をどうするかが問われている。
米中覇権戦争については、米国が中国を屈した方が良い世界が訪れるのか、逆に中国が米国を屈した方が良いのか、或いは何か別の道が在るのかが問われている。
ここで冒頭に掲げた不等式を補い、そこで使った「幸福総量」を敢えて更に数式化すれば、
【 幸福総量 = 受益者の数 × 個々の幸福度 × 幸福の質 × 持続年数 】と言う辺りか。
ヘーゲルが「ミネルヴァのフクロウは、タ暮れに飛び立つ」と書いたように、秩序の改変や衝突が起きる場合には、何が正義であるかは後付けで結果を見た上でないと確定し難い。また、「個々の幸福度」とは、「幸福の質」とは、何を以てそうするのか? 等と深掘りして問うて行けばキリがない。
しかし、内外共に変化の激しい時代に於いて我々は、中でも多少なりとも言論を致す者は特に、那辺に正義が在るかを常に自身に問うて行かねばならぬだろう。
以上
佐藤総研:http://blog.livedoor.jp/ksato123/
Twitter:https://twitter.com/Kozen_Sato
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