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2019/05/08
ベネズエラにおけるクーデター未遂事件報道について
駐日ベネズエラ大使から報道関係者へのお願い
報道に携わる皆様へ
2019年4月30日に発生した、アメリカの後押しを受けたファン・グアイドー氏らを首謀者とするクーデターは、ベネズエラ国軍のみならず、市民からも支持を得られず発生から 24時間の内に、収束させられました。国軍はあらためて揺るぎない憲法の遵守と現政権を断固として支持すると表明しています。
今回のクーデター未遂事件をめぐっては、あたかも、クーデターが「正当」なもので、「政権転覆の可能性」があるかのように伝える、事実誤認や偏見にもとづいたメディア報道が散見されました。
ここに改めて、公正なる報道の一助になればと考え、事実の経緯を共有させていただきたく存じます。
<経緯>
▼4月30日の早朝から少数の軍兵士が、ベネズエラの首都カラカス市のアルタミラのインターチェンジに集合。フアン・グアイドーと反対派の指導者、レオポルド・ロペス氏がニコラス・マドゥーロ大統領の立憲政府を打倒する目的で「自由作戦」と実行するとクーデターを呼びかけた。
▼一時、情報の混乱があったものの、上記の呼びかけは、クーデター首謀者らが、民主主義の制度内での反政府運動に展望が持てず、追い詰められたあげくの呼びかけであったことが周知となるや、一時、集まりかけた軍人グループも相手にせず、散発的な衝突で事態はまもなく収束した。
▼ニコラス・マドゥーロ大統領は、同日夜、国民に向かってクーデター未遂事件の経緯を報告、つよく非難した。大統領に加え、共和国副大統領、国防大臣、外務大臣なども、今回の未遂事件はアメリカ政府とベネズエラ極右勢力が共謀した暴挙であるとして非難した。
▼ブラディミール・パドリーノ国防大臣は、国軍は引き続き国の憲法と合法的な政府諸機関を断固擁護すると表明。カラカスのラ・カルロタ空軍基地を含め、全国のすべての軍の部隊は、中央政府が掌握しており、正常な状態にあると報告。
▼同日深夜から翌日にかけて、ミラフローレスの大統領宮殿前に10万人を超える市民が集まり、ニコラス・マドゥーロ大統領への支持を表明した。公的機関と軍の慎重な行動により、事態は鎮静化し、首都カラカスは平静に戻っている。今回の事件については、特別の調査委員会により、事態の詳細があきらかにされ次第、関係者は、すべて、司法のプロセスで、裁かれることとなる。
今回のクーデター未遂事件は、グアイドー氏ら極右勢力が、国内で支持を得られず、追い詰められ結果、起こしたものと言えますが、同時に、アメリカ政府や、それに追随する国々が、公然と国軍に対してクーデータの呼びかけに応じるようにと発言しており、事件の全体の構造を国際的な侵略行為のひとつとして認識することが必要です。
アメリカの内政干渉の度は限度を越しています。マイク・ポンペオ国務長官は、「マドゥーロ大統領がベネズエラから去ろうとしている」など全くの虚偽の言説を弄し、クーデターを後押ししようとし、ジョン・ボルトン大統領補佐官及びマルコ・ルビオ共和党上院議員らも、明らかなフェイク・ニュースを用いて、ベネズエラ政府を攻撃し続けています。
現在、世界の公的な機関や、メディアでは、民主主義を踏みにじる「暴力」「テロ行為」については、一致して、厳しく指弾するのがいわば公理となっております。事実、今回のクーデター未遂事件についてEU政府は、それを支持せず、平和的な解決を促すアピールを発し、メディアも慎重な報道姿勢をみせてきました。
ベネズエラでおきている事態は、アメリカを中心とするグループが一国の民主主義を踏みにじる間接的な侵略であることをあらためて、認識していただき、今後の取材、ニュース配信については、慎重かつ、バランスを考慮しておこなっていただけますようお願いを申し上げます。
セイコウ・イシカワ
駐日ベネズエラ・ボリバル共和国大使
https://venezuela.or.jp/news/2181/
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