http://www.asyura2.com/19/kokusai26/msg/294.html
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プーチン大統領の“露払い”で日朝の膠着状態が溶解!?
今日午後、ロアシア極東ウラジオストクで露朝首脳会談と露朝拡大会談が行われた。
昨年春からのプーチン大統領の招待を金正恩委員長が受け容れたかたちで実現したものである。
安倍首相が出席した昨年9月の東方経済フォーラムでは、金正恩委員長の出席も取り沙汰されたが不発に終わった前歴がある。
(これは、シンガポールの第一回米朝首脳会談を受けるかたちで日朝首脳会談を計画したものの、合意内容の折り合いがつかなかったために中止されたと推測する)
今回の金委員長訪露も、安倍首相の外遊期間中である
今回の露朝会談で日朝首脳会談に向け最終調整ができていれば、安倍首相は急遽ウラジオストクに飛び27日まで滞在するとされる金正恩委員長と会談することができるわけである。
安倍首相のスケジュールは、明日と明後日(現地時間26日・27日)、トランプ大統領との会談が予定されている。
この2年間、日朝国交正常化のために、・直接の交渉のみならず様々な策動を“行ってくれた”トランプ大統領のことだから、仮に、日朝首脳会談のために安倍首相が会談をキャンセルしたり短縮したりしたとしても、文句を言わないどころか、大歓迎で後押ししてくれるはずだ。
安倍首相が、他の予定がなく金正恩委員長と会談する目的だけで日程を組めば、国内で侃々諤々の議論を誘発してしまう。
これまでそして現状の対北朝鮮観を前提に考えると、日朝首脳会談は、いわゆる“電撃会談”しか実現できないというか成功しないともいえる。
さらに、訪朝ではなく、第三国のウラジオストクで会うというのも国内からの非難を緩和できる条件である。
安倍首相は、二度も首相の地位に就かされるワケであり自身にとっても最大の政治的使命である「日朝正常化交渉」(国内向けには「拉致問題交渉」)を公に再開させるため、17年4月30日頃・18年1月17日頃の訪朝を画策したが、北朝鮮とのあいだで合意内容が折り合わず首脳会談を断念したと考えている。
とりわけ17年4月末は、ロシアの支援でミサイル実験を繰り返した北朝鮮に対し、トランプ大統領が空母打撃団を送り込んで朝鮮半島の軍事的緊張を飛躍的に高めていた状況だったので、安倍訪朝は、国際世論的には時機に適うものだった。
(その首脳会談が、北朝鮮の核兵器放棄(実際は非保有)につながれば、トランプ氏ではなく安倍首相はノーベル平和賞候補と目されたことだろう)
朝鮮半島問題なかんずく北朝鮮問題の報道を見聞きしていると、どうしてここまでデタラメな見方が通用してしまうのか不思議な気分になる。
日本のみならず世界のメディアから“決裂”(物別れ)と評され、北朝鮮が再びミサイル実験や核実験を行う可能性があるとまで言う人もいるハノイでの第2回米朝首脳会談だが、「合意がなかったと発表することに合意」があっただけで、米朝が決裂したわけでも米朝関係が後退したわけではない。
トランプ大統領の対金正恩言動からでもわかるように、米朝間は、基本的な問題をクリアしており、あとは着実に関係改善そして国交正常化の手続きを進めるだけになっている。
そのような米朝関係に焦りを強く感じているのが外務省を中心とした日本政府なのである。
72年のニクソン大統領電撃訪中が日本政府に与えた衝撃はとてつもなく大きい。
敗戦後の日本は、米国の属国的ポジションで復興・発展をめざし、米国の対アジア政策とりわけ対中国政策に追随し、長期に亘って軍靴と銃砲で蹂躙した広い地域を領土とする大陸新中国を“中共”と呼び、平和条約交渉どころか国家としても承認しないという状況が続いた。
石橋湛山首相は、大陸で長期に亘って戦火を交えた日本は道義的に米国とは違う立場だと、大陸中国との国交正常化を目指したたが短命政権で終わり、結果、米国の後塵を拝することになったわけである。
朝鮮半島は、1910年から1945年まで日本が併合していた地域である。直接の原因とまでは言わないが、35年間の日本統治時代がなければ、あまりに無惨な日本の敗戦がなければ、朝鮮半島の分断さらには200万人以上の犠牲者を出した朝鮮戦争もなかったと言える。
そのような歴史的因縁を持つ北朝鮮との国交正常化が、米国より後になってしまうという事態は、日中国交正常化の比ではないほど悲劇的な政治的敗北という他ない。
それは、朝鮮半島分断にこだわることを日本の“政治的安全保障”としてきた戦後アジア外交の敗北でもある。
端的に言えば、安倍首相を筆頭とする日本政府は、トランプ政権に対し、日朝国交正常化交渉を急ぐから、米国が日本より先に北朝鮮と国交の正常化をしないようお願いしているのである。その結果が、世界が膠着状況に陥った「朝鮮半島非核化」と見てしまう現状なのである。
日本政府は、これまで率先して行ってきたUN人権委員会の北朝鮮に対する非難決議提起をやめ、今年の外交青書では、「北朝鮮に対する圧力を最大限まで高めていく」や「北朝鮮の差し迫った脅威」と言う表現を削除することにした。
露朝首脳会談後に会見したプーチン大統領は、金委員長が会談の内容をトランプ大統領に伝えて欲しいと語ったことを紹介したが、トランプ大統領と会話できる関係性や条件は金委員長とプーチン大統領では変わらないのだから、金委員長が直接トランプ大統領に電話してもかまわないはずである。
トランプ大統領に首脳会談の内容が伝わるというメッセージが重要で、明日安倍首相がトランプ大統領と会談することになっていることに意味があると思う。
このようなことから、ウラジオストクで日朝首脳会談を行うとしても、トランプ大統領と会談した後になる可能性がある。
ありがたいことに、安倍首相は、トランプ大統領・プーチン大統領・習国家主席さらに付け加えれば文大統領の支援を受けながら日朝国交正常化交渉を進めようとしているわけである。
(徴用工問題や従軍慰安婦問題でもめているのも、日朝国交正常化交渉の“予行演習”だとも言える)
安倍政権は、7月に参議院通常選挙を迎える。そのためにも、選挙で不利になる合意内容で日朝首脳会談を終わるわけにはいかない。
安倍政権は、衆参ダブル選挙を画策しているはずで、衆議院解散には、それなりの大義がいる。萩生田幹事長代行がアドバルーンを上げた消費税増税延期も一つのネタだが、日朝国交正常化もネタになり得る。
いずれにしても、核とミサイルがメインテーマで、拉致問題は国交正常化交渉の入り口にはせず国交正常化交渉のなかで解決をはかるという落としどころになると思う。
(拉致問題は、日朝政府間では02年平壌宣言で解決済みであり、拉致被害家族や国民世論の納得をどういうかたちで得るのかが残された課題である。メディアなどは韓国の国際約束の反故を非難しているが、02年に日朝間の合意を反故にしたのが日本政府であることをきちんと認識すべきである)
核の問題は、先頃行われた北朝鮮の最高人民会議で憲法がどう改正されたのかがポイントになると思う。12年憲法では序文で「核保有国」であることをうたっていたので、日本との交渉でストレートに核放棄を約束するわけにはいかない。
(ただし、北朝鮮は核兵器を保有しておらず、核兵器は日朝交渉や米朝交渉を進めるためのネタとして90年以降使われてきたと考えている)
北朝鮮は、トランプ大統領と同じように気を遣ってくれるので、日朝首脳会談が実現するのなら、安倍首相のメンツが立つ合意を一つくらいは入れ込んでくれるだろう。
今回、日朝首脳会談が行われないとしても、年内おそくとも20年2月までには日朝首脳会談が開催され、日朝国交正常化交渉が再開されることになる。
20年夏には東京五輪もあり、米国大統領選も佳境を迎える。
それは、トランプ大統領が「非核化はゆっくりでかまわない」「一年くらい先でもいい」「米朝対話、急いで進める必要はない」と言い、金委員長が最高人民会議の演説で「今年末までは米国の勇断を待ってみる」と言ったことなどでわかる。
“しばらくは待つ”というメッセージは、米国や北朝鮮に向けたものではなく、日本政府(安倍首相)に向けたものなのである。
□トランプのビッグディールとは
トランプ大統領がビッグディールを目指しているというのも、6者会合で見せたようなちまちました条件交渉では何年経っても問題は解決しないという判断があるからである。
「理不尽な歴史」に苦しんできた北朝鮮を何とか助けたいと考えているトランプ大統領は、今では問題解決の唯一の障害になっている日朝問題をクリアにすることで、一気に最終解決まで計るほうが早いと考えているのである。
トランプ氏は、ハノイ会談後も「私は北朝鮮の経済制裁をなくしたいと思っている」と語っているくらいであり、本音で経済制裁にこだわっているわけではない。
逆に、トランプ政権は、北朝鮮に対する人道支援の準備に入っている。
【参考投稿】
「恥を知らない言論の放恣な行為:北朝鮮が米国追随の中国をボロ糞に批判:「北朝鮮危機」は年内(平昌五輪前)に解決へ転換!」
http://www.asyura2.com/17/kokusai20/msg/675.html
投稿者 あっしら 日時 2017 年 9 月 23 日 02:42:48: Mo7ApAlflbQ6s gqCCwYK1guc
「大詰めを迎えた日朝交渉:2・9安倍―金与正(平昌)会談で再開された日朝首脳級交渉」
http://www.asyura2.com/18/senkyo244/msg/859.html
投稿者 あっしら 日時 2018 年 5 月 21 日 16:48:15: Mo7ApAlflbQ6s gqCCwYK1guc
「闇が深い拉致問題:帰りたくない人や死んだ人そして北朝鮮以外に拉致された人などがいる可能性も」
http://www.asyura2.com/18/senkyo246/msg/451.html
投稿者 あっしら 日時 2018 年 6 月 17 日 18:55:46: Mo7ApAlflbQ6s gqCCwYK1guc
「お詫びと総括:ロンドンで待機した安倍首相が土壇場で“電撃訪朝”を断念したワケ」
http://www.asyura2.com/17/senkyo225/msg/114.html
投稿者 あっしら 日時 2017 年 5 月 01 日 04:29:36: Mo7ApAlflbQ6s gqCCwYK1guc
「北朝鮮「半島情勢、峠越す」 報道官が談話:日朝首脳会談頓挫とともに「朝鮮半島危機」劇に幕」
http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/310.html
投稿者 あっしら 日時 2017 年 5 月 02 日 11:03:11: Mo7ApAlflbQ6s gqCCwYK1guc
「東欧歴訪からの帰路、「安倍首相電撃訪朝」はあるのか?!」
http://www.asyura2.com/17/kokusai21/msg/662.html
投稿者 あっしら 日時 2018 年 1 月 16 日 04:14:07: Mo7ApAlflbQ6s gqCCwYK1guc
「NHK「北朝鮮ミサイル発射」誤報は「一斉通知メール」の代替?!」
http://www.asyura2.com/18/senkyo238/msg/549.html
投稿者 あっしら 日時 2018 年 1 月 17 日 18:46:40: Mo7ApAlflbQ6s gqCCwYK1guc
「「米朝和解」 陰の立役者は、世界で唯一人トランプ氏とも金正恩氏ともマブダチの元NBAの悪童デニス・ロッドマン氏」
http://www.asyura2.com/18/senkyo246/msg/744.html
投稿者 あっしら 日時 2018 年 6 月 24 日 17:24:04: Mo7ApAlflbQ6s gqCCwYK1guc
「昨年夏には開始された米朝秘密交渉:「チビのロケットマン」や「戦争狂いの老いぼれ」の罵り合いの背後でクシュナー氏&CIAが」
http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/339.html
投稿者 あっしら 日時 2018 年 6 月 24 日 17:14:24: Mo7ApAlflbQ6s gqCCwYK1guc
「当時の官房長官である福田康夫元首相が語る「日朝交渉失敗要因」と「日本の約束破り」」
http://www.asyura2.com/18/senkyo245/msg/288.html
「「北朝鮮核問題」ではなく「朝鮮半島統一回復」が主題と気づかぬ日本の政治家やメディアたちの精神を蝕んできた属国的戦後史」
http://www.asyura2.com/18/senkyo245/msg/319.html
「この期に及んでなお、日朝国交正常化を政治家として能なしで器量もない安倍晋三氏に期待するワケ」
http://www.asyura2.com/18/senkyo245/msg/411.html
「ボルトン補佐官:「完全武装解除」に執着する対北朝鮮強硬派として“希望の星”となっているが実は「南北平和統一」論者」
http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/128.html
「米朝首脳会談の目的を「朝鮮半島の平和構築」ではなく「北朝鮮の非核化」と説明し続ける日本メディアの腐った“冷戦世界脳”」
http://www.asyura2.com/18/senkyo246/msg/146.html
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