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落着というより、正確には崩壊した金正男殺人事件
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2019年4月19日 マスコミに載らない海外記事
2019年4月16日
コンスタンチン・アスモノフ
New Eastern Outlook
先に、我々は金正恩の異母兄を毒殺したとして非難された女性たちの一人の無罪放免について書いた。3月11日、検察官が彼女に対して告訴するのを拒否したため、インドネシア国民シティ・アイシャが拘置所から釈放された。
2019年4月1日、事件のもう一人の容疑者、ベトナム国民ドアン・ティ・フォンは、3年4カ月の禁固刑を宣告され、彼女の訴因が、計画殺人から、危険な武器や手段により危害を加えたことへと格下げになったと宣告された。この犯罪に対する最大の処罰は10年の刑期で、他方、殺人罪では、ドアン・ティ・フォンが死刑宣告される可能性があることを意味していた。これは彼女の弁護団が、考えが甘く信用し易い女性たちがだまされ、自分たちが殺人共犯者になるとは知らなかったのを裁判所に確信させるのに成功したことを意味する。
ベトナム社会主義共和国の大使館と政府は、事件容疑者を積極的に支援した。加えて、マレーシアは、2人の女性を必然的に死刑宣告で罰せられる殺人罪で告訴したのを批判されており、他方主犯はまだ逃亡中だ。だが、いかなる公式声明でも、北朝鮮が殺害の黒幕だったと直接非難されていないことがわかる。実際に書かれているのは以下の通りだ。彼の家族が朝鮮民主主義人民共和国を支配しているのを批判したため、北朝鮮政権が金正男を殺すよう命令した、と韓国とアメリカの当局者が述べた。平壌は関与を否定した。
有罪宜告された女性が拘留された日(2017年2月)は彼女の実刑判決の初日として数えられるだろうから、彼女は1年で釈放されることを意味している。スター紙は、裁判官がドアン・ティ・フォンにこう話したと報じている。「間もなくあなたは国に帰り、あなたの家族に戻れるでしょう」。他の放送局はベトナム人女性が態度良好のために早ければ5月に釈放され、レクリエーションセンターで働き続けるだろうと示唆した。
金正男殺人事件はこれで落着したと見なせるかもしれない。要約として、捜査結果は朝鮮民主主義人民共和国の関与を決定的に確証してはいないことを筆者は強調したいと思う。
女性たちの弁護士が、一見絶望的な状態からクライアントを救出するのに成功した頼りになる専門家であることが分かったのは明きらかだ。弁護団は、容疑を彼らの被告から他の誰かに転嫁する必要があったというだけの理由で、弁護団は検察側よりずっと頻繁に、北朝鮮の切り札を使った。北朝鮮政権の秘密主義の嫌われているイメージが、無知な女性たちに罪を犯すよう説得した悪党にぴったりだったのだ。
だが、事件にはいくつかおかしな点がある。
・女性たちが法律上の支援を受ける前の最初の証言で、彼女らが(殺人の日に)いたずらを後援した男性たちと夜を過ごしていたと言った。後でこの情報は消えた、なぜなら、事件の「公認説明」によれば、北朝鮮の容疑者が暗殺の日に国から逃げたから。
・故人は亡くなる前、彼の目に誰かが何かスプレーしたと言うのに十分な時間があった。だが(ビデオでわかるように)被告のいずれもそうしていない。これは多分攻撃が、より前に起きていて、女性たちは注意をそらすことをしたのに過ぎなかったのを意味するのだろうか?
・単に捜査官が彼らを尋問することができなかったのが主な理由で、朝鮮民主主義人民共和国国民が事件容疑者のままでいる。読者は、韓国放送局が素早く報道したように、殺人の黒幕で、毒の製造者(教育を受けた化学者)として逮捕された容疑者リ・ジョンチョルが、彼に不利となる証拠欠如のために釈放されたのを想起されたい。警察には彼らを尋問する機会があったが、マレーシアの朝鮮民主主義人民共和国大使館館員は、もはや事件の容疑者として言及されなかった。
・だが捜査は、この事件の真犯人を示したかもしれない非常に多くの手がかりを無視したように思われる。例えば彼らは、一部の見解によれば、そこで毒が作られた研究所で、一連の捜査ができたはずだ。所有者は地元の人だったが(彼の借り手は言うまでもなく)彼に質問した結果は未知のままだ。
・女性たちが連絡をとっていた人々についても同様で、彼女らは二人とも韓国人と関係があったのが分かっている。シティ・アイシャには彼女を旅行で日本と韓国に連れて行ったスポンサーがいたように思われる。ドアン・ティ・フォンは、一回以上、韓国を訪問しており(彼女のフェースブックの友人198人中、40人が韓国人だ。)彼女は金正男が死んだ同じ日にフランスに旅行していた韓国人から公証人が署名した招待状を受け取っていた。女性は二人とも(明らかにプレゼントとして贈られた)高価なスマートフォンを持っていたと報じられたが、誰もその電話の連絡リストを調査しようとしなかった。
・女性たちに不利となる証拠には、彼女たちが行き当たりばったりで見知らぬ人に、いたずらをしかける練習をする「予行演習」ビデオがあるのは常識だ。だが女性たちの指導者が朝鮮民主主義人民共和国民と確認されたという理論は一度も言及されなかった。
・更に、金正男のコンピュータ・データが、これまで分析されたのかどうか、あるいは何が明らかになったかについてのニュース報道はない。
・被告にとっての主要目撃者たち全員が、なぜ死んだか、あるいは姿を消したのか見出すことも興味深い。もしこれが、掃討作戦あるいは、圧力作戦であれば、読者には、殺人と、続いた外交的危機の後、朝鮮民主主義人民共和国のスパイが、おそらく自国内で、安全とは感じないだろうことを想起いただく価値がある。
未解決の細目数を考えると、パズルの断片がうまく組み合わさって、平壌や、アメリカや韓国の諜報機関には向かわない、全く違う構図を描き出すかもしれないと筆者は思うのだ。この事件には、前回触れた機関、すなわち忌まわしいプロテスタント宗派から十分な支援を得ていて、殺人に訴える能力まで有する反北朝鮮組織と接触がある人々が関与している。
それ故、事件は「落着した」ように見えるが、筆者は事件追及を続けるつもりだ。
コンスタンチン・アスモロフは、歴史学博士、ロシア科学アカデミー極東研究所、朝鮮研究センター主任研究員。オンライン誌“New Eastern Outlook”独占記事
記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/04/16/kim-jong-nam-murder-case-is-closed-or-more-precisely-falls-apart/
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