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為替フォーラム2019年4月8日 / 15:10 / 3時間前更新
ドイツ主導で欧州失速、ECB利上げさらに遠のく
唐鎌大輔 みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト
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[東京 8日] - 現状の世界経済は中国と並んで欧州、とりわけドイツを中心とするユーロ圏景気の弱さが足かせとみる向きが多い。
実際、4日に発表されたドイツの2月鉱工業受注指数は、その懸念を一段と強める内容だった。若干の増勢を見込む市場予想(中心は前月比プラス0.3%)に対し、結果はマイナス4.2%と、大きく期待を裏切った。前年比ではマイナス8.4%であり、前月比および前年比のどちらで見ても下げは加速している。
足を引っ張ったのは国外からの受注減退で、特にユーロ域外からが前月比マイナス7.9%と大幅に落ち込んだ。つながりの強い中国の需要減退が、ドイツ製造業の足かせになっていることがうかがえる。
これまでの経験則を踏まえれば、輸出とほぼイコールである外需の落ち込みを受け、鉱工業受注や生産が伸びない状況は当面続くことになるだろう。過去2年、ユーロ圏経済を方向付けてきた需要項目は純輸出であり、ドイツ製造業受注の大崩れから想定される未来は、やはり明るいものではない。
当面、ユーロ圏の景気減速は所与のものと考えたほうが良さそうである。
<ドラギ総裁の示唆>
過去、ユーロ圏経済が本格的に回復し、それに呼応して欧州中央銀行(ECB)がタカ派色を強めてユーロが買われた局面は、往々にしてドイツの強さがその他ユーロ諸国の弱さを糊塗(こと)し、国内総生産(GDP)に代表される域内全体の経済指標が改善していたタイミングである。しかし上述したように、見通せる将来においてドイツ経済のはっきりとした反転を想定するのは難しそうだ。
実体経済が悪化する経路は何かしらのショックが発生後、企業や家計部門の心理が悪化して個人消費や設備投資が減退、最後に雇用・賃金情勢へ波及するのが大まかなイメージになる。この点、過去1年間のユーロ圏ではドイツ製造業の心理的な悪化が域内全体をけん引し、これにドイツ経済全体ひいては域内諸国の経済が追随しているという構図は見逃せない
今のような急激な悪化が年内続くことは考えにくいが、下げ止まった後も低空飛行という可能性はある。3月7日のECB政策理事会でフォワードガイダンスを緩和的な方向に修正したばかりであるにもかかわらず、そこからわずか3週間後の講演でさらなる修正を示唆したドラギ総裁には、ドイツを中心にもたつく域内景気の未来がおそらく見えていたのだろう。
一方、ドイツのアルトマイヤー経済相は鉱工業受注指数が発表された4日、昨年から続く景気減速は段階的に克服していくとの見方を示した。賃金上昇など、労働市場に明るい動きが見られることを理由に挙げている。
確かに、ユーロ圏およびドイツの労働コストは前年比で増勢を維持している。しかし2017年下期以降、ドイツでは失速し始めているのも事実である。雇用や賃金はあくまで実体経済の状況を受けた遅行指標であることを踏まえれば、現状の賃金の増勢を理由に先行きを楽観するムードを形成しようとするのは危ういように思われる。
<新総裁も1年程度は我慢>
市場が織り込むECBの利上げ開始時期は、今から2年後の2021年1─3月期が視野に入るかどうか、というところまで後退している。今後はECBの政策運営も、市場の期待に合わせてハト派色を強めることになるだろう。つまり、今年11月に就任する新総裁は着任から1年程度、正常化を我慢せざるを得ない。
現状のフォワードガイダンスは年内の利上げを否定しているが、これは新総裁の手足を早々に縛りたくないという配慮が含まれている面もありそうだ。しかし、年内の景気回復に自信を抱くメンバーが多数派ではないという要因のほうが大きいのではないだろうか。
実際、4日に発表された3月の政策理事会の議事要旨には、スタッフ見通しの大胆な下方修正や、市場の織り込む利上げ開始時期が2020年以降へ後ずれしたことを踏まえ、「多くのメンバー(A number of members)」がフォワードガイダンスを同年3月末まで3カ月間伸ばすことが適当と主張した、という内幕が記されている。
筆者は3月の会合終了後に全く同じ印象を受けており、顧客向けリポートにもそう書いた。しかし、年後半に回復軌道に戻るというのがECBの変わらぬメインシナリオであり、今後の経済指標の改善を待たず、長期的な緩和継続をコミットすることへの異論が優先される形となった。
確かに2019年3月時点で1年先までの金利経路を固定してしまうことは、新総裁が就任することを抜きにしても、中銀の本能として避けたいところではあったのだろう。
とはいえ、市場参加者の目線からすれば、フォワードガイダンス上のわずか3カ月の延長が一時しのぎに過ぎないことはやはり否めない。同議事要旨によれば、今回のフォワードガイダンスの修正は「経済データやインフレ見通しの悪化」を受けた調整であって「政策スタンスの巻き戻し」ではないとされており、あくまで正常化に向かっていることに固執した様子がうかがえる。
しかし、経済・金融情勢をにらみつつ、早ければドラギ総裁にとって最終会合となる10月24日、遅くとも新総裁にとって最初の政策理事会となる12月5日の会合で、2020年半ばごろまでフォワードガイダンスが引き伸ばされる可能性があると筆者は考えている(9月12日の理事会で判断する可能性も否定はできない)。
為替市場では、ユーロを敬遠する動きが強まりやすくなるだろう。今年下期以降に米経済、ひいては米金利とドル相場の失速感があらわになるという見通しとあいまって、ユーロ/ドル相場は大崩れしないという基本認識を筆者は抱いている。
ユーロの存在感はしばらく低下し、景気にしても金融政策にしても調整余地が大きい(言い換えれば失うものが多い)米国の金利や通貨が、今後の為替相場のトレンドを作っていくとみている。
(本コラムは、ロイターの外国為替フォーラムに掲載されたものです。筆者の個人的見解に基づいて書かれています)
唐鎌大輔 みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト(写真は筆者提供)
*唐鎌大輔氏は、みずほ銀行国際為替部のチーフマーケット・エコノミスト。日本貿易振興機構(ジェトロ)入構後、日本経済研究センター、ベルギーの欧州委員会経済金融総局への出向を経て、2008年10月より、みずほコーポレート銀行(現みずほ銀行)。欧州委員会出向時には、日本人唯一のエコノミストとしてEU経済見通しの作成などに携わった。著書に「欧州リスク:日本化・円化・日銀化」(東洋経済新報社、2014年7月) 、「ECB 欧州中央銀行:組織、戦略から銀行監督まで」(東洋経済新報社、2017年11月)。新聞・TVなどメディア出演多数。
(編集:久保信博)
https://jp.reuters.com/article/column-forexforum-ecb-daisuke-karakama-idJPKCN1RK0F4
ビジネス2019年4月8日 / 18:00 / 1時間前更新
独貿易、2月は下振れ 輸出は1年ぶり大幅減
Reuters Staff
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[ベルリン 8日 ロイター] - ドイツ連邦統計庁が発表した2月の貿易統計によると、輸出、輸入ともに予想以上に減少した。世界経済の減速や英国の欧州連合(EU)離脱の混迷など、外部環境が厳しさを増す中、第1・四半期の成長率が低水準にとどまる可能性を示唆した。
ドイツの主要経済研究所は前週、2019年の成長率予想を引き下げ、長期にわたる景気拡大局面は終わったと警告していた。[nL3N21M20N]
連邦統計庁によると、2月の輸出(季節調整済み)は前月比1.3%減少と、過去12カ月で最大の減少率を記録。輸入は1.6%減少した。
貿易収支は187億ユーロ(209億9000万ドル)の黒字。黒字幅は、前月改定値の186億ユーロから小幅拡大した。
ロイターがまとめたエコノミストの予想は、輸出が前月比0.5%減、輸入は0.7%減で貿易黒字は180億ユーロだった。
INGのカルステン・ブルゼスキ氏は「ドイツの輸出が同時に克服できないほど多くの危機が世界貿易について起きているようだ」と述べ、米中貿易戦争や、英国の合意なきEU離脱懸念の高まり、中国経済減速の可能性、その他新興国の問題を挙げた。
ドイツの景気拡大は10年目に入ったが、昨年第3・四半期にマイナス成長に陥り、第4・四半期にプラス成長を取り戻してリセッションを回避した。2018年は5年ぶりの低成長だった。
ドイツ政府は月内に最新の経済予測を発表する予定。1月時点では、今年の成長率を1.0%と予想していた。
https://jp.reuters.com/article/germany-trade-idJPKCN1RK0UJ
米国にたまるマグマ、急落の引き金に備え
証券部 大西康平
2019/4/8 18:46
日経平均株価は心理的な節目となる2万2000円に近づくも、上値の重さが目立ってきた。警戒を強める投資家が意識するのが米国のデリバティブ(金融派生商品)市場だ。「低ボラティリティー取引」と呼ばれる取引が2018年の日米株の急落前と同水準に増えており、上昇相場から降りる投資家が出始めた。
8日の日経平均株価は寄りつきで年初来高値(2万1822円)を超えたものの、国内勢から戻り待ちの売りが目立ち、終値は前週末比45円安だった。日本人顧客を担当するマッコーリーキャピタル証券の増沢丈彦ヘッドオブセールストレーディングはつぶやいた。「昨年10月の世界株安時も似たような雰囲気だった」
何が似ているのか。そのひとつが米国株の予想変動率を示す米VIX指数の先物動向だ。米商品先物取引委員会によれば、買い建玉から売り建玉を引いた売越残高が2日時点で14.1万枚と、日米株が急落する直前の昨年10月2日(14万枚)を超えた。
これは相場膠着を前提に「ボラを売る」という取引が増えていることを示す。米VIX指数は5日に12.82と昨年10月以来の水準に低下した。低変動率相場の継続に賭けたヘッジファンドが、米VIX指数先物の売りで利益をあげている。
背景にあるのが米連邦準備理事会(FRB)が年内に利上げしないとの姿勢だ。緩和的な金融政策と世界経済の減速が綱引きすることで、相場が膠着することに賭ける取引が膨らんだ。
だがこの取引がたまりすぎると、なにかのきっかけで相場の逆回転に拍車をかける。昨年10月は米長期金利の上昇を契機に、売り建玉の解消が進み、自ら変動率の上昇を加速させた。これが変動率に応じて自動的に資産配分を決める「リスクパリティ戦略」をとるファンドによる株式売りを誘発。世界株安を招いた。
野村証券によればリスクパリティ戦略のファンドのリスクの取り方を示す「レバレッジ比率」が5日に約1.8倍と、昨年11月以来の水準まで上昇した。高田将成クロスアセット・ストラテジストは「楽観論が台頭しているが、急落の引き金を引きそうなイベントが盛りだくさんだ」と話す。
足元で警戒感が高まるのが英国の欧州連合(EU)離脱だ。日経平均のオプション市場で権利行使価格が2万1000円の売る権利(プット)の残高が3月末比で4割増。フェアラインパートナーズの堀川秀樹代表は「12日の離脱期限を前に相場急落に備えてプットという保険を買う投資家が増えている」と話す。
現物株でも一時撤退の動きが出る。コモンズ投信の伊井哲朗社長は「月初からのリスクオンの雰囲気は月半ばにも転換する」とみて、内需株を増やしたり、現金比率を増やしたりしている。
上昇基調の日経平均だが、3月に入って2度にわたり「2万2000円の壁」に跳ね返されてきた。2度あることは3度あるのか、3度目の正直か。投資家の米国市場への注目がより強まりそうだ。
ビジネス2019年4月8日 / 17:15 / 2時間前更新
焦点:
CLO投資、農中・ゆうちょ急増 大手銀保有は今後も増加へ
Reuters Staff
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[東京 8日 ロイター] - ローン担保証券(CLO)に関し、農林中央金庫とゆうちょ銀行(7182.T)の運用残高が急増している。ロイターが上記2社やメガバンクなど主要9社を対象に実施したアンケート調査で分かった。調査対象期間の間に保有を増やしていない金融機関も、日銀の金融緩和の長期化やドル調達コストの上昇で、この先は保有が増えそうだと民間アナリストは予想している。
今回のアンケート調査は、米国で発行されたCLOの保有状況、リスク管理体制、今後の方針について、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306.T)、三井住友銀行、みずほ銀行、三井住友信託銀行、りそなホールディングス(8308.T)、新生銀行(8303.T)、あおぞら銀行(8304.T)、ゆうちょ銀、農林中央金庫の9行を対象に実施した。
保有状況については、18年3月末、6月末、9月末、12月末の残高などを聞いた。回答期間は3月11日―15日で、全社が回答した。
<急増は2社>
18年3月末以降、保有残高が急増したのは農林中金とゆうちょ銀。農林中金は米国を含めたCLO保有残高が、18年12月末時点で6兆8000億円。3カ月に1兆円のペースで増え、同年3月末比1.8倍となった。
ただ、地域別のCLO残高は回答しなかった。ゆうちょ銀は、18年12月末の米CLOの保有残高が1兆円で、同年3月末の2倍になった。
農林中金は、国際分散投資を基本方針に「全体としてリスクバランスのとれた健全性と収益性の高いポートフォリオを構築することが目標」と回答。「債券、株式、クレジット資産の主要アセットクラスから得られる収益とリスクを、リスク管理部門による適切なけん制を効かせながら、アセットクラス間の相関なども考慮のうえ資本の範囲内でコントロール」しているという。
<5社は大きく増やさず>
三菱UFJ、三井住友銀、みずほ銀、三井住友信託銀、新生銀は、調査対象期間中に保有を大きく増やしていない。
18年12月末の各行の米CLO保有残高は、三菱UFJが傘下の三菱UFJ銀、三菱UFJ信託銀の合算で2兆5000億円、三井住友銀が770億円、みずほ銀が5000億円程度、三井住友信託銀が3048億円、新生銀が数百億円。
三菱UFJは18年12月末の保有残高しか明らかにしなかったが「15年の残高より増えていない」とコメントした。
三井住友も18年12月末の保有残高のみ回答したが「18年3月末以降、残高は特段大きく増減していない」とした。
三井住友信託銀は18年3月末以降、保有残高が緩やかに増えた。ただ、「リスクリターンを見極めつつ、慎重に取り組みを進めてきた」と説明。保有しているのはAAA格のみで、かつ、原資産であるレバレッジドローンがデフォルトに陥った際に損失を吸収する劣後部分が分厚い商品に絞っているとした。
同行は、リスク管理手法として、CLOのストラクチャーの強度、組成したマネージャーの能力などの見極めに加え、CLOおよびその裏付け資産であるレバレッジドローンについて、バリュエーション面と融資規律の2側面から、市場に過熱感がないかモニタリングしているとした。
米CLOを保有している金融機関は、いずれもAAA格のみ保有していると回答した。
<りそな、あおぞらは保有なし>
一方、りそなホールディングスとあおぞら銀は18年3月末以降、一貫して保有がゼロだった。りそなは、りそな銀など傘下の銀行がいずれも米CLOを保有していないと回答した。「グループ各社の海外有価証券投資については、国債もしくはそれに準じる信用力の高いものを中心に運用を行っている。米国で発行されているCLOは投資対象としていない」とした。
あおぞら銀は、米CLOに投資していない理由として、「レバレッジドローンに取り組む場合、個別案件・債務者ごとのリスクを精査する方針であるため」と回答した。
<先行き着実に保有増の見方>
今後の保有方針について、三井住友信託銀は「来期も、適正なスプレッドが確保できる限りにおいて、リスク耐性の強固な案件に取り組んでいく方針」とした。
新生銀は「当面は現状のアロケーションの範囲で推移させる方針」と回答。みずほ銀は「市場動向を見極めつつ検討していく」とした。
金融庁は3月末、証券化商品の保有にあたってのリスク評価を厳格化する規制を導入したが、日本国債の利回りが低く、日本の金融機関による外貨建て金融商品への投資は続くと専門家はみている。
SMBC日興証券・下里裕吉マーケットアナリストは、米ドルの調達コスト上昇で、米ドル建て商品の中でも「スプレッドのあるモーゲージやクレジットに、資金が向かう可能性が高い。クレジットの中では、CLOを手掛けざるを得ない」と指摘。「どんどんCLOのエクスポージャーを上げることはないにせよ、粛々と積み増す方向ではないか」と予想している。
和田崇彦 編集:田巻一彦
https://jp.reuters.com/article/clo-nochu-yucho-idJPKCN1RK0N3
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