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米支配層の不正を隠し、米露の軍事的緊張を高めるロシアゲートの茶番劇(1/2)
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2019.03.01 櫻井ジャーナル
ベトナムでドナルド・トランプ米大統領と金正恩朝鮮労働党委員長が会談していた2月27日、アメリカ下院管理委員会の公聴会にトランプの顧問弁護士だったマイケル・コーエンが登場した。 「ロシアゲート」に関する爆弾発言をすると議員や有力メディアがかつて宣伝していた人物だが、何も出てこなかった。「羊頭を掲げて狗肉を売る」だ。今回も売られたのは狗肉。茶番だった。 コーエンは冒頭の声明でトランプの悪口を書いていたが、ロシアとのスキャンダルと言えるようなものは含まれていなかった。人種差別主義者で口が上手く詐欺師だというのだが、個人的な感想を並べただけで何の意味もない。それで有力メディアは騒いだのかもしれない。 ロシアとトランプとの関係についての話は、2016年7月にトランプの事務所にいたときにロジャー・ストーンから電話が入り、ウィキリークスのジュリアン・アッサンジから数日後にヒラリー・クリントンの選挙運動に大きなダメージを与える電子メールを公表すると知らされたと連絡してきたという話くらいだ。記者を含め、この程度の情報を知らされていた人は少なくないだろう。 ちなみにストーンは今年(2019年)1月25日、ロバート・マラー特別検察官の捜査に絡んで逮捕されたが、本人は無罪を主張している。 ロシアゲート疑惑の開幕はアダム・シッフ下院議員が2017年3月に下院情報委員会で告げた。2016年の大統領選挙にロシアが介入したとする声明を出したのだが、証拠は何もなかった。それにもかかわらず、その年の5月にロバート・マラーが特別検察官に任命されたのである。 アメリカの支配層は2015年の段階でヒラリー・クリントンを次期大統領に内定していたと言われている。その根拠のひとつは、2015年6月11日から14日にかけてオーストリアで開かれたビルダーバーグ・グループの会合にジム・メッシナというヒラリー・クリントンの旧友が出席していたからだ。(このグループについての説明は割愛する) アメリカの選挙は資金力が物を言う仕組みになっていて、支配層に選ばれた人物が当選する確率が高い。選挙制度はそうした支配層のカネにどっぷりつかった民主党や共和党が優遇されるようになっている。 それだけでなく、投票が不正操作されている疑いも指摘されていた。例えば、裁判所が当選者を決めた2000年の大統領選挙。選ばれたのはネオコンに担がれたジョージ・W・ブッシュだった。 この選挙ではバタフライ型投票用紙などが原因で開票作業は混乱、通信社のAPが「スーパー代議員(上位代議員、あるいは特別代議員と訳されている)」の投票予測でクリントンが圧倒、勝利は確定していると宣伝してブッシュ当選の雰囲気が作られたことでも話題になった。 2016年の選挙を前にアメリカでは投票の電子化が進み、不正は容易になったと指摘されていた。ヒラリー・クリントンを当選させるために不正システムが使われるのではないかと懸念されていたのだ。(つづく) |
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