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中露韓主導で緊張緩和へ動く朝鮮半島で米大統領は何を目指すのか?(2/2)
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2019.02.26 櫻井ジャーナル
1991年12月にソ連は消滅するが、その前からミハイル・ゴルバチョフ書記長は朝鮮を見捨てていた。アメリカ軍の情報機関DIAによると、そうした中、朝鮮に食い込んだのが統一教会。1990年代には統一教会の資金が朝鮮へ流れ込んでいた。 その一方、アメリカ軍の内部では1998年に金正日体制を倒す目的でOPLAN-5027-98を作成、99年には朝鮮の国内が混乱して金体制が崩壊した場合を想定した「概念計画」のCONPLAN-5029が作られ、2003年には核攻撃も含むCONPLAN-8022も仕上げられている。 そうした中、2010年3月、米韓両軍が合同軍事演習「フォール・イーグル」を実施している最中に韓国の哨戒艦「天安」が爆発して沈没する。韓国と朝鮮で境界線の確定していない海域での出来事だった。 この沈没に関して5月頃から李明博政権は朝鮮軍の攻撃で沈没したと主張し始める。この主張には疑問が多く、CIAの元高官でジョージ・H・W・ブッシュと親しく、駐韓大使も務めたドナルド・グレッグもこの朝鮮犯行説に疑問を投げかけた。アメリカ支配層の内部でもこの人脈はこの時点で朝鮮半島の軍事的な緊張が高まることを望んでいなかったということだろう。 そして11月には問題の海域で軍事演習「ホグク(護国)」が実施され、アメリカの第31MEU(海兵隊遠征隊)や第7空軍が参加したと言われている。そして朝鮮軍の大延坪島砲撃につながった。 ちなみに、2010年6月には東アジアの平和を訴えていた鳩山由紀夫首相が検察やマスコミの圧力で辞任している。そして誕生したのが菅直人政権。尖閣諸島(釣魚台群島)の付近で操業していた中国の漁船を海上保安庁が「日中漁業協定」を無視する形で取り締まり、尖閣列島の領有権問題に火をつけて日中関係を悪化させ、東アジアの軍事的な緊張を高めた。安倍晋三はその政策を引き継いでいる。 2011年夏にロシアが行った提案はこうした流れにブレーキをかけるものだったが、金正日の急死もあり、軍事的な緊張は続く。 そうした状態が一気に変化させたのが2018年4月の文在寅韓国大統領と金正恩朝鮮労働党委員長の会談だった。これが米朝会談につながる。 南北首脳会談の前、金正恩体制からアメリカに対する恐怖を消し去る出来事があったように思える。例えば2017年4月のアメリカ軍によるシリア攻撃だ。地中海に配備されていたアメリカ海軍の2駆逐艦、ポーターとロスが巡航ミサイル(トマホーク)59機をシリアのシャイラット空軍基地に向けて発射したものの、6割が無力化されてしまった。 その1年後、2018年4月には100機以上の巡航ミサイルをアメリカ軍、イギリス軍、フランス軍がシリアに対して発射したが、7割は無力化されている。アメリカ側は発射ミサイル数を倍増させ、それ以外にも対策を練ったのだろうが、ロシア側も対策を練っていた。最も大きかったのは短距離用の防空システムのパーンツィリ-S1の配備だと言われている。 この2度のアメリカ軍による攻撃の失敗は朝鮮の金正恩体制兵も少なからぬ影響を受けただろう。かつてアメリカを「張り子の虎」と表現した人がいたが、そう考える人が増えているかもしれない。 今のところアメリカの支配層は基本戦略を変更していない。長期戦略と見られているのはハルフォード・マッキンダーがまとめたハートランド理論。世界の覇者となるためには、耕作地が広がり、19世紀には領内で油田が発見されるなど資源に恵まれ、教育水準も高いロシアを支配しなければならないというもの。 そのため、ユーラシア大陸を囲むように西ヨーロッパ、パレスチナ(1948年にイスラエル建国を宣言)、サウジアラビア(サウード家のアラビアを意味するサウジアラビアが登場するのは1932年)、インド、東南アジア諸国、朝鮮半島をつなぐ「内部三日月帯」を、またその外側に「外部三日月帯」を想定している。その三日月帯で内陸部を締め上げようというわけだ。その西の果てがイギリス、東の果てが日本だ。 アヘン戦争で勝利しても内陸部を支配できなかったイギリスは陸上部隊として日本に目をつけ、明治維新につながったが、ハートランド理論でも日本は戦略的に重要な位置を占めている。その戦略をイギリスから引き継いだのがアメリカだ。 1991年12月にソ連が消滅、ロシアはアメリカやイギリスをはじめとする西側の支配層に操られていたボリス・エリツィンが大統領。この段階で世界制覇は実現、アメリカは唯一の超大国になり、単独で行動できる時代になったとネオコンなど西側支配層は思ったように見える。そして潜在的なライバルを潰し、資源を支配することを目的としたウォルフォウィッツ・ドクトリンが作成された。 この日程表を狂わせたのがロシアのウラジミル・プーチンであり、そのロシアと戦略的な同盟関係に入ったのが中国の習近平体制。米英支配層はそのロシアと中国を潰そうと必死だ。そうした状況の中、トランプ大統領は金委員長と会う。(了) |
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