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https://tokyo.mid.ru/ja_JP/web/tokyo-ja/-/---159
安倍首相との会談後の記者発表
プーチン大統領と安倍首相との会談終了後、記者発表が行われた。
2019年1月22日 18:30 モスクワ、クレムリン
プーチン大統領:尊敬する皆様、たった今、恒例となった安倍首相との会談を終了しました。会談は、実務的かつ非常に建設的な雰囲気の中で行われました。
安倍首相とは緊密なコンタクトを保っており、この半年間に行った会談はすでに4回を数えます。ごく最近も昨年11月と12月に、シンガポールでの東アジアサミットとブエノスアイレスでのG20首脳会議の場でお会いしました。こうした首脳レベルでの対話は、露日政府間委員会や両国の安全保障会議、2プラス2をはじめとする外務・防衛省や議会間の活発な相互活動に支えられたものです。政治上のこうした緊密な結びつきは、露日両国が善隣精神と互いへの敬意、相互利益の尊重に基づく協力の進展を目指していることを裏付けるものに他なりません。
安倍首相とは両国間の議題について前向きな形で話し合うことができました。これまで通り、まず貿易・投資関係の拡大についてその今後を協議し、相互貿易に前向きな成長が見られることを示しました。2018年1月−11月期の貿易取引高は18%増加し約200億USドルに上りました。ロシア経済への日本による投資額は、およそ22億USドルとなっています。
以前安倍首相と私とで承認したイニシアチブの実現に向けた作業も、継続して行われています。すなわち、安倍首相提案による8項目の協力プランとロシアが提案した優先投資プロジェクトリストのことです。日本企業は、ロシア経済の多くの分野で投資を行っており、ペテルブルグ国際経済フォーラムやウラジオストク東方経済フォーラムへも活発な参加を行っています。
エネルギー分野においても協力の進展に向けた好ましい動きが認められます。ガスプロム、三井、三菱は『サハリン2』のLNG第3トレインの建設を行っており、また『アークティックLNG2』や『バルチックLNG』といったプロジェクトやカムチャツカ地方でのLNG積み替えターミナル設置についても、日本側パートナーの参画の可能性が現在検討されています。一方ロシアからは、福島第一原子力発電所の廃炉に関連した中性子検出器の開発に専門家が携わっています。
輸送・インフラ分野でも協力が進んでいます。昨年12月には日本企業が、ハバロフスク空港の刷新を行う事業会社の株式10%取得しました。シベリア鉄道を利用した試験的なコンテナ輸送も共同して実施されました。これが常態的に行われるようになれば、ロシア領土を経由した日本製品の第三国への輸送量が大幅に増加することが期待できます。また、日本やアジア太平洋地域の国々へ液化天然ガスを輸出するため、北極海航路を常態的に利用することについても進展が期待されています。
全体として見れば、経済分野におけるロシアと日本との協力は順調に進展しているといえるでしょう。実績は明確です。しかしながら、質的な前進は未だ認められず、露日協力のポテンシャルという点で見ればフル稼働しているとは言えない、というのが安倍首相と私との一致した見解です。そのため、貿易から投資、技術に至る重要分野での経済的結びつきのさらなる強化を目指し、より野心的なプロジェクトの策定に向け協議を行いました。露日間の貿易高については、今後数年間の目標を少なくとも現在の1.5倍にあたる300億米国ドルとすることも可能だと見ています。
人的交流にも進展が見られました。昨年5月安倍首相と共に開会式に臨んだ『ロシアにおける日本年・日本におけるロシア年』も順調に進んでいます。両国で開催されている様々なイベントの数は、400以上にも上ります。今年後半にはロシアと日本の共同主催の下に、サンクトペテルブルク市と富山県において世界30カ国のクリエイティターたちが集う『シアター・オリンピックス』が開催される予定です。
当然、平和条約締結の展望についても協議しました。本日、安倍首相と私はこの問題に少なからぬ時間を充てました。私達がこのテーマについて話し合ってからすでに何年にもなります。シンガポールで行われた会談では、1956年共同宣言に基づき交渉を行っていくことで合意しました。共同宣言は第一に平和条約締結について規定しています。本日新たに平和条約締結に向けた双方の意思を確認しました。コーディネーターとしては両国の外相を任命しています。今月14日にはモスクワにおいて外相会談の第1ラウンドが行われており、その結果については本日私達に報告がありました。
申し上げておきたいのは、相互が受け入れ可能な解決に至るには、今後時間をかけて綿密に諸条件を策定していかなければならないということです。ロシアと日本の関係を、質的レベルにおいて長期的かつ多面的なものに発展させることが課題となります。また当然のことながら、交渉当事者が解決策を提案する際には、両国国民に受け入れられ社会に支持されるものであることが必要です。すでに合意した以下の5つの分野について、南クリル諸島での共同経済活動実施に向け引き続き努力していくことを確認しました。海産物養殖、温室栽培、風力発電、観光、ごみの減容対策・自然環境問題の解決、の5項目です。
最後に、安倍首相、日本の友人・同僚の皆様に対し、本日充実した意見交換の場を持てましたことに、感謝の意を表したいと思います。胸襟を開いて話し合い、内容に富む会談を行うことができました。安倍首相による今回のロシア訪問は、露日関係の発展に寄与すると共に、必ずや両国協力における重大な問題の解決に私達を導いてくれることと確信しています。
ありがとうございました。
19/01/22
動画: http://kremlin.ru/events/president/news/59714#
−参考−
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