http://www.asyura2.com/19/kokusai25/msg/140.html
Tweet |
(回答先: 中東を読み解く 「世界最悪の人道危機」の正体、魑魅魍魎のイエメン戦争 投稿者 うまき 日時 2019 年 1 月 07 日 21:09:24)
2019年1月7日 CAR and DRIVER :総合自動車情報誌
フランスの燃料増税はなぜ暴動を招いた?EU・日本との比較で見える原因
高速道路で燃料価格高騰に抗議をするフランスの市民 Photo:iStock/gettyimages
暴動の直接の引き金は燃料税
身近な税金負担が増える政策に怒り
フランスの首都・パリで、燃料税の増税に反対するデモが暴動になった。商店からの略奪やクルマに火を放つなどのシーンが世界中に流れ、マクロン政権はやむなく増税の凍結を発表した。
フランスでは年金受給年齢の引き上げや雇用規制の緩和などがここ数年で実施されたが、暴動が起きるまでには至らなかった。
ところが、燃料税という身近な税金の負担が増えるという政策は、国民の怒りを買った。暴動の直接の引き金が燃料税であるという点は非常に興味深い。
過去、フランスは日本同様にガソリン課税を厳しく、軽油課税を緩くする、という燃料税制度をとっていた。フランスでディーゼル乗用車が増えた(新車販売の過半数をディーゼル車が占めていた)理由はここにある。2000年時点での燃料税はガソリンが3.9フラン/リットル、軽油が2.27フラン/リットル(通貨ユーロは02年から)。ガソリン税を1とすると、軽油は0.58という低い税率で優遇されていた。フランスでは、国内で流通するすべての石油製品の税率が基本的に毎年議会決定される。前年踏襲という場合もあるが、近年は少額の値上げが目立つ。今回、マクロン大統領が発表した燃料税引き上げは“臨時”のものではなく、毎年恒例の見直し行事なのである。
現在、フランスでのRON(リサーチ法オクタン価)95のガソリン価格は1リットル=約1.62ユーロだ。1ユーロ=128.5円で計算して約208円になる。軽油は1リットル=約1.51ユーロで、同194円。日本よりずいぶん高い。日本はRON91のレギュラーガソリンとRON98以上のハイオクタンガソリンの2種類が販売されているが、欧州にはこの中間のRON95がある。日本に輸入される欧州車の多くはRON95指定になっている関係で、日本での使用燃料が“ハイオク指定”になる。
フランスの燃料税制は複雑
増税は改めて議論される展開に
フランスの燃料税制は複雑だ。少々古いデータになるが、13年末時点の税制を紹介しよう。RON95ガソリンの税別価格は1リットル=0.589ユーロで、これに石油製品国内税が0.6069ユーロ乗せられる。そのうえで19.6%のVAT(付加価値税=日本の消費税に相当)が課せられ、小売価格は1.43ユーロだった。日本同様、“製品価格+税金”に、最終的な売り上げ税が課税されるというタックス・オン・タックス(2重課税)である。小売価格は税別価格の約2.43倍になっている。
この後、原油価格の高騰を受け、石油製品そのものの税別価格が上昇。17年5月にマクロン政権が誕生した時点では、この原油価格アップ分が小売価格上昇の3分の2を占めていた。残り3分の1は17年1月の増税分である。そして、ガソリンの国内税は18年1月に1リットル=0.038ユーロ、軽油は同0.076ユーロ値上げされた。毎年、議会が決める増税分である。
軽油の増税幅が大きい理由は16年の議会決定の結果であり、軽油の小売価格をガソリン並みにするための増税が17年から実施されている。ただし事業用ディーゼル車は減税される。
19年1月にマクロン政権が予定していた増税は、ガソリンが1リットル=0.029ユーロ、軽油は同0.065ユーロだった。これが実施されると、ガソリン小売価格はRON95が1リットル=1.65ユーロ(約212円)、軽油は1.58ユーロ(約203円)となり、ガソリンと軽油の価格差はますます小さくなる予定だった。しかし、この増税は1年間凍結される結果になった。国民の反発が、あまりにも大きかったからだ。増税に関しては、あらためて議論される展開になるだろう。
ただ、フランスでは11年からガソリンと軽油に1リットル=2.5ユーロ未満の地方税を上乗せする施策が認められている。とくに軽油については地方税の加算額が増えており、1リットル当たり1.5ユーロの加算を行う自治体もある。さらにフランスの場合、車両購入時にモード試験でのCO2(二酸化炭素)排出に応じて、2段階のCO2税が徴収される。
EU内で比較すると、燃料に占める税金の比率が最も高いのは、RON91ガソリンがオランダ0.772ユーロ(約99円)、イタリア0.728ユーロ(約94円)。軽油税はイギリス0.68ユーロ(約87円)、イタリア0.617ユーロ(約79円)。ガソリン税と軽油が同額なのはイギリスだけである。
また、自動車燃料に課せられるVATはハンガリーが最も高く27%、デンマーク、スウェーデン、クロアチアは25%台、フィンランドとギリシャが24%台、最も低いルクセンブルクでも17%である。フランスの19.6%はEU内で見れば平均以下だ。
日本の場合は?
“税額が低い”とも
念のため紹介しておくと、日本の場合、ガソリン1リットルにつき53.8円のガソリン課税(本則税額28.7円+暫定税額25.1円)があり、軽油の場合は1リットルにつき32.1円の軽油引取税(漁船が使う軽油はこの税金の対象外)がかかる。この税金を含んだ燃料代に8%の消費税がかかる。欧州諸国の例と比べると、日本は“税額が低い”ともいえる。
こうして数値を比べてみると、フランスの燃料税は“毎年じわじわと上がり続けた”結果、国民の反感を買ったようにも思える。支持率が低下しているマクロン大統領は増税をひとまず凍結せざるを得なくなった。最低賃金を引き上げるという新しい労働対策を実施する方針などについては、18年12月10日の大統領演説で触れている。
しかし、燃料税の見直しを毎年行うことや、マクロン政権が掲げるCO2削減目標のために自動車燃料税を環境税的な位置づけにするという現在の路線はどうなるだろうか。この議論は19年以降に持ち越された。
(報告/牧野茂雄、まとめ/CAR and DRIVER編集部)
https://diamond.jp/articles/-/189735
- 北朝鮮の非核化、トランプ氏に起死回生の一手はあるか うまき 2019/1/07 21:14:30
(0)
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。