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「官製相場」はバブル再来なのか 崩壊後最高に迫る年末終値 混沌の米中、火種は残ったまま
https://mainichi.jp/articles/20191230/k00/00m/020/419000c
毎日新聞 2019年12月30日 20時44分(最終更新 12月30日 21時39分)
五輪「世界ワンチームに」 東証大納会で野村萬斎さん
2019年の金融市場は米中貿易戦争に翻弄(ほんろう)される1年となった。日経平均の年末終値はバブル崩壊後最高値に迫ったが、日銀の緩和マネーに支えられた「官製相場」の色合いも濃い。欧米中銀の金融緩和で株価の底割れは回避されたものの、世界経済の覇権争いを繰り広げる米中対立の火種は残ったままで、20年も波乱要因となりそうだ。【松岡大地、高橋祐貴、三上剛輝】
2019年の日経平均株価と円相場の推移
動揺を抑え込んだ各国中央銀の緩和策
東京証券取引所の大納会で打鐘に臨む狂言師の野村萬斎さん=東京都中央区で2019年12月30日午後3時14分、宮武祐希撮影
「米中貿易摩擦やブレグジット(英国の欧州連合離脱)の迷走など混沌(こんとん)とした1年だった」。30日の大納会で、日本取引所(JPX)の清田瞭最高経営責任者(CEO)は今年の株式市場をこう振り返った。
市場関係者に衝撃が走ったのは「令和」への改元祝賀ムードに包まれていた5月だった。トランプ米大統領が中国への制裁関税の税率を引き上げる考えを突然表明し、中国も米国への追加関税の報復措置を発表した。18年末から「一時休戦」していた米中貿易戦争の再開で、投資家心理は一気に冷え込んだ。
トランプ氏が8月1日、中国から輸入するほぼすべての製品に制裁対象を拡大する制裁関税「第4弾」の発動を表明し、米中対立はヒートアップした。外国為替市場では比較的安全とされる円が買われ一時1ドル=104円台まで円高が進行。円高を嫌気し、日経平均は8月26日に2万円割れギリギリまで落ち込んだ。投資マネーは株式市場から安全資産とされる国債市場に流れ込み、国債価格は上昇(金利は下落)。長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りは、9月4日に一時マイナス0・295%と過去最低に肉薄した。
金融市場の動揺を抑え込んだのは、各国中央銀行による金融緩和だった。米連邦準備制度理事会(FRB)は7月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で10年半ぶりとなる金利の引き下げを実施し、9、10月会合でも連続で利下げした。欧州中央銀行(ECB)も9月に3年半ぶりに利下げに踏み切った。楽天証券の窪田真之チーフ・ストラテジストは「世界の株価を動かすのは結局はドル建ての投資家。FRBの利下げ効果は大きかった」と評価する。
10月に入ると米中対立激化の懸念が和らぎ、日経平均は上昇に転じた。12月13日には米中両政府が貿易戦争の収束に向けた部分合意に達し、約1年2カ月ぶりに2万4000円台を回復。円相場も1ドル=109円台の円安水準に戻った。迷走したブレグジット問題も、12月の英総選挙で与党・保守党が勝利し「合意なき離脱」リスクが回避されたことで、市場関係者の安心材料となった。
年間終値として29年ぶりの高値となったことを示す電光掲示板=東京都中央区で2019年12月30日午後4時16分、宮武祐希撮影
貿易外でも米中対立、五輪終了や米大統領選もリスク要素に
日経平均は12年末から上昇基調を保ち、当時1万円程度だった年末終値は19年、バブル崩壊後の終値ベースの最高値(1990年の2万3848円71銭)に迫った。株高を支えてきたのは日銀が13年に始めた大規模な金融緩和だ。巨額の国債買い入れとマイナス金利で市場にあふれた緩和マネーが株式市場に流入。加えて年6兆円のペースで上場投資信託(ETF)を買い入れ、企業の株価をつり上げている。製造業の業績を改善させる円安も金融緩和のたまものだ。
80年代後半からのバブル景気も日銀の緩和マネーが株式や不動産市場に流れ込んだことで生み出された。だが、現在とは様相が異なる。バブル絶頂期の89年末の日経平均は3万8915円87銭で、株価が割高かどうかを判断する「PER」(株価収益率)と呼ばれる指標は平均80倍を超えた。現在のPERは平均14倍程度に収まっており、「日銀による官製相場の側面があるとはいえバブルではない」(エコノミスト)との声が多い。日経平均は今後も上昇の余地がありそうだ。
ただ、米中対立の収束が見通せないのが、最大のリスク要因だ。米国は中国政府による国内企業への産業補助金の撤廃などを求めているが、ハイテク分野で技術競争力を高めたい中国はかたくなに拒絶。トランプ氏が香港の反政府デモを支援する法案に署名するなど、人権問題でも火種を抱える。
来年11月の米大統領選も不確定要素だ。当面は民主党候補の選定に注目が集まるが、大和総研の小林俊介シニアエコノミストは「トランプ氏にとって脅威とされるバイデン前副大統領になれば、トランプ氏が対抗し、人気取りのためにドル安・円高圧力を日本にかけてくる恐れがある」と指摘する。一方、企業増税を訴える急進左派が候補となれば「株価に配慮するトランプ氏に比べ、より(市場に)ネガティブな影響が出る」(みずほ証券の三浦豊シニアテクニカルアナリスト)との懸念もある。
年間終値として29年ぶりの高値となったことを示す電光掲示板=東京都中央区で2019年12月30日午後4時13分、宮武祐希撮影
堅調に推移してきた内需にも不安材料がある。第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは「来夏の東京五輪後は宿泊施設などの建設需要がなくなり、外国人観光客の減少で国内消費が冷え込む可能性がある」と指摘する。
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