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SBI主導の「第4のメガバンク構想」、参画候補の銀行リスト
https://biz-journal.jp/2019/12/post_131576.html
2019.12.09 文=編集部 Business Journal
SBIホールディングス本社の所在する泉ガーデンタワー(「wikipedia」より/Chris 73)
SBIホールディングスの「第4のメガバンク構想」が動き出した。フィンテックを活用して、地域金融機関と連携していくというものだ。9月に島根銀行、11月には福島銀行と資本・業務提携を決めた。SBIの北尾吉孝社長は「10行ぐらいから(打診が)来ている」と語っている。次はどこなのか。2つの指標から次を占ってみた。
■時価総額が小さい地銀、第2地銀が狙われる
島根銀行の時価総額は40億円台。福島銀行は2倍強の80億円台。金融機関の時価総額としては確かに小さい。時価総額100億円以下の地域金融機関をリストアップしてみる。
まず、大分県の第2地銀、豊和銀行(大分市、福岡証券取引所上場)は島根銀とほぼ同じ規模だ。福岡銀行、みずほ銀行、西日本シティ銀行、福岡中央銀行、南日本銀行、宮崎太陽銀行が10位以内の大株主。日本生命保険が第7位の大株主だが、“再編の火薬庫”といわれている九州地区の銀行は豊和銀行に対して、まったく関心がない。大分県の県金庫は大分銀行(大分市)だが、県外に目を向けている。
九州では宮崎太陽銀行(宮崎市、第2地銀)も苦しい。時価総額は60億円台だ。福島銀行がSBIの傘の下に入ったが、同じ福島県の第2地銀、大東銀行(福島県郡山市)も“合併予備軍”だ。東北地方の金融界では福島と大東の第2地銀同士の合併が長いこと取り沙汰されてきたが、福島銀がSBIの軍門に降った今、大東銀はどうするのか。
時価総額100億円以下の地域金融機関としては、南日本銀行(鹿児島市、第2地銀)や福岡中央銀行(福岡市、第2地銀)がある。福岡中央銀は福岡県で5番手の金融機関だから当然、苦しい。四国では高知銀行(高知市、第2地銀)。公的資金注入行である。
時価総額が150億円以下までだと、東北銀行(岩手県盛岡市、地銀)が入る。地銀とはいえ、岩手県で3番目の金融機関だ。フィデアホールディングス(山形県の荘内銀行と秋田の北都銀行が経営統合、本社は仙台市)と包括的業務提携しているが、岩手県の県金庫、岩手銀行(盛岡市)に大きく水をあけられている。フィデアHDと一緒になるのか、別の道を行くのか。SBIという新たな選択肢が出てきたことになる。岩手県にはもう1行、北日本銀行(盛岡市、第2地銀)があるが、北日本銀行のほうが東北銀行より企業規模は大きい。
■時価総額200億円以上は対象外か
九州の筑邦銀行(福岡県久留米市、地銀)も再編カードだ。福岡県には、ふくおかフィナンシャルグループ(福岡銀行、熊本銀行、親和銀行、十八銀行の持ち株会社)、西日本フィナンシャルホールディングス(西日本シティ銀行と長崎銀行の持ち株会社)があり、筑邦銀行は久留米市など福岡の県南が地盤の地銀下位行である。佐賀銀行(佐賀市、地銀、佐賀県の県金庫)が筑邦銀の実質的な筆頭株主だが、佐賀銀行と連携できるかどうかにかかっている。
トマト銀行(岡山市、地銀、岡山県内2番手)、鳥取銀行(鳥取市、地銀、鳥取で唯一の地銀)、富山銀行(富山県高岡市、地銀)あたりが時価総額150億円以下である。長野銀行(長野県松本市、第2地銀)や大光銀行(新潟県長岡市、第2地銀)、前出の北日本銀行あたりが150億〜200億円のボーダーラインとなる。
SBIと共同店舗を展開する清水銀行(静岡市、地銀)や、じもとホールディングス(山形県の第2地銀、きらやか銀行と宮城県の第2地銀、仙台銀行が経営統合。本社は仙台市)もSBIと関係が深い。
株式市場では筑波銀行(茨城県土浦市、地銀、茨城県で2番手)、栃木銀行(宇都宮市、第2地銀)、三十三フィナンシャルグループ(FG/三重県の地銀、三重銀行と同県松阪市の第2地銀、第三銀行が経営統合。本社は三重県四日市市)などを候補に挙げている。筑波銀行、栃木銀行は時価総額が200億円台、三十三FGは450億円前後だから、規模が大きすぎてSBIの物色対象外かもしれない。
■頭取選任議案の賛成率の低い銀行が狙い目
ユニークな説が株式市場で取り沙汰されている。株主総会における頭取(社長)選任議案で賛成率の低いところに注目せよ、というものだ。SBIも資本を受け入れた島根銀行、福島銀行の頭取選任議案の賛成率は70%前後と、かなり低かった。賛成率が80%を下回る地銀・第2地銀は18行あった。
低い順に筑波銀行、福島銀行、大分銀行、みちのく銀行(青森市、地銀、青森県で2番手)、沖縄銀行(那覇市、地銀)だった。大分銀行、沖縄銀行は時価総額も大きいし、SBIの傘下に入る必要は低いとの見方もある。
みちのく銀行はワンマン頭取の時代にロシアに店舗を開設するなど、企業体力を超えた拡大策を取ってきたツケが回ってきている。ただ、県内ナンバーワンの青森銀行(青森市、地銀)と提携することによって道が開けるのではないか、といわれている。青森銀行は岩手銀行、秋田銀行(秋田市、地銀)とも提携しており、青森、岩手、秋田をまたぐ広域金融機関に変貌する可能性を残している。
時価総額、頭取の支持率の秤にかけても出てこない銀行で再編カードとみられているのが東和銀行(前橋市、群馬県で2番手の第2地銀)である。栃木銀行、筑波銀行と連携を進めているが、関東圏でもっとも関心を集めている銀行である。
(文=編集部)
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