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高齢者自己負担増に支持相次ぐ 個人消費は1カ月単位で「補助輪」が必要?景気「断層」回避に神経を使う安倍内閣 量的緩和が必要になるとは考えていないAU中銀総裁 OECDの法人税改革、仏が最低税率12.5%を提案 インド市場は難しい」は本当か
http://www.asyura2.com/19/hasan133/msg/718.html
投稿者 鰤 日時 2019 年 11 月 27 日 00:07:43: CYdJ4nBd/ys76 6dw
 

主要ニュース(共同通信)2019年11月26日 / 22:00 / 1時間前更新
高齢者自己負担増に支持相次ぐ
共同通信
1 分で読む

 政府は26日、社会保障制度改革の司令塔となる全世代型社会保障検討会議(議長・安倍晋三首相)を官邸で開き、医療や年金、高齢者の働き方などの制度見直しを軸とした12月の中間報告へ詰めの議論を行った。焦点の医療では民間メンバーから75歳以上の後期高齢者が医療機関で払う自己負担を現在の原則1割から2割に引き上げる案を支持する意見が相次いだ。

 首相は「人生100年時代の到来を踏まえて働き方を含めた改革をパッケージとして行っていく」と強調。「医療を含めて年末の中間報告に向けて具体的な調整を進める必要がある」と述べた。

【共同通信】
https://jp.reuters.com/article/idJP2019112601002524?il=0


 

個人消費は1カ月単位で「補助輪」が必要?
景気「断層」回避に神経を使う安倍内閣

上野 泰也
みずほ証券チーフMエコノミスト
2019年11月26日
7 38%全4201文字
還元策は需要の先食いか後回しにすぎないが……(写真:AP/アフロ)
 別々の調査主体によるサーベイ(アンケート調査)の結果が、かなり似通った経済の姿を描き出すことがある。それらの統計は信頼に足るものだとエコノミストは判断しやすいわけだが、今回はその実例をご紹介しよう<図1>。
■図1:中小企業の景況感サーベイ 〜 日本商工会議所と帝国データバンク

(出所)日本商工会議所、帝国データバンク

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 @日本商工会議所が実施した10月のLOBO(早期景気観測)調査で、全産業の業況DI(回答比率「好転」−「悪化」)はマイナス24.1(前月比マイナス4.1ポイント)になった。
 A帝国データバンクが実施した10月のTDB景気動向調査(企業規模の大小に基づくウエート付けはしておらず「1社1票」で算出しているため、中小企業の動向を強く反映する)で、景気DI(企業による7段階の判断にそれぞれ点数を与えて各選択区分の回答数に乗じて算出)は43.9(前月比マイナス1.1ポイント)になった。
中小企業の景況感が緩やかに悪化
 ヒストリカルに見ると、両者の大まかな動き方は同じであり、中小企業の景況感が昨年から緩やかに悪化してきていることが分かる。10月は消費増税と大型台風襲来という追加的な悪材料があり、両調査とも数字は前月から悪化した。
 大企業対象のサーベイでは、11月時点で景況感悪化に歯止めがまだかかっていない。業況判断DI(回答比率「良い」−「悪い」)は、ロイター短観とQUICK短観のいずれにおいても、製造業・非製造業ともに11月は悪化。ただし、非製造業の同DIはプラス圏にとどまっており、製造業から非製造業への悪化波及は今のところ限定されている<図2><図3>。
■図2:大企業の景況感サーベイ@ 〜 ロイター短観とQUICK短観、製造業

(出所)ロイター、QUICK

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■図3:大企業の景況感サーベイA 〜 ロイター短観とQUICK短観、非製造業(右)

(出所)ロイター、QUICK

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 筆者は引き続き、日本経済はすでに昨秋に後退局面入りしたとみているものの、後退の深度としては浅い。消費増税や急激な円高によって「断層」が生じれば後退の実感が出てくるのだろうが、政府は追加財政出動で「断層」の発生をなんとか阻止する構えである。憲法改正を宿願としている安倍晋三首相は、景気が急に悪くなって内閣支持率が下がり、自らの政治的求心力が低下するような事態は、何が何でも避けたいところだろう。
 11月12日に開催された政府与党連絡会議において安倍首相は、「時機を逸することなく、来年の東京オリンピック・パラリンピック後も見据えたマクロ経済政策を講じることで、日本経済の回復基調を確固たるものにしていきたい」と発言。12月上旬をめどとする3年ぶりの新たな経済対策の取りまとめで、政府・与党は協力して進めていくことを確認した。キャッシュレス決済に対するポイント還元措置は2019年10月から20年6月まで9カ月間の時限措置となっているが、東京五輪後の景気の下支えも見据えるとなると、還元期間延長が1つの選択肢として当然浮上してくる。景気動向に大きな「断層」を生じさせないようにする安倍内閣の方針が、今後も継続される見通しである。
 翌13日には今年11回目となる経済財政諮問会議が首相官邸で開催され、消費増税に伴う景気下支え対応策の進捗状況がチェックされた。終了後の記者会見では西村康稔経済財政・再生相から説明があった。キャッシュレス決済へのポイント還元制度が予定通り20年6月に終了してしまうと、同年10月からの開始が総務省で検討されているマイナンバー(個人番号)カードを利用したポイント還元策(通称マイナポイント)まで3カ月間、消費下支え策がブランクになってしまう。そのため、後者を1カ月前倒しして9月開始とし、その準備のための費用を19年度補正予算案に計上したいというものだ。
次ページマイナポイントで「穴埋め」
記者会見ではこの点について、次の質問があった(経済財政諮問会議HPから引用)。
 「今の関連で、キャッシュレス決済が6月、ポイント還元が6月末で終わります。10月から始まるマイナポイントの制度を1カ月前倒しすると、9月からというイメージでよろしいでしょうか。そうすると、7、8月と間が空いてしまいますが、これは切れ目なくということで言えば、この2カ月はどのようにお考えになりますでしょうか」
 もっともな疑問である。これに対する西村大臣の返答は以下のようなものだった。
マイナポイントで「穴埋め」
 「もともとの発想では、7月24日にオリンピックがスタートし、パラリンピックの終了が9月6日であり、この間はインバウンドの方々も相当、日本に来られ、また、オリンピック開始前からキャンプを張られたりもありますので、7、8月は相当な方が日本に来られるということもあって、その間は一定の消費が見込まれるだろうという発想がそもそもあり、現在のマイナポイントの開始予定の10月では、9月の1カ月間が空くということもあって、前倒しができないかという検討を今しているところであります。もちろん、他に何か消費全体の下支えをする方法がないのかということで、今、各省で検討してくれておりますので、各省からのいろんなアイデア、そうした対応の検討状況をよく聞いてみたいと思ってます」
 7月と8月については訪日外国人の増加などによる「オリンピック・パラリンピック景気」が期待できるからおそらく景気は大丈夫で、あとは9月をなんとかすれば足りるのではないかというのが、政府側の考え方の基本線であることがわかる。
 景気・経済対策に関するこうしたやりとりを読んで嘆息してしまうのは、筆者だけだろうか。日本経済は個人消費に取り付ける「補助輪」が常になければ前に進まなくなって倒れてしまうといった風情である。
 そもそも論を言うと、ポイント還元など政府の消費刺激策の効果は、消費者に需要の先食い(あるいは支出するタイミングのずれ)を促す部分がほとんどである。したがって、どこかで先食いの反動や刺激効果の息切れが生じるのは、避けられないことである。そうしたことによる景気の「断層」を絶対に避けようとして政府が無理を重ねることは、経済政策として生産的であるとは言い難い。人口対策を多面的に展開するなどして、ベースの消費需要を基調として大きくさせていくのが本筋のはずである。
次ページ総裁4選を全否定
政府がそうした批判も顧みず、経済に「断層」が生じるのを避けようとする背景には、すでに述べた通り、憲法改正に向けて経済の好環境と政権の求心力をできるだけ維持したいという安倍首相の強い意向が働いているものと推察される。
 では、安倍首相はいつまで在任するのだろうか。自民党内でささやかれる党総裁としての4選はあるのか。本稿の後半部分では、そのあたりについて考えてみたい。
 月刊誌「文藝春秋」12月号に、安倍首相インタビュー「安倍『最長政権』の秘密 失敗が私を育てた」が掲載された。時事通信OBで、安倍政権に関連する情報発信に定評のある田崎史郎氏がインタビュアーであることから、筆者はその内容に注目した。
 まず、日本経済・経済政策の関連だが、上記インタビューにおける安倍首相の発言に目新しさはない。12年12月の選挙で、デフレに終止符を打って強い経済を取り戻すことを国民に約束。政権発足後は3本の矢を打ち出し、「経済最優先の政治に取り組んだのです」「その結果、正社員の有効求人倍率も史上(04年のようさ開始以来)初めて1倍を超えました」。
総裁4選を全否定
 消費者物価が低迷を続けていることへの言及はなく、雇用情勢が良好であればそれでよしとする首相の近年のスタンスが、間接的に確認されている。なお、首相の盟友の1人である甘利明自民党税制調査会長は11月11日の講演で、個人的見解として「(物価)1%でも、デフレ脱却と言っていいのではないか」と発言した(ロイター)。
 次に、自民党内でくすぶる「安倍4選論」についてである。甘利税調会長は上記の講演で、トランプ米大統領など強烈な個性の指導者とそれ以外をうまくつないで世界をまとめていける役割を安倍首相は期待されているとし、自民党総裁任期(21年9月まで)の延長は1つの選択肢としながらも、安倍首相本人は「職に恋々としていない」と評した(共同)。
 その首相が文藝春秋インタビューで述べたのは、「(総裁4選の可能性は)ありません。総裁任期は3選まで、と党の規約でも決まっています」「あと2年、全力で結果を出すことが私の使命だと思っています」という、4選論の全否定だった。
 時事通信が9月6日に配信した田崎氏執筆の政治コラム「〔政界・深層海流〕『安倍4選』は無理筋」 には、「安倍自身は任期延長を望んでいるのだろうか。高村(元自民党副総裁)は『積極的に4選を望んでいるように感じられない』と語っているが、私も安倍と話していて同じ感触だ」「権力者はその座に就くと、いつまでもやっていたいものだと言われている。しかし、安倍は今年に入り、私に『精神的にも肉体的にも消耗している』と語った」「安倍の在職期間は今年11月20日、歴代1位の桂太郎(2886日)を抜き、1885年12月の内閣制度発足以来、憲政史上最長となる。もう十分ではないか」という記述があった。
 政治家としてのライフワークである憲法改正問題がどのようになっているかに左右される部分もあるだろうが、「安倍4選」はないだろうと、筆者も予想している。となると、「ポスト安倍」は誰なのかが焦点になる。
 上記インタビューで首相は「まだ2年間もありますから、私としてはその後の話をするのは少し早いなという気もするのですが、今、(候補者とされる人々の)名前を聞いただけでも多士済々です。自民党は圧倒的に人材の宝庫だな、と改めて思います」「(こういうタイプのリーダーに引き継いでほしいと話すのは)それはまだ早いです。まだ2年ありますから」と述べるにとどめた。
 時事通信10月4日配信の田崎氏コラム「〔政界・深層海流〕人事で安倍後が見えた」によると、安倍首相・菅義偉官房長官の2人は9月11日の内閣改造・自民党役員人事で「『ポスト安倍』に誰がふさわしいかを思い描き、意中の人物を要職に就けた」という。
 「アベノミクス」を継承する政治家が、安倍首相からの支持(あるいは後継指名)を得た上で選ばれる可能性が現状高いと、筆者はみている。もっとも、自民党内の一部からは、来年11月の米大統領選挙でトランプ再選が実現した場合、日米関係を安定的なものに維持する上で安倍首相の存在は欠かせないので4選が望ましくなるとの見方が出ており、注意が必要である。

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コメント7件
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あん肝
何度も申し上げるようですが、DIで景況判断することにはあまり意味がないと思われます。定性的なサーベイは他人の意見やマスコミの報道に左右されることが多く、バンドワゴン効果が発生するからです。
それがピグマリオン効果によって実現する可能性もないわけではないですが、エコノミストとしては、定量的なデータを基点に分析を行うべきでしょう。
本題ですが、マイナポイントなどの特定企業や天下り団体の為の制度に対しては、個人的には断固反対です。
軽減税率含めて、こんな面倒な制度を設けるのであれば、一律消費税減税の方が余程経済効果も高いですし、租税三原則の「簡素」という要件を満たすのではないでしょうか。
※マイナンバーが浸透しない理由は、その利用価値が低いことですので、それに対応する政策を考慮すべきです。
それから、「アベノミクス」については1つ目の矢(金融政策)は兎も角、2つ目の矢(財政政策)・3つ目の矢(成長戦略??)については
放たれていない状況ですので、『「アベノミクス」を継承する政治家』という語感には違和感を感じます。
いずれにしても、まともな財政政策を施行していない以上、オリンピック前後で日本の経済状況が低迷するだろうということが予測されますので、その際に安倍政権を国民が支持しているのか疑問が残ります。
但し、野党を含めて財政政策の重要性を理解している(財務省に逆らうことができる)権力のある政治家がおりませんので、この状況は当面変わらない気もします。
可能性は低いですが、トランプ大統領の政策がまともに評価され、日本版トランプともいえる人が台頭すれば、状況もある程度変わってくるのではないかと期待したいところです。
2019/11/26 10:52:392返信いいね!

ダサイタマジジィ
平長
何故景気が良くならないのかを書かない経済記事は駄目です。
話は実に簡単で消費減税すればあっと言う間に景気は良くなります。
何故こう言えるのかはもう説明しません。
所謂高級官僚とか政治家とか経済評論家とか学者とかは〇〇しかいないのですか?
経済学とは何をする学問ですか?
基本中の基本を守らないやり方は余りにも不勉強です。

PS
IMFは日本に「消費税を20%にしなければいけない」と言っています。
あの組織がどういう組織なのかも考える必要があります。
2019/11/26 14:15:12返信いいね!

z
>>IMFは日本に「消費税を20%にしなければいけない」と言っています。あの組織がどういう組織なのかも考える必要があります。

IMFの副専務理事4名のうち、一名は1997年以来ずっと財務省出身者の指定席になっています。IMFが増税を薦めているというよりは、財務省がIMFに言わせていると思ったほうがいいでしょう。
サマーズ氏が米財務長官をやっているとき、消費税増税の先送りを決断した安倍首相に「判断を歓迎する」とわざわざコメントを出していますし、海外は基本的に「日本はいま緊縮やっちゃダメだろ…」ってスタンスだと思いますよ。
2019/11/26 15:54:361いいね!

ダサイタマジジィ
平長
zさん コメント有難う御座います。

そうですか、IMFにも間者がいますか・・・
あの省の官僚は算数すら出来ないようです。
日本に必要なのは税額であって税率ではないことくらい小学生でも解りますが彼等には理解できないと言うことです。
高橋洋一氏の話に依れば彼の省OBには退役後に一生黒塗りの車が手当てされる人達がいるそうです。

その1
新しい税を作って適用できた人
その2
税率を上げた人

因みに税収が増えても省内では評価されないとの由。
我が国は彼の省に依って滅ぼされる・・・
2019/11/26 17:17:57いいね!

ぱーばー
近所のスーパーはポイント2倍の日と5%OFFの日があります。5%OFFのほうがわずかにお得なので買い物はその日にしています。普段はそういうレベルで倹約しています。
マイナポイントが付いたとしても私は消費を増やせませんね。

アベノミクスとして日銀の金利引き下げが3回放たれたような気がしますが、預金金利がジョークのような数字になった以外は何も変わった感じがしないです。

安倍総裁4選は無いだろうけど、傀儡政権たてて院政を敷くのが一番有りそう。
(失脚しなければ、)総裁には就かないが総理大臣は続けると言う大穴も一応予想しておく。
2019/11/26 18:29:01返信いいね!

TS
電子エンジニア
輸出が11カ月連続前年割れ、製造業の月額給与総額も残業減で前年割れが続いており、製造業は芳しくありません。
今年の業績が来年の給与・賞与に反映されたら来年の製造業従事者の給与総額も更に下がる可能性が高く、そうなったら消費に影響するでしょう。
記事にある通り、オリンピックまでは外国人旅行客の消費が期待できますが、来年後半はその効果も剥げ落ちる。
オリンピック関連の工事で潤っている建設業も今年がピークと考えると、輸出が持ち直して製造業従事者が残業で稼ぐようにならない限り、来年後半の消費は相当厳しい。
米中の経済動向によりますが、来年前半までに輸出が回復しないようなら、好む好まざるにかかわらず財政出動で内需を下支えするしか選択肢が無くなると思います。
2019/11/26 21:03:30返信いいね!

大和武士
記事の前半はエコノミストとしての立場から述べているが、後半は一転、政治評論家になって安倍首相4選の話になっていることにやや違和感を感じる。景気向上策はどうすべきかが殆ど語られていないし、安倍が―と言いたいだけなのだろうか。
最近の氏の記事は政治色(批判?)が前面に出ているように感じる。別に悪いことではないが、最低限、エコノミストとしての高い見識を披歴して欲しい。
2019/11/26 22:16:541


海外住宅投資の節税認めず 政府・与党、富裕層課税強化へ

政府・与党は海外の不動産への投資を通じた節税をできないようにする方針だ。今は高額な海外物件への投資で出る赤字と国内の所得を合算して税負担を減らせるが、この合算を認めないこととする。海外の不動産への投資は富裕層に多い節税策で、ほかの納税者との間で公平でない仕組みと判断した。

高額な海外物件への投資は富裕層に多い節税策だ

与党の税制調査会で詳細を詰めたうえで、2020年度の税制改正大綱に所得税法の見直しを盛り込む。21年分以降の所得税に適用される見通しだ。

この節税は米国や英国などで高額な中古物件を購入し、家賃収入を上回る減価償却費などの赤字を発生させて日本での所得を圧縮するというものだ。20年度の税制改正では、海外の中古物件で生じた赤字はなかったものと扱い、日本国内での損益通算には使えないようにする。


節税の背景には、日本と欧米で中古住宅の平均寿命や利用可能年数の考え方が違うことがある。長い間使える中古物件でも、日本のルールに沿って計算すると使用可能年数が4〜9年になる。本来なら10年以上使える物件の価値を4年程度でゼロにする際、書類上は大きな赤字が発生する。

高額な物件を買うほど節税の恩恵が得られるため、富裕層を中心に利用されている。会計検査院が富裕層の多い東京都の麹町税務署管内などで調べたところ、海外の中古物件で延べ337人が39億8千万円超の赤字を計上していた。

検査院が「公平性を高める検討が必要」と指摘し、政府・与党で対応を議論してきた。この節税策は不動産会社などがセミナーを開いて勧誘することも多い。適用できなくなれば、高収入の個人や不動産を取り扱う企業に影響が広がりそうだ。
2019/11/26 18:00
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00122/00045/?P=4


 
ビジネス2019年11月26日 / 19:45 / 4時間前更新
量的緩和が必要になるとは考えていない=オーストラリア中銀総裁
Reuters Staff
1 分で読む

[シドニー 26日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)のロウ総裁は26日、量的緩和(QE)が必要になるとは考えていないとした上で、もし必要になった場合は、国債買い入れの形をとると述べた。

政策金利が0.25%に低下しない限り、QEは検討しないとも発言。QE導入に高いハードルを設定した。

総裁は、民間資産を買い入れる可能性を否定。マイナス金利についても「極めて可能性が低い」との考えを示した。RBAがオペを通じて追加の流動性を金融市場に供給する必要はないとの認識も示した。

総裁はエコノミストとの夕食会で「オーストラリアはQEを導入する段階に達していない。近い将来に達するとも予想していない」と発言。

「QEが社会の幸福に寄与する時が来るかもしれないが、現在はその時ではなく、そのような時が来るとは予想していない」と述べた。

RBAは6月以降、政策金利を3回引き下げ、過去最低の0.75%としているが、住宅価格の上昇以外、景気回復効果は限られている。

総裁は、金融政策の効果が出るまでには長いタイムラグがあると指摘。経済成長率が現在の10年ぶり低水準1.4%から3%前後に緩やかに回復するとの見通しを維持した。

ただ、RBAが完全雇用とインフレ率の中期目標を達成できない兆候が強まった場合はQEを検討するとも発言。

「現在の我々の考えでは、QEは政策金利が0.25%の時点で検討対象となる。だが、その前ではない」とし「もし──この『もし』という言葉を強調することが重要だ──RBAが量的緩和プログラムを導入する場合は、国債を購入する。流通市場で購入する」と述べた。

これにより、債券利回りが低下し、国内の他の多くの金利も低下するとみられ、海外の経験を踏まえれば通貨にも下落圧力がかかる見通しという。

政府が金融政策に過度に依存するといった副作用のリスクも併せて考える必要があるとも指摘した。

総裁は、債券買い入れ以外のQEが海外で効果を発揮したとは確信できないとも発言。「QEの一環で、民間資産の買い切りに踏み出す意欲は全くない」とし、市場に歪みをもたらすとの認識を示した。

豪経済は日欧経済よりはるかに良好で、マイナス金利の可能性も低いという。

また銀行は妥当な条件で資金を調達できており、RBAが市場オペを通じて金融システムに追加の資金を供給する必要はないとも発言した。
https://jp.reuters.com/article/australia-economy-rba-idJPKBN1Y0154


 

 
ビジネス2019年11月26日 / 19:50 / 4時間前更新
OECDの法人税改革、仏が最低税率12.5%を提案
Reuters Staff
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[パリ 26日 ロイター] - フランスのルメール経済・財務相は26日、経済協力開発機構(OECD)が進めている国際的な法人税制の改革について、12.5%を最低税率とすべきだとの認識を示した。

パリを本部とするOECDは、デジタル化時代の国際税制改革の一環として法人税の最低税率を設定する制度を提案する方針を示している。
https://jp.reuters.com/article/oecd-tax-france-idJPKBN1Y016H?il=0

インド市場は難しい」は本当か

繁田 奈歩
株式会社インフォブリッジ・ホールディングス・グループ 代表取締役
2019年11月26日
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 「インド市場の攻略は難しい」。そんな嘆きにも似た声をよく耳にする。中国や東南アジアなど他の新興国の市場に目を向けると、大企業のみならず中堅・中小企業から個人事業まで、様々なビジネスの成功事例が積み重なっているが、インドは違う。「スズキ(マルチ・スズキ)」に「ホンダの2輪事業」、そして「ユニ・チャーム」「ダイキン」など、名前が挙がるのは限られた大企業ばかりで成功事例は正直なところ少ない。「実はうまくいっている」という中小企業もなくはないのだが、彼らは自分たちの事業状況を積極的には開示したがらない。


スーパーマーケットではユニ・チャームのおむつが山積みに
 ではなぜインド市場は難しいのか。本題に入る前に、インドと日本企業との関係を改めて振り返ってみよう。商社は100年以上も前に拠点を構えており、1980年代にはスズキやホンダの2輪事業がいち早くインドに進出を始めた。だがその後の進出の動きは振るわなかった。2000年代前半に起きた、いわゆる「新興国ブーム」のときもインドに波は来なかった。日系企業は中国や東南アジア進出に忙しく、インドまで考える余裕はなかったのかもしれない。

 2000年代半ばになって、やっとインドにも「プチブーム」がやってきた。幾つかの大型投資が実行され、これを契機に日本企業の「インド詣で」が流行した。だが、世界金融危機が起こり、その後インド経済が停滞するとブームはあっという間にしぼんでいった。

一筋縄では勝てない
 「インドは難しい」。その見方は「プチブーム」期である2000年代後半から2010年にかけて実施された日系企業による多くの市場調査や視察の中で、ビジネスパーソンが漏らしてきた悲観的な言葉だ。

 ではなぜ「難しい」のか。当時、インドの税制は国内で統一されておらず、州ごとに異なっていた。さらに産業構造は非効率かつ家族経営が中心で、文化慣習も地域ごとに全く異なる。インドは日本人には容易に理解できない複雑な市場だった。中国では上海、北京、広州の3都市を足場に内陸に向かって攻めるという定石があったが、インドの場合は主要都市が広い国土に散らばっており、攻め手が見いだしにくいという特徴もあった。

 2014年にモディ首相が登場し、2017年に入ってようやく全国統一の税制である「GST」が導入されたことで状況は改善されたかに見えた。だがインド展開の難しさは依然として変わらない。個人的に最も厄介だと思う点は2点ある。1つは競合が既に巨大企業であること。そしてもう1つは価格圧力が極めて厳しい市場であるということだ。

 特に主要産業では、世界でもガリバーと呼ばれるような企業がひしめき、地場企業も力をつけてきている。こうした企業が培ってきた販売網やブランド力は強力で、新規参入組は一筋縄では勝てない状況だ。一方で新興勢力も次々と台頭しており、これもまた市場攻略の難易度を上げている。

 自動車産業でいえば、マルチ・スズキが50%近いシェアを握る巨人として君臨している。部品メーカーはいかに同社に自社製品を納入できるかどうかが鍵を握る。ただ輸入品では価格で太刀打ちできず、国内生産に踏み切ることがインド参入の前提ともいわれる。

 家電ではLG電子やサムスン電子など韓国勢に加え、中国の海爾集団(ハイアール)も攻勢をかけている。日用消費財では英蘭ユニリーバ、スイスのネスレ、米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)といったグローバル企業や、ITC(アイティーシー)、Parle(パルレ)、Godrej(ゴドレジ)、新興のPatanjali(パタンジャリ)など地場の巨人と対峙(たいじ)しなければならない。

 価格圧力についてはどうか。都市部では徐々にラグジュアリーな製品も売れるようになってはきているが、全体的に見ればインドは価格重視の市場といえる。ガリバーたちは広大な国土を背景にスケールメリットを最大限発揮させることで価格圧力をしのいでいる。もっとも、その圧力はあまりに強く、皆が価格競争に陥り、サプライヤーにも厳しいプレッシャーが及ぶ。結果、誰も幸せそうに見えないというのは一つの事実ではある。

 だからといって、価格を上げれば消費者はあっさりと安価な競合製品に流れてしまう。多くの日本企業はシェアを狙わず、付加価値の高い製品で粗利を確保したいと考える向きがある。ただ少なくともインドではその戦略はなかなか奏功しない。一製品当たりの粗利を落とし、数を稼ぐことで利益を確保するという薄利多売の考え方を受け入れる必要がある。 

次ページ市場の変革者、続々登場
市場の変革者、続々登場
 価格圧力に耐えられる体力のある企業や、既にここで緻密な販売網や調達網を作り上げている競合に伍(ご)して潤沢に資本を投下できる企業でなければ勝てない。それもまた事実だ。

 とはいえ、インドは新規参入するプレーヤーが変化を起こし得ない市場かというと、必ずしもそうとはいえない。新しいポジションを確保したインド新興企業は確かに存在する。彼らは最初から大企業だったわけではないし、最初からよいポジションにあったわけでもない。

 連載初回でもお話ししたように、インドの消費者は変化している。近年は特に価値観や意識の変化が著しい。これに対応し、新しい消費者にフィットする製品、サービスを開発できれば事業を拡大する余地が生まれる。

 変化を象徴するのが、インターネットとスマートフォン(スマホ)の世界で起きた価格破壊だ。2016年、リライアンス・ジオ・インフォコムという企業が新しい通信キャリアを興し、データ通信価格を従来の10分の1ほどに引き下げた。誰もが気軽にスマートフォンを持ち、データ通信を当たり前のように使える世界が訪れ、その結果、ネットを活用した新しいサービスが相次ぎ台頭、浸透していった。

 経済発展に伴ってミドルクラスが拡大していることも追い風だ。新しいスタイルの消費を始めようとする人々が数多くいる。広い国土と10億人を超える人口、そして多種多様な消費者を内包した国の消費に地殻変動が起きているわけだ。しかもインドは「課題のない産業はない」というくらい、解決すべき問題がいまだ山積している。既存産業に強いプレーヤーが多く存在していても、既存の商品、サービスがいくら強くても、その隙をついて競合の牙城を切り崩す方法はいくらでも見いだせるようになっている。

 テクノロジーを武器に市場を変えた事例は数ある。通信に価格破壊を起こしたリライアンス・ジオにネット通販のFlipkart(フリップカート)、オンラインスーパーを定着させたBig Basket(ビッグバスケット)、そして配車サービスのOla(オラ)といった企業はその代表だ。

 もっとも、市場に変化を起こして成功を収めたのはテクノロジーを前面に押し出した企業ばかりではない。

 例えば航空産業。かつてはAir India(エア・インディア)というナショナルフラッグと、今年に入って経営破綻してしまったJet Airways(ジェット・エアウェイズ)というフルキャリアが国内航空産業の2大勢力として君臨していた。そこに殴り込みをかけたのがIndiGo(インディゴ)という2006年創業の新興の格安航空会社(LCC)だ。5〜6年前まで「遅れることが当たり前、オンタイムで着くのは奇跡」といわれたインドの航空業界で定時運航を実現し、あっという間に顧客の信頼を勝ち取った。さらに今ではIndiGoのみならず、SpiceJet(スパイス・ジェット)やGoAir(ゴーエア)といったLCCがインド国内の航空産業で存在感を高めている。

 ビール業界も大きく変わった。かつてはKingfisher(キングフィッシャー)という飲料会社がインドの津々浦々に販路を開拓し、圧倒的なシェアを誇っていた。2015年、これにBira(ビラ)という新興企業が挑んだ。サルの絵をモチーフにした若者にフレンドリーなブランドを開発し、デリーやムンバイ、バンガロールといった大都市部で攻勢をかけた。「ビールといえばキングフィッシャー」というイメージを新興ブランドが覆していく。その動きを個人的に驚きをもって私は見た。彼らは足元でより広範囲な層にアプローチすべく大衆向けのストロングビールやフレーバービールなど、商品のラインアップを拡充して地方都市にも進出している。

サルのマークが目を引く新興ビールブランド「Bira」
 新しい市場を作り出すのに成功した企業も登場している。米国で働いていた夫婦がインドに戻って始めたWingreens(ウィングリーン)だ。彼らはハーブを育て、これを使った新しいディップのブランドを興した。ディップには様々なフレーバーがあるものの、インド定番のカレーフレーバーはほとんどない。ひよこ豆をすりつぶしたフムスとか、ギリシャ風に仕立てたカード(甘くないヨーグルト)のペーストなど、新しいフレーバーを展開。さらにディップをつけて食べるヘルシーチップスも提案したりして人気を博し、既に40都市に進出している。


Wingreensは「ディップを食べる」という新しいムーブメントを起こした
 ディップを食べる習慣がなかった消費者にその魅力を訴えるため、店頭でディップを作り、そのフレッシュな味わいを楽しんでもらうことで購入に結びつけ、徐々にディップを楽しむ習慣を定着させていった。パッケージフードにも進出し、最近ではハーブ類を使ったフレーバーマヨネーズやフレーバーティーなども開発している。

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「大視察時代」が残した教訓
 ここで特筆すべきなのは、こうした「うねり」を起こしているのは大企業ではなく、起業家たちであるということだ。2000年代初頭あるいは中ごろから、起業家たちはインドの市場が持つポテンシャルを信じ、変革に向けてこつこつと準備してきた。試行錯誤を繰り返し、最初は小さく、そして場合によってはピボット(企業としての軸を維持しつつ戦略を転換してチャンスを探ること)を繰り返しながら5年、10年かけて事業を拡大させてきたのだ。

 悔やまれるのは2008年前後、日系企業が相次ぎインドを訪れた「大視察時代」だ。日系企業もここで何がしかのチャレンジをしていれば成功したかもしれない。そう思える案件がたくさんあった。そんな案件ばかりだったと言ってもいい。しかも当時は「日本企業との面談」と言えばどんな産業でも喜んで時間をつくってくれた。一方、今インドではイノベーションが活発化し、事業展開のスピードは速まり、日本以外の国外企業も多く参入している。だから日系企業が面談を希望しても、インド側の反応は必ずしも芳しくない。

 悲観的な話ばかりではない。日本勢が存在感を発揮している領域もある。

 実はインドのスタートアップ、特にアーリーステージの起業家たちに資金を供給してきたのは日本の投資家たちだった。この動きは2008〜2010年から始まっている。2015年にシンガポールを拠点に立ち上げられた日系ベンチャーキャピタル(VC)、BEENEXTが出資するインドのスタートアップは既に60社を超えている。他にもインキュベイトファンド(東京・港)やリブライトパートナーズ(東京・千代田)などが積極的に新興企業を見いだして投資してきた。投資先の企業は着実に育っており、よい循環ができつつある。

 ソフトバンクグループの動きも目立つ。大型投資を繰り返すだけではなく、QRコード決済を手がけるPaytmのテクノロジーを日本市場に持ち込んで決済サービス「PayPay(ペイペイ)」に生かしたり、ホテルベンチャーのOYOに日本展開を促したりと、インドのテック企業に日本市場参入の道筋を作る役割を果たしている。

 インドのスタートアップ企業に投資する日印両政府肝煎りの「日印官民プロジェクト」もある。複数の投資信託を投資対象とするファンドオブファンズ(FoFs)で、スズキやみずほ銀行、日本生命保険、日本政策投資銀行といった大手が資金を拠出している。

 アーリーステージにあるインドのスタートアップに真っ先に資金を投入してきた日本のVC、インキュベイトファンドの本間真彦・代表パートナーは、私財を投じて日本の経営者などとアジアの起業家とをつなぐ招待制のイベント「Asia Leaders Summit」を毎年アジア各地で開催している。今年7月、このイベントがようやくインドでも開かれた。

 開催地はインド南部の都市バンガロール。テクノロジー企業が集積していることで知られる都市だ。ここに日本の経営者や投資家など約100人、インド側からは起業家を中心におよそ50人が集まった。日本からは楽天の北川拓也・常務執行役員やLINEの室山真一郎・執行役員、それにインドにいち早く注目し投資を開始したリブライトパートナーズのゼネラルパートナー、蛯原健氏などが登壇している。

 本間氏は「優秀な日本の経営者がよりグローバルに活躍できるよう、お互いのことを理解する場を作る」ためにイベントを主催してきたという。ちなみに今回、日本の参加者の多くは初めてインドを訪れたようだ。日系企業がインドで新しい一歩を踏み出すためにも、こうした場でインドの息吹や可能性を身近に感じてもらうことは重要だと思っている。

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遊記

経営者 兼 技術者

 私は、基本的に海外の市場と呼ばれているもの、インドならインドでいいですが、基本的にインド人の企業のものだと思っています。
 まだ途中の段階では海外企業が入り込むのはいいですが、最終的にはインド人企業によってその市場が成立するのが最も健全なありようだと考えてます。
2019/11/26 08:49:481返信いいね!


ダサイタマジジィ

平長

インドを語るのに核開発に依る経済制裁とカーストを言わなかったら片手落ちです。
もう少し歴史と文化を学びましょう。

2019/11/26 22:34:51返信いいね!

 

土井誠司

働くシニアの年金 収入多いと「没収」 


老後は年金をもらって悠々自適――。そんな生活はおじいちゃん、おばあちゃんの時代までかもしれない。20歳代の君たちがシニアになる頃は、働きながら年金をもらう人が今よりずっと増えるだろう。現在、国ではそんな働き続けるシニアの年金について議論している。「在職老齢年金」という制度だ。
1960年代に制度始まる
「年金」といっても、追加でもらえるわけではない。むしろ逆で、年金をもらう年齢になっても、働いて一定以上の収入がある人への支給を停止する仕組みだ。年金額が減ったりゼロになったりする。
余裕のあるシニアには年金を一部我慢してもらおうというのが制度の趣旨だが、払った保険料に見合う年金がもらえないのは不公平だし、「働く意欲を妨げる」という意見も根強い。
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対象は厚生年金に入って働くシニアの会社員らだ。昔、厚生年金は退職しないともらえなかったが、年を取るにつれて賃金が減り、それだけでは生活できない人が増えた。1960年代、在職中であっても一定額の年金をもらえるようにしたのが制度の始まりだ。
当初は対象が65歳以上だけだったが、60代前半にも広がった。これまで改正を繰り返しており、賃金水準にかかわらず一律2割カットの時期もあった。今は月収と年金の合計が基準額を上回ると、超過分の半分が支給停止になる。減るのは厚生年金部分(報酬比例部分)のみで基礎年金部分は対象外。停止された年金は「没収」で戻ってこない。

基準額引き上げには批判も
2019年度の基準額は65歳未満が月28万円、65歳以上が同47万円。65歳以上を例にとると、本来の年金額が月10万円の場合、月収が37万円を超えると年金の減額が始まる。月収57万円超だと年金は全額停止になり、1円ももらえない。
制度見直しの議論の中心は65歳以上だ。月47万円という基準額を引き上げ、シニアの就労意欲を高める狙いだ。議論の過程では基準額を62万円や51万円に上げる案も出たが、対象は賃金がかなり高い人たちに限られるため、「金持ち優遇」との批判の声も大きい。
基準額引き上げに慎重論が強いのは、君たち現役世代への配慮もあるからだ。基準額を大幅に上げたり、制度自体を廃止したりすれば、減額となる対象者が減り、年金支給額が大きく膨らむ。年金財政が悪化し、将来もらう人の年金額に悪影響が出かねない。
65歳未満も減額の仕組みは一緒。現在は基準額が低いので支給停止になりやすいが、基準額を65歳以上と同じにする案が有力だ。ただし、年金支給開始年齢の段階的な引き上げが終われば(男性25年、女性30年)、対象者はいなくなる。
半面、65歳以上の働くシニアは増えていくだろう。やがて君たちの親や自身の働き方にも影響するかもしれない。改正案は20年の通常国会に提出される見通しだ。
 
2019/11/26 
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00093/111500003/?P=4&mds


 

 

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