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IMFが緩和長期化の副作用言及、日銀は長期金利目標の年限短期化を
伊藤純夫
2019年11月25日 15:04 JST
金融政策は緩和スタンス維持を、物価目標レンジ化で政策に柔軟性
大手行の資本上積みや、規制の適用拡大なども求める
国際通貨基金(IMF)は25日に公表した日本経済に関する審査(対日4条協議)に関する声明で、イールドカーブのフラット化による金融機関収益や年金・保険の資金運用への悪影響に言及し、低金利の長期化による金融システム面への副作用対策として、長期金利目標の対象としている国債の年限短期化などを提言した。
声明では、日本経済の先行きについて「国内需要の緩やかな成長は外的環境の悪化によって損なわれつつあり、下振れリスクが増大してきている」と指摘。潜在成長率を高め、物価安定を実現するには「日銀の緩和的金融政策スタンスが維持されるべきだ」とする一方、「金融政策の持続可能性を高め、金融安定性リスク増大の緩和のために、金融政策と金融セクター政策のさらなる連携が図られるべきだ」としている。
その上で、緩和長期化が金融機関の収益性に与える影響を抑制するため、イールドカーブコントロールでの利回り0%の目標値の設定対象を「10年物国債から満期のより短い国債に変更し、国債のイールドカーブをスティープ化する」ことを提言した。
また、緩和的な金融環境の下で、金融面での脆弱(ぜいじゃく)性が高まってきていることを踏まえ、政府に対して、貸付損失が生じた場合に備え、大手銀行にその吸収のための資本上積みを求める仕組みであるカウンターシクリカル資本バッファーの引き上げや、国内基準行への適用などを求めている。
IMF声明における金融政策と金融セクター政策
物価上昇率の低さに貢献している構造要因を踏まえ、物価目標に合致したインフレ水準の再評価の実施。日銀は物価目標達成が中長期的なものであることを強調しつつ、インフレ目標を幅で提示し、政策の柔軟性を高めることを検討し得る
日銀は現在の「二つの柱」政策戦略を、インフレ予測ターゲティング(IFT)の採用によって強化することも検討できる
日銀の政策ガイダンスは、1)日本国債買い入れの量的ガイダンスをやめること、2)マネタリーベースからオーバーシュート型コミットメントを切り離すことで簡略化され得る
金融庁は強力なミクロプルーデンス監督・規制を通じ、銀行に対しリスク管理とリスク耐性の強化を促し続けるべきだ。手段としては、リスクプロファイルに照らした資本要件の個別設定、フォワードルッキングな形で貸倒引当金を積むことの奨励がある
地方銀行が収入源の多様化、ITとフィンテックの活用改善、再編により、健全性を確保できるように金融庁は促し続けるべきだ
金融庁は危機管理・破綻処理の枠組みを、例えば国内のシステム上重要な銀行(D−SIB)全行に総損失吸収力(TLAC)要件の適用範囲を拡大することで強化すべきだ
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-11-25/Q1I75ADWLU6801?srnd=cojp-v2
日銀国債買いオペに減額余地、保有減っても公約に反しない−ソシエテ
日高正裕、Chikako Mogi
2019年11月25日 8:11 JST
日本銀行は公約のマネタリーベース拡大の観点から、長期国債買い入れをこれ以上減らすことは困難になるとの見方に、ソシエテ・ジェネラル証券の会田卓司チーフエコノミストは否定的だ。
足元の日銀の国債買い入れペースは年間60兆円弱。2013年の異次元緩和開始後に大量購入した国債の償還が今後1年で約57兆円あるため、買い入れ減額により保有額が減少すれば、大半が日銀当座預金からなるマネタリーベースの拡大は困難となり、日銀の公約違反になるとの見方は根強い。
会田氏は、そうした見方は「日銀の国債保有残高の変化とマネタリーベースの変化が同じであるという間違いからくるものだ」と指摘。保有国債が償還されると、マネタリーベースに含まれない政府預金が減る。これを補うため財務省が発行する国庫短期証券を日銀が市場から買い取れば、日銀当座預金を維持できる。このため、日銀の国債買い入れ額が保有国債の償還額を大きく下回ってもマネタリーベースは減少しないと言う。
Monetary Expansion
Other buffers in assets to offset slowing growth of BOJ's JGB buying
the Bank of Japan
毎年3兆〜4兆円増加している銀行券や、約6兆円買い入れている指数連動型投資信託(ETF)、貸出支援基金の増加分もバッファーとなる。会田氏は「市場が考えるより、マネタリーベース拡大の公約を維持しながらでも、日銀の国債買い切りオペの減額余地は小さくなく、利回り曲線をスティープ(傾斜)化させることはできる」とみる。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-11-24/Q18W71DWX2PS01?srnd=cojp-v2
コラム2019年11月24日 / 07:50 / 11時間前更新
インド中銀、「影の銀行」を大胆処理 未踏の領域に
Una Galani
2 分で読む
[ムンバイ 21日 ロイター BREAKINGVIEWS] - インドの金融行政が未知の領域に踏み込みつつある。「影の銀行(シャドーバンキング)」の危機的状況に取り組んでいる中央銀行が、住宅金融大手デワン・ハウジング・ファイナンス(DHFL)(DWNH.NS)と同社が抱える約120億ドルの負債を破産裁判所送りにしたのだ。
企業統治上の問題などがあったにせよ、もともと一般事業会社向けに設計された手続きで金融機関を処理するのはかなり大胆だ。しかし、行き詰まりがかくも長期化する中で事態を打開するには、こうする以外になかったのかもしれない。
インドの不良債権は2000億ドルに達しており、中銀が大胆な動きを見せたことは喜ばしい兆しだ。
今回の取り組みは未踏の領域に踏み込むことでもある。インドには経営破綻した金融機関への対処に特化した枠組みがない。預金者の扱いを巡って反発を受けたことで政府は昨年、金融機関の破綻処理法案を撤回していた。
ただ、規制当局には新たな権限が与えられ、18日からの週に破産法の追加的な改正が行われたこともあいまって、経営に支障のある貸し手を処理する新手法が可能になっている。これにより、問題は解決に近づきつつある。
DHFLの案件は、インドの銀行業界が健全化に向かう取り組みで新たな節目と言える。政府が1年と少し前、ノンバンク大手のインフラストラクチャー・リーシング&ファイナンシャル・サービシズ(IL&FS)の支配権を握ったときは、これをきっかけにノンバンク業界で流動性のひっ迫が起きていた。インドの個人と法人の債務合計は昨年、ノンバンクの保有分が全体の約5分の1を占めた。
DHFLの破綻処理に問題も残っている。例えば、リテール部門の資産の一部は既に銀行に引き取られたあとだし、払い戻しが必要な預金顧客も抱える。
規制当局は最終的に破綻処理にゴーサインを出すだろう。しかし裁判所に持ち込まれるまでに4カ月もかかっており、手続きの進行はこれからもあらゆる局面で試練に見舞われだろう。
しかし、破綻したインド鉄鋼大手エッサール・スティールの処理手続きは、有担保債権者にとって満足のいくものだったとしても、時間が2年もかかった。
DHFLの破綻処理の場合は寛大な債権者対応よりもスピードが優先されかもしれない。
●背景となるニュース
*インド準備銀行(中央銀行)は20日、住宅金融大手デワン・ハウジング・ファイナンス(DHFL)の破綻処理手続きに入ると発表。
*中銀の発表によると、DHFLは企業統治に問題があり、複数の支払い義務を履行できなかったため、中銀が取締役会を引き継ぎ、管財人を指名した。
*DHFLは9月、銀行に破綻処理計画を提出して債務の株式転換を提案するとともに、資産の売却や資本の増強を目指していた。
*DHFLの負債は約120億ドル。10月に出された声明によると、債権者には銀行やミューチュアルファンドが含まれている。
(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)
https://jp.reuters.com/article/india-shadow-bank-breakingviews-idJPKBN1XW0EG
IMFが日本の19年実質成長率予想0.8%に引き下げ、対日審査で
占部絵美
2019年11月25日 15:30 JST 更新日時 2019年11月25日 16:45 JST
消費増税が景気を腰折れさせないよう景気刺激策の導入を提言
中長期的財政スタンスでは消費税率20%への段階的引き上げ必要
国際通貨基金(IMF)は25日、日本経済に関する審査(対日4条協議)終了後の声明で、2019年の実質国内総生産(GDP)成長率が0.8%になるとの予測を明らかにした。
IMFは声明が職員によるもので、必ずしも理事会の見解を示すものではないとしている。IMFが10月に発表した世界経済見通しで示した日本の19年実質成長率の予測は0.9%だった。
声明では日本経済は底堅いと評価する一方、世界経済の下振れリスクや少子高齢化など国内の構造問題を踏まえ、消費増税による財政引き締めが景気を腰折れさせないよう景気刺激策を導入するよう提言した。
また、19年10月の消費税率引き上げによる税収増は、平準化対策により相殺され、「19年の財政スタンスはおおむね中立的になる」と評価。一方、「現在検討されている景気刺激策を考慮しなければ、20−21年の財政スタンスは緊縮的なものとなる」との見方を示し、国内成長鈍化や海外下振れのリスクに対応するため、「21年も中立的な財政スタンスをとるべきだ」と指摘した。
IMFのゲオルギエワ専務理事は通訳を介した記者会見で、米中貿易摩擦や英国による欧州連合(EU)離脱交渉など世界経済に逆風が吹いており、世界同時減速に直面しているとしながらも、「日本経済は強靭(きょうじん)性を示しており、積極的に財政刺激策を打ち、推定通りの成長率を上げるもしくはそれを少し上回る成長を遂げることは可能」と指摘した。
安倍晋三首相は今月、自然災害からの復旧・復興や海外下振れリスク、東京五輪後の経済動向などを見据え、国内景気を下支えする経済対策の策定を指示した。自民党の二階俊博幹事長や世耕弘成参院幹事長は10兆円規模の補正予算が必要との見解を示している。IMFは短期的に実施し得る追加的財政政策として、消費増税対策の延長などを挙げた。
一方で、中長期的な財政スタンスについては、「高齢化に伴い社会保障費の増加を賄うためには、消費税率を2030年までに15%、50年までに20%に段階的に引き上げる必要がある」と従来の厳しい姿勢を維持した。政府の25年度の基礎的財政収支(PB)黒字化目標の信頼性を高めるために、現実性と具体性を兼ね備えた取り組みが必要だと指摘した。
IMF専務理事は、消費税について「公平で比較的実施しやすい」と指摘。持続可能な財政を達成するためには、「徐々に消費税を引き上げることが有用」とし、他国と比較した場合に日本は「もう少し消費税収に依存できる」との見方を示した。
(5、8段落目にIMF専務理事の発言を入れて更新しました)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-11-25/Q1GTK6DWRGG101?srnd=cojp-v2
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