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6年後、東京で看護師等が4万人不足…団塊世代が一斉に75歳以上に、対応困難
https://biz-journal.jp/2019/11/post_127469.html
2019.11.12 文=山田稔/ジャーナリスト Business Journal
「Getty Images」より
6年後の2025年、約800万人とされる団塊の世代(1947年から49年生まれ)が75歳以上の後期高齢者になる。国民の3人に1人が65歳に、6人に1人が75歳以上となる超高齢化社会が迫っている。
社会保障費の急増が懸念されるなか、厚労省が10月21日、看護職員の需給推計を発表した。それによると、看護師、准看護師、保健師、助産師が2025年には最少で約6万人、最大で約27万人不足する。厚労省の医療従事者の需給に関する検討会の資料で明らかにされたもので、推計にあたってはワーク・ライフ・バランス(勤務環境改善)の実現を前提に、残業時間と有給休暇取得日数に応じた3つのパターン、「(1)残業月10時間以内。年間有休取得5日以上」「(2)残業10時間以内。有休10日以上」「(3)残業ゼロ。有休20日以上」で試算した。その結果、需要推計(必要人員)は「(1)188万668人」「(2)189万7547人」「(3)201万9758人」となった。これに対して供給推計は174万6664人から181万9466人。需給はいずれのパターンでも約6万人から約27万人の不足となった。
超高齢化社会に突入し、医療看護を必要とする患者数が増えるのに、現場では大幅に人員が足りない。このままいくと、そんな切迫した状況になってしまう。
■都道府県間の格差
都道府県別の需給バランスを検証してみよう。3パターンのうち現実の勤務実態にもっとも近い(2)で比較してみると、もっとも深刻な不足状況に陥るのは神奈川県で3万2053人、充足率は72.60%しかなかった。充足率の低い都道府県10県は次の通り。人口が多い首都圏や大阪の不足が際立っている。
逆に充足率が高い県はどこか。上位10県をリストアップしてみた。北陸や西日本が多い。
充足率の高低で比べると、もっとも高い秋田県(119.6%)ともっとも低い神奈川県(72.6%)の格差はなんと47ポイントもある。看護職員が不足する大都市圏の住民は、十分な看護を受けられないのではないか。そんな心配がつきまとう数値だ。
■地域間の医師偏在も大きな課題
看護職員の不足に加え、懸念されるのが地方の医師不足、偏在問題である。従来は人口10万人当たりの医師数を判断材料としてきたが、厚労省はこれだけでは不十分として、地域の実態に即した新たな指標として「医師偏在指標」を策定した。単なる人口比ではなく医療ニーズや将来の人口変化、患者の流出入など「偏在に関わる5要素」を考慮したもので、今年2月に公表した。
全国の医師偏在指標は238.3。上位33.3%以上の「医師多数地域」は東京都など16都府県、下位33.3%未満の「医師少数地域」は岩手県など16県となっている。
上位は、東京都329.0、京都府314.9、福岡県300.5、沖縄県279.3、岡山県278.8。下位は岩手県169.3、新潟県169.8、青森県172.1、福島県177.4、埼玉県178.7。
東京都と岩手県の指標の差は159.7ある。下位の医師少数地域は東北や中部が目立つが、首都圏も例外ではない。埼玉県が43位、千葉県が37位となっている。埼玉県、千葉県と静岡県(医師偏在指標39位)の3県は、2025年看護職員不足の下位10県にも登場する。3県の住民は医療面での不安が懸念される。
超高齢化社会の進行とともに切実化する医療・福祉問題。医師や看護職員の勤務環境を改善しながら、同時に地域間の医師偏在の解消や、看護職員の絶対数の不足の解消を進めていかなければならない。2025年まであと6年しかない。迫りくる超高齢化社会の現実は厳しい。
(文=山田稔/ジャーナリスト)
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