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MMTは、従来の積極財政の別表現に過ぎぬのでは?
http://www.asyura2.com/19/hasan133/msg/474.html
投稿者 佐藤鴻全 日時 2019 年 10 月 25 日 17:11:44: ubCRqOmrnpU0Y jbKToY2DkVM
 

米国で論争となり日本でも中野剛志氏等が盛んに喧伝し話題となったMMT(現代貨幣理論)については、まだ決着は着いていない風情だ。
https://www.amazon.co.jp/dp/B07VKSVKRY/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1

その主張の要旨は、「日本や米国のように「通貨主権」を有する政府は、自国通貨建てで支出する能力に制約はなく、デフォルトを強いられるリスクもない。財政赤字や国債残高を気にするのは無意味である」という事のようだ。

従来の積極財政論とMMTを分かつのは、前者が経済成長を経ての財政改善を一応想定している事だろう。平成の田沼意次こと亀井静香氏ですらその点は押さえていた・・・否、亀井さんは少し怪しかった。十数年前に亀井氏応援のオフ会に参加した際、筆者が公共事業の次を語るべきでは? と水を向けたところ、合点の行かぬ表情をしたまま帰って行った。
http://www.asahi-net.or.jp/~EW7K-STU/syurinjinsinwoumase-kameisizuka-kakuseisezu-katteren-offkaisankaki.htm

亀井氏はともかく大方の積極財政論者は、景気回復を経ての財政改善を少なくとも建前としては一応想定しているだろう。

MMTはそれを想定していないが、積極財政に「ハイパーインフレにならない限りは」という条件が付く。

ここがパラドキシカルというかトリッキーな部分で、最大のキモだ。

MMTではハイパーインフレになりそうになったら、増税等をするとしているが、現実政治でそんなにタイミング良く増税可能なのかと議論になっている。しかし、もし増税出来てハイパーインフレを未然に防いだと仮定すると積極財政でなくなってしまう。つまり増税の伝家の宝刀を抜く寸止めの所の虚実皮膜の積極財政を行う事を想定しているのだろう。

結局、「ハイパーインフレにならない限りは」の条件をキープするためには、将来の財政改善を想定した政府中央銀行の信用維持が必要となるだろう。そうなるとMMTは従来の積極財政論(念のため亀井氏は除く)と同じ事の別の表現であるという結論に至ったが、如何なものだろうか?


佐藤総研 (独立系シンクタンク)http://blog.livedoor.jp/ksato123/  

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コメント
1. 中川隆[-10571] koaQ7Jey 2019年10月25日 18:16:36 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2298] 報告
日本みたいな大昔から供給過剰で、終戦後に工場も建物もすべて壊滅した状況下でも大したインフレにならなかった国は国債をいくら発行しても大したインフレにはならないのですね。

国民経済の五原則

◆国民経済において、最も重要なのは「需要を満たす供給能力」である。

◆国民経済において、貨幣は使っても消えない。誰かの支出は、誰かの所得である。

◆国民経済において、誰かの金融資産は必ず誰かの金融負債である。

◆国民経済において、誰かの黒字は必ず誰かの赤字である。

◆現代世界において、国家が発行する貨幣の裏づけは「供給能力」である。


もし日本がハイパーインフレで超円安になったら日本の輸出企業の一人勝ちで、欧米とアジアの生産業は壊滅しますからね

[18初期非表示理由]:担当:混乱したコメント多数により全部処理

2. 2019年10月25日 22:49:38 : jXbiWWJBCA : Rm5WWGpiTzAwU2c=[227] 報告

>MMTは、従来の積極財政の別表現に過ぎぬのでは?
>積極財政論とMMTを分かつのは、前者が経済成長を経ての財政改善を一応想定
>MMTではハイパーインフレになりそうになったら、増税等をするとしているが、現実政治でそんなにタイミング良く増税可能なのか


MMT自体は積極財政とは直接は関係ない

単に、適切なインフレ率になるように財政政策を調整し、

中央銀行は、独自の判断はせず、単にその従属機関として機能すれば良いという金融財政政策のこと


世間では、いろいろ見当違いの批判や憶測があふれているが

提唱者の主張をきちんと理解した方が良いだろう

ただ提唱者自身も、独自性を過剰に主張していて

実際は、それまでの政策と連続性が大きいのも事実ではある

http://econdays.net/?p=9227
L・ランダル・レイ「税は何のためか? MMTのアプローチ」
元記事はこちらデス

”WHAT ARE TAXES FOR? THE MMT APPROACH”
ttp://neweconomicperspectives.org/2014/05/taxes-mmt-approach.html

「税が貨幣を駆動する。」
貨幣に需要があるのは、課せされた税の支払い手段として自国政府の貨幣を用いることができるからだと以前説明した。独立国家は支出するための収入を必要としてはいないのだ。

このことは「政府支出のために納税している」と考えることに慣れ過ぎているとショッキングに聞こえる。通貨を発行していない地方や州政府の場合ならばその理解で正しい。また、自国通貨を持たない国、金や外貨にペッグさせている国の場合も正しい。金や外貨にペッグしている国の政府の場合は、需要に応じて通貨を金や外貨と交換するために、その分の金なり外貨なりが必要だ。政府が徴税すると通貨は循環から取り除かれるので、誰にせよ通貨を金や外貨に償還することそのものが困難になって行ってしまう。このため税収を得るためには賢明な支出が必要ということになる。

ところが、政府が金や外貨などとの交換を約束しない独自通貨を発行する場合(つまり政府が通貨の価値を「変動」させる変動相場制)は、私たちも税の役割について全く異なる方法で捉えていく必要がある。政府は支出を税で「まかなう」必要がなくなる。それどころか議論が逆になる。政府は、経済に通貨を支出(または貸出)しなければならないことになるのだ。支出することによって初めて納税者は通貨という形で税を納めることができるようになる。支出が先で徴税が後、というの順番になる。

この話を聞くとすぐ次のような質問をする人がいる。「それなら税を廃止すればいいのでは?」。税にはいくつかの理由がある。第一に(前回触れたように)通貨を「駆動する」のが税だからだ。もし税を廃止したら、たちまち人々は通貨を使わなくなるなるだろう。通貨を駆動する力の大部分が失われるだろう。

第二の理由として、税の存在が総需要を抑制する。今の米国を例にすると、政府支出がGDPの20%をいくらか超えていて、総税収はそれよりいくらか少なく、およそ17%だ。差の約3%は連邦政府の支出に由来するものだ。もし税を廃止すれば(そして他の条件が変わらなければ)、支出総計がGDPの20%増えることになる。それはとてつもなく総需要を増大させ、インフレーションを引き起こすだろう。

理想的には、税収が反景気循環的に動けば一番いい。景気拡張期に税収は増大し不況時には縮小する。こうであれば政府が経済に対して反景気循環的に貢献やすく、つまり総需要を安定させやすくなる。

さて前回これらの点を説明することになったのは、上の話を「占星術」になぞらえたダグ・ヘンウッド氏のバカなツイートがあったからだった。それに対し彼は恥ずかしげもなくこうつぶやいてた。

【訳者より・・・ここ図がうまくはいらないのであとで直します。元記事見ていただければ。】

ああ、違う。もし彼が言っているのが、富裕層が持つ普通預金口座の貸方に記帳されることを意味であるならば、なるほど多く持ちすぎている人々から「資源」を取り上げていると言うのは正しい。しかしその税が「持たざる人々に(資源を)与え」ているのではない。政府支出はただ、「持たざる」人に直接向けられ、彼らに資源を与えているのだ(普通預金口座に貸方記帳され、食糧や衣服やシェルターなどを買えるように)。

機能として上の二つの活動は完全に分離したものだ。もし金持ちやら誰かからの税が無かったとしても、政府は貧しい人を救う支出をすることができる。バランスシートを理解している人ならだれでもわかるだろう。このとき政府が税収を「支出」するようなバランスシート上の操作など、全く存在していないのだから。

ヘンウッドはこんな想像をしているのかな? 金持ちがコインでいっぱいの手押し車を押して財務省の階段から現金輸送トラック一杯に流し込み、トラックは貧し人たちへの支払いのため発車する。

実際はそうならない。税の支払いは納税者の口座の借方に記帳される。野球観戦に行ったことがあるならばわかるだろう。ボストンが一点取ると、記録係はニューヨークから点を取り上げたりはせず、ボストンに一点入るようなキーボード操作をする。ビデオ判定の結果審判のの誤審とわかったら彼はボストンの「口座の借方に記帳」する。その一点はどこへ?だって?

これは経済学者というより物理学者への質問だ。税の支払いはどこへ? どこでもない、銀行口座の借方に記帳されただけ。思うにそれは電荷がマイナスからプラスにチャージされるようなものだ。コメント欄の人が言うには「光子」とのことだ。私が知る限り、税は支出を「賄って」てはいないし、そんなことはあり得ない。

1940年代にFRBの議長を務めたニューディーラー、ビアーズリー・ラムルはこのことを認識していていた。彼は源泉徴収所得税の「父」でもあり、税の役割について二つの重要な論文を書いた(1946年の“Taxes for Revenue are Obsolete”と1964年の “Tax Policies for Prosperity”)。ではここでまず、政府は利益のための税は必要としてないという彼の当を得た議論を追い、その後で彼の税の役割についてのビューに戻ろう。

彼は1964年の文章の中で次のように強調している。「政府の財政政策は安定した貨幣と効率的な金融システムを維持しつつ、高い水準の生産的雇用および繁栄に貢献するべきであり、またそれは可能なのだという基本目的に沿ったものでなければならない。」

この見解はMMTが推奨しているものとそっくりだ。
彼が続けて書くには、第二次大戦後米国政府はこのゴールを目指すための能力を進歩させた。具体的にそれは次の二つだという。一つ目は「現代中央銀行」を創り出したこと、もうひとつが「金その他のコモディティに交換しない」政府貨幣の発行だ。この二つによって「我々の連邦政府は、政府の財政上の要請を満たす金融市場からの自由を得た….国民の国家として費用を賄うための手押し車を用意する必要が、もはやなくなったのだ」(同 pp. 267-8)

それでは何のために政府は課税するのか?彼は理由を四つ挙げる。(1)ドルの安定と購買力を確保する財政政策の道具として、(2)富と所得の分配という公共の政策を、所得および資産への累進課税という形で表明すること、(3)様々な企業や経済団体を有利または不利にする公共政策を表明すること、そして(4)高速道路や社会保障といった確実な国益の費用を定義し直接アクセスするため。(同 p. 268)

この一点目は、上で述べたインフレーションとの関係だ。二つ目の税の目的は、所得や富の分配を変えることだ。例えば累進税システムは富裕者の所得を減じ、困窮者の税を最小限にする。

第三の目的は、望ましくない行動を阻止することだ。大気や水質の汚染やタバコやアルコール。関税などを通じて輸出品の価格(輸入のコストを上げ国産品の購入を助ける)を上げること。これらはよく「罪悪」税と呼ばれる。喫煙、ギャンプル、贅沢品の購入などの「罪悪」のコストを引き上げることが目的というわけだ。

第四は、特定の公共サービスのコストを受益者に割り当てるためだ。例えば、国有の高速道路の使用料がその利用者の負担になるようにガソリンに課税するのは一般的なことだ(直接利用料金を取るのとは別のやり方になる)。

ここは注意してほしいのだが、多くの人はこれは政府支出を「賄う」ために税を集めることになっていると解釈してしまう。ラムルはそのような見方を激しく拒む。その文章のタイトルはこうなのだ。「収入のための税は時代遅れだ(“Taxes for Revenue are Obsolete”)」。

ハイウエイに「支払う」ためにガソリンに課税する必要は、もともと政府にはない。ガソリン税は高速道路の使用者が、道路道路建設への政府の援助をもう一度考えるよう設計されているのだ。政府はタバコ税から収益を得る必要はない。喫煙という「罪悪」を犯す人のコストを上げたいのだ。

喫煙がもたらす社会へのコスト(例えば肺ガン医療など)を喫煙者が「賄う」のが公平だ、という人は多い。ラムルの視点からするとそれは真実と遠くはない。タバコのコストを引き上げることで、より多くの人々の禁煙を確かなものとして、その結果、社会コストが下がることを期待する。

ここで大事なのは、その時収入が生み出されていないということだ。政府は病院を建設するための「お金を見つける」ことはいつでもできる。正確には、喫煙者の治療に使われることになる実質資源の「浪費」を減らしている。理想的なタバコ税は喫煙を除去するものであって、税収を増やすものなどではない。彼は言った。「この公共的な目的(税による)を、収益のための税というマスクでぼかしては絶対にいけない。」(1964 p. 268)

この「公共的な目的」という語を「税」の一語に置き換えることができるだろう。今回は触れるつもりはなかった論点だが、ラムルが悪税の代表例として法人税を挙げていることに言及しておきたい。彼は正しい。私の先生だったハイマン・ミンスキーはいつも法人税廃止論をぶっていた。先生がそのアイデアをラムルから得ていたとしても私は驚かない。

「リベラル」が好きな税はどれだろう。法人税だ。貧困者にシャワーのようにばらまく物資を「賄う」ために法人税を上げたがる。これは言い換えれば、倒錯した組み合わせなのだ。税の目的を誤解し続けているばかりか、最悪の税を抱き合わせている! 将来のブログのテーマに良いだろう?

ラムルは税は何のためかを理解すれば、税による総財政収入は正しい水準に収まるだろうと論じることで上記二つの文章を締めくくっている。「簡潔に言えば、税政策の背後にある思想はかくあるべきだ。通貨の安定を守るために十分な高さが必要だが… 以上の原則から当然導かれるように、私たちが十分と高いと考える雇用水準を満足する点より低くあるべきであるし、そうすることは可能なのだ。」

この原則はMMTが採用しているものの一つだが、一つ注意がある。ラムルは海外部門の収支は無視できるとして状況を考えた(終戦直後はこれでも不合理と言えない)。現代、世界には、非常に多くの貿易黒字をもつ国があれば、多くの貿易赤字を持つ国もあるので、この原則は改良されるべきだ。

よって私たちは次のように言い換えたい。税率は政府の収支が完全雇用を実現する水準(赤字か黒字か均衡かは無関係)に調整されるべきだ、と。米国(完全雇用水準では貿易赤字)のような国の場合では、完全雇用のためには財政赤字が必要だろう(貿易赤字と財政赤字の和が民間の黒字となる)。米国(完全雇用水準では貿易黒字)のような国の場合では、完全雇用の場合でそれよりは小さな財政赤字となるだろう(そこから貿易黒字を引いたものが民間部門の黒字となる)。

この話題は続けていこうと思う。

3. 2019年10月25日 22:59:17 : jXbiWWJBCA : Rm5WWGpiTzAwU2c=[228] 報告

さらに補足すれば、MMTは、高インフレ自体は別に恐れないから

インフレ目標自体は、完全雇用を達成するための一つの指標にしかならない

重要なのは完全雇用を達成することで、労働資源の活用を最適化すること

そして税制により、消費を最適化し、資源利用の効率化、環境・健康の改を重視する

よってハイパーインフレを恐れるのは完全に見当違いなのだが

多くの経済人や政治家は、理解していないし

意図的に、誤解を振りまく人々も多い

4. 2019年10月26日 19:19:50 : bLbVVSfKBo : Q0txSzNoeHg1TG8=[277] 報告
もっともに 見える論にも 落とし穴

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