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35歳からの転職で「やりたいこと探し」をしてはいけない理由
丸山貴宏:株式会社クライス・アンド・カンパニー代表取締役
キャリア・スキル 転職で幸せになる人、不幸になる人 丸山貴宏
2019.10.14 5:45
転職
35歳からの転職で「やりたいこと探し」を避けたほうがよい理由とは?
35歳以上の転職で
「イチから勉強します」はNG
新卒時の就職活動では、自己分析を行い、それに基づいてやりたいことを定めたり、応募先を決め志望動機を作成したりするといったアプローチがよく取られます。
その癖が身についているせいか、あまり自覚のないまま転職活動においても、新卒時の就活と同様のアプローチで行う人がいます。しかし第二新卒者は別として、転職者はすでにビジネスパーソンとしてさまざまな経験を積んでいるのですから、それらを生かすことを考えたほうがよいと思います。
ましてビジネス経験を積んだ30代半ば以降、とりわけ40代の転職活動ともなれば、自分のやりたいことを探しに行こう、その機会を与えてもらおうといった“就職的な感覚”で行わないほうがよいでしょう。そうではなく、自分の実力をいかんなく発揮するために新しい職場へ行くという感覚が必要で、転職先選びもこの視点で行うことが重要なのです。
ベテランのビジネスパーソンなら長年、業務に従事するなかで培った知識や人脈など、持っている「財産」がたくさんあるはずです(ない人は論外です)。それを有効に活用できる職場かどうか、という視点から転職先候補の企業をチェックするのです。
つまり、自分が築いたキャリア資産を「どの会社に持っていけば最も活性化できるのか」という発想で会社選びをするということです。35歳以上は、即戦力として期待されています。転職してからいろいろ新しく勉強をして、いままでできなかったことをできるようにするための時間はそれほどありません。
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35歳からの転職は「自分は何で役立てるか」で考える
もちろん勉強しなければいけないことが出てきたり、本人が積極的に学び直したいことがでてきたりすることもあると思いますが、それが仕事の100%になってしまっては、つらくなります。私見ですが、新たに勉強する、身につけることは35%くらいが上限で、残りの65%くらいは今までやってきたことがおのずと生きるくらいのバランスがちょうどよいと思います。
これまで蓄積してきたものを新しい職場に行って発揮することで周りに価値を提供しつつ、新たな環境ならではの学びや経験をキャリアに付け加えていく。35歳以上の転職はそのような形にする必要があると思います。
35歳からの転職成功のカギは
「自分は何で役立てるか」を考えること
これは単純に同じ業種、業界に転職せよという話ではありません。重要なのは、即戦力としてこれまでのキャリアの蓄積を生かす部分と、新たに学ぶ部分のバランスが適切になっていることです。
たとえば、パッケージソフト会社の事業部長をやっていた人がクラウドサービスの会社に転職し、前職で築いたネットワークを活用してどんどん受注を獲得する一方、マネジャーとして前職よりも大きな組織を動かす新たなチャレンジに取り組む、というように。
40歳を過ぎてからの転職でうまくいっている人を見ていると、このバランスがうまくとれている人が多いと感じます。
では、これまでの蓄積を生かせる仕事かどうかを判断するにはどうすればよいかといえば、転職先候補の会社を調べたり面接を受けたりするときに、「自分は何をやりたいか」というより、「自分の何をもってお役に立てるのか」という視点で見ていくことです。
もちろん、自分が強烈にやりたいことがあって転職を考えているなら、それができる会社や職場を探せばよいでしょう。しかし30代半ばを超え、強烈にやりたいことがあるわけではないのに「自分がやりたいことは何だろう」と考え続けているのなら、「自分は何で役に立てるだろうか」という発想に切り替えて、そこに集中したほうがよいと思います。
よい意味で、「諦める」ことも必要なのです。
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やりたいこと探しの呪縛を解く発想とは?
やりたいこと探しの呪縛を解く
「求められていることをやる」という発想
実は私自身、7〜8年くらい前まではいまの仕事が本当にやりたいことなのか、正直わかりませんでした。やりたいこと探しをしていたわけではないのですが、「本当に自分がやりたいと思うことをやらなければいけない」という考えにとらわれていたのかもしれません。
しかし日々、さまざまな業務に取り組む中で、関わった皆さんが喜んでくれたり感動してくれたりすることがたくさん起こるのは、転職やキャリアという分野においてでした。
ということは、限られた時間のなかで最も私が世の中のお役に立てることは、おそらく転職やキャリアに関する仕事である。何か猛烈にやりたいことや成し遂げたい目標がないのであれば、潔く自分が求められている仕事に集中しよう。そう思った瞬間からとても気が楽になり、仕事で喜んでもらえることも増えたという実感があります。
人間は自分がやったことに対する反応がないと、それを継続するのは難しいです。そうであるからには、自分が役に立てるのがわかっている仕事をやるのが賢明です。35歳以上、とくに40歳以上ともなれば多くの経験を積み、キャリア資産を築いているのですから、「やりたいこと」軸ではなく「役に立てる」軸で考えていったほうがいいのです。
(株式会社クライス・アンド・カンパニー代表取締役 丸山貴宏)
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丸山貴宏
https://diamond.jp/articles/-/217416?page=3
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