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日銀のマイナス金利深掘りが「再増税」リスクを高める理由
加藤 出:東短リサーチ代表取締役社長
政策・マーケット 金融市場異論百出
2019.10.17 4:10 会員限定
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金融市場異論百出
日本銀行の黒田東彦総裁の心中は次の一手を打つことに傾いているかもしれないが、難しいかじ取りを求められそうだ Photo:EPA=JIJI
「欧州と日本はブラックホール的な金融政策を実施している」
米ハーバード大学のローレンス・サマーズ教授は、英紙「フィナンシャル・タイムズ」への最近の寄稿で、欧州中央銀行(ECB)と日本銀行が実施しているマイナス金利政策の効果に対して、そう懐疑的な見解を示していた。
しかし、日銀幹部はマイナス金利の深掘りを含む追加の金融緩和の是非を、10月末の金融政策決定会合で検討すると強調している。黒田東彦総裁としては、次の一手を打ちたい心情なのではないか。
とはいえ、ここからの追加緩和はメリットよりも副作用が上回る可能性が高い。そのため「やるぞ、やるぞ」と言いながらも決定せずに引っ張り続ける戦術の方が効果的に思われるのだが、日銀は9月の決定会合を経て追加緩和に前のめりな姿勢を一段と強めてきた。
2016年1月にマイナス金利政策を決定したときは、あまりに唐突だったため、日銀は多方面から激しい批判を浴びた。同様のトラブルを避けようと日銀が早めに情報を発信してきた可能性はある。ただし、10月の決定会合での追加緩和が日銀内ですでに「ダン・ディール(取引成立)」になっているわけではなさそうだ。
日銀政策委員の最終的な判断は、米中貿易戦争やBrexit(英国の欧州連合〈EU〉離脱)が世界経済のダウンサイドリスクを高める恐れがあるか否かによるだろう。懸念が強ければ追加緩和となるが、10月中旬時点では米中交渉に明るい兆しが表れている。このまま進めば、米連邦準備制度理事会(FRB)が10月30日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを見送る確率が高まる。
かつ、Brexitも最悪のケースがひとまず回避されるなら、日銀が10月31日に政策の現状維持を選択する可能性も出てくる。今回は会合当日まで市場参加者が気をもむ展開になるかもしれない。
一方、仮に追加緩和を行うにしても打つ手は限られる。黒田総裁は超長期金利(20〜30年などの国債の金利)の過度な低下は避ける必要があると最近何度も説明している。それは保険会社や年金基金に打撃を与え、家計部門に強い不安をもたらす恐れがあるからだ。
となると、マイナス金利の大幅な引き下げは難しい。投資家たちに「サーチ・フォー・イールド」(少しでも良い利回りを求める行動)を促し、超長期金利に強い低下圧力を加えてしまうからだ。マイナス金利を先行き何度も引き下げる印象を日銀が醸し出すことも、同様の影響をもたらす恐れがある。
世界に目を向けると、マイナス金利政策が行われている欧州の多くの国では、金融機関は同政策による収益悪化を和らげるために、顧客(主に法人)の口座預金へマイナス金利を適用している。デンマークでは最近の法人向け新規預金金利が平均マイナス0.57%だ。
日本は金融機関同士の競争が激しく、そうはなっていない。だが、もし日銀が大幅にマイナス金利を引き下げれば、口座維持手数料などによる事実上のマイナス金利適用を模索し始めるかもしれない。
それは預金者にとっては“増税”のようなものだ。10月に消費税率が引き上げられたばかりの国民がそれに直面したら、消費マインドは一段と悪化してしまう。
このように考えると、日銀が10月の決定会合でマイナス金利を深掘りすることは適切ではなく、それでも行う場合は、せめて引き下げを0.1ポイント程度の小幅にとどめるべきだろう。
(東短リサーチ代表取締役社長 加藤 出)
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レポ金利急騰を抑制したFRB、米債投資ヘッジコストも低下へ
野地 慎:SMBC日興証券 チーフ為替・外債ストラテジスト
政策・マーケット 金利市場透視眼鏡
2019.10.17 4:00
FRB(米連邦準備制度理事会)が9月に2度目の利下げを行う中、米国の短期金融市場ではレポ取引(国債等を担保とする短期資金の取引)の金利が急騰した。
FRBがバランスシートを縮小してきた中、(銀行が連邦銀行に預ける)準備預金が不足がちになり、連邦政府による税金収納と国債発行に伴う資金決済が重なり、ドル不足が生じたことが金利上昇を招いたとされる。
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長らく超過準備(準備預金)が溢れるような金融政策を続けてきた当局が油断していた中で生じた金利急騰と見ることもできるが、FRBの反応は素早かった。
ニューヨーク連銀は連日巨額の資金供給を行い、またFRBのパウエル議長は準備預金の拡大を表明している。各期間のレポ金利は低下し始め、また、短期金融市場のドル逼迫の影響で上昇しやすいLIBOR(ロンドン銀行間取引金利)も低下し始めた。
今後、短期金融市場に安心感が広がれば、LIBORはOIS(リスクフリーレート)に対する上乗せ幅を縮め、さらに低下すると予想されるが、本邦投資家がドル資金を調達する際の金利(ヘッジコスト)は日米のLIBOR金利差を基に算出するため、本邦投資家の外債投資にも影響が及ぶと予想される。
日本銀行のマイナス金利政策が長期化する中、本邦投資家は外債投資を積極化させてきたが、2017年から18年にかけてのFRBの相次ぐ利上げでヘッジコストが上昇し、米国の債券については為替ヘッジ付きでは投資しづらい環境が続いてきた。
米国債に対し一定の利回りの上乗せがあるMBS(住宅ローン担保証券)であれば為替ヘッジ後でも利ザヤが確保できたため、一定の投資が続いていたが、その利ザヤもゼロに近づく中、フランス国債や日本の超長期国債への見直し買いが増え、全世界的な長期金利低下の一助となったとされている。
そのような中、FRBの利下げとそれに伴うドル短期金利(ヘッジコスト)低下によって資金の行き先が変化する可能性もあったのだが、上述のレポ金利急騰はその流れに水を差した格好ともいえる。
ただ、FRBの英断でヘッジコストは低下しつつある。足元では米銀がドル資金を出し渋る年末に差し掛かり、ドルのヘッジコスト低下は一筋縄ではいかないことがうかがえるが、今後のFRBの利下げの回数次第によっては、ヘッジコストがさらに低下する可能性は十分にありそうだ。
年末のドル資金逼迫期を乗り越えた来年の1月あたりには米国債と欧州債、日本国債のリターンを比較しながら運用先を選ぶような投資家も増える可能性が高いといえよう。
(SMBC日興証券チーフ為替・外債ストラテジスト 野地 慎)
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ビットコイン、8000ドル割れ−さらなる下落をテクニカル分析が示唆
Olga Kharif
2019年10月17日 8:58 JST
• 悪いニュースが続く中、ビットコインは6月以来の安値に逆戻り
• この節目を持続的に割り込めば約7311ドルを試す恐れ
仮想通貨ビットコインの見通しは良くない。
ビットコインは16日に8000ドルを割り込み、6月以来の安値に逆戻りした。悪いニュースが続いていることが他の仮想通貨にも重しとなっている。テクニカル指標は今回の8000ドル割れが重要であることを示唆しており、さらなる痛みにつながる可能性がある。
この節目を持続的に割り込めば、ビットコインは200日移動平均である約7311ドルを試す恐れがある。ビットコインの50日移動平均も100日移動平均も割り込んでおり、テクニカル分析での見通しが悪いことをさらに示唆している。
原題:
Bitcoin’s Latest Swoon Raises the Risk of Key Technical Breach(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-10-16/PZHP7XT0G1KW01?srnd=cojp-v2
ポンドが下落、離脱巡る楽観が後退−合意に障壁
Charlotte Ryan
2019年10月16日 17:48 JST
16日の外国為替市場で英ポンドが下落。欧州連合(EU)離脱を巡る合意が目前に迫っているとの楽観が後退した。英保守党政権を閣外協力で支えてきた北アイルランドのプロテスタント強硬派、民主統一党(DUP)が合意案に異を唱えた。
合意への期待からポンドは過去4営業日に2008年以来の大幅上昇を演じていた。交渉は15日夜に進展し16日に再開されると当局者が述べたが、英政府はDUPの反対のために悲観的になったと当局者が明らかにした。
トレーダーはポンドが2つの相反する方向で大幅に変動する可能性があるとみて、オプションの購入に動いている。ブルームバーグが調査したストラテジストによれば、EUと離脱合意を成立させ議会が承認すれば、ポンドは1.40ドルまで上昇するとみられる。一方、合意に失敗すれば英国経済は合意なき離脱の混乱に陥り、ポンドは1.11ドルに沈む可能性がある。
ポンドはロンドン時間午前9時までに0.6%安の1.2707ドルとなった。15日には約5カ月ぶり高値の1.28ドルに達していた。
原題:Pound Pulls Back From Rally as Brexit Negotiations Hit Hurdle(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-10-16/PZGKBH6S972801
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