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消費税「10%」で起こる消費者購買行動の“根本的変化”
https://biz-journal.jp/2019/10/post_122370.html
2019.10.09 解説=有馬賢治/立教大学経営学部教授、構成=武松佑季 Business Journal
「gettyimages」より
10月から消費税率が10%へと増税された。軽減税率やポイント還元策があるとはいえ、やはり消費者の“基本は10%”という意識はぬぐえない。
しかし、これまでも消費税率は3%→5%→8%と変遷しており、増税直後は一時的な消費の冷え込みが起こるが、しばらくするとそれも落ち着く傾向にある。今回もそうなるのかと思いきや、「これまでの消費増税とは決定的に異なる部分がある」と話すのは、立教大学経営学部教授でマーケティングが専門の有馬賢治氏だ。
■税率10%で衝動買いがこれまで以上に抑制される可能性も
「これまでとの消費税率の差は2%で、もちろんこれも大きいのですが、それ以上に消費者心理に影響を与えるのは、“消費税額の計算のしやすさ”です。1万円の買い物をすれば消費税が1000円と瞬時に計算できるのは当然のこととして、例えば1万5630円というように売価が細かくなっても、桁を変えればすぐに税額が1563円と計算できてしまいます。スーパーやコンビニエンス・ストアの買い物で食品などの軽減税率のものが含まれる場合は、これまでとの感覚に大きな変化は生じないと思いますが、デパートや専門店での買い物では、いつでも値札を見れば瞬時に税額が想起されることになります。すると、“購買前”に支払い税額を理由とした割高感を覚える消費者が増える可能性があります」(有馬氏)
単純に製品の価格だけなら納得できないこともないものの、そこに目に見える高額な税金が含まれると、どうにも釈然としないのが庶民の感覚。同じ1万円の買い物でも消費税が800円と1000円では桁が変わるだけに、より“損した気分”になってしまうだろう。さらに消費者の衝動買いも、これまでよりも少なくなると有馬氏は指摘する。
「買い物には事前に買いたいものを決めてから買い物に出かける“計画購買”と、外出先で気まぐれに任せて買い物をする“非計画購買”があります。店頭のタイムセールなどに釣られて衝動的に不要不急なものを買ってしまう“非計画購買”をすることは誰にでもあると思いますが、消費税率が10%だと衝動買いであっても支払う税額が頭に残りやすく、後で冷静になったときに『無駄使いをした』という後悔にこれまで以上に襲われやすくなるのではないでしょうか。こういった理由から、消費者はより慎重に買い物を考えるようになる可能性が高いと思います」(同)
■支出上限を意識する消費者にはキャッチーなだけの商品では太刀打ちできない時代へ
インターネットの普及で比較購買をする習慣が身についた消費者は多いが、有馬氏はこれに加えて「自分が支出できる範囲を意識して、上限を設定したうえで計画購買をする“総額上限設定型”という、云わば子供が月額のこづかいで出費をやりくりする感覚に近い金銭感覚が多くの消費者の習慣になるのでは」と分析する。つまり、消費者が買い物に出かける時には、常に支出可能な上限予算が意識される時代になるということだ。ということは、消費者の財布の紐はこれまで以上に堅くなるが、そんな“買い渋りの時代”に企業はどう対抗すべきなのだろうか。
「長期的に考えた場合、企業側は総支払額に対して割安感を訴える工夫をしないと、買い控えに太刀打ちできません。当面は企業側のプロモーションによって消費マインドの冷え込みを抑える努力をするかと思いますが、一定の期間を過ぎるとこういった“総額上限設定型”の購買習慣が定着した“賢い消費者”が増えて、販売に苦戦することが予想されます。そういう時代になると、小手先で魅力を訴えただけの商品では通用しないので、真に消費者の心をつかむ商品やサービスの提供と、魅力を伝えることを総合的に展開するマーケティングが必要になってくるでしょう」(同)
これまではとりあえずキャッチーでさえあれば買ってもらえた商品も、これからはそうはいかなくなる可能性も。今後は賢くなった消費者を「これなら買ってもいいだろう」と真に納得させなければならないのだから、増税は消費者だけでなく企業にとっても試練となりそうだ。
(解説=有馬賢治/立教大学経営学部教授、構成=武松佑季)
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