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衝撃!マンションは「築20年以内」に売らないと「大損」すると判明 半値以下になるし、売却費用も…
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/67441
2019.10.09 山下 和之 現代ビジネス
国土交通省によると、わが国の2018年末現在のマンションストックは654.7万戸で、ひところほどではないにしても、現在も全国で年間10万戸近く増え続けている。
市場に出てくる中古マンションも増えて、東日本不動産流通機構によると、2018年度の首都圏における在庫件数は4万7784戸で、年間の成約件数は3万7601戸に達している。
不動産経済研究所の調べでは、18年度の首都圏新築マンションの発売戸数は3万6641戸だったので、いまや新築マンションより中古マンションのほうが流通戸数は多いことになる。
マンションストックが増えて、年々竣工後の築年数が長い物件が増えているが、一部のヴィンテージマンションを除いて、建築後の経過年数が長くなるほど売却は難しくなる。特に竣工後20年を過ぎると格段に相場価格が下がり、売却するにしてもリフォームなどの売却費用が膨らんでしまう。
したがって、20年超の売却は不利になるので、新築マンション取得時には20年以内に買換えなどで売却するのか、20年後も住み続けて永住するのか、明確なライフプランを描いておくのが得策だ。
また、中古マンションを購入するという観点からみれば、多少価格は高くても、最新の新築マンション並みの基本性能を有する築浅物件を取得するか、反対に思い切って築深の物件を新築の半値以下で取得して、自分たちなりにリフォームして住むといった選択も考えられる。
これからのマンションの売却や取得は、こうした明確なライフプランを思い描いた上で実行しないと、後悔することになりかねないのだ。
まず「売れなく」なる
マンションストックが増えて、中古マンション市場に出てくる物件が増加、年々市場に出てくる物件の築年数は長くなっている。
図表1 首都圏中古マンションの平均築年数の推移 (単位:年)
資料:東日本不動産流通機構『築年数から見た首都圏の不動産流通市場』
図表1は首都圏の中古マンション市場に出てきた新規登録マンションと、成約マンションの平均築年数を折れ線グラフにしたものだ。
10年前の2008年には、新規登録が17.74年で、成約が16.43年だった。両者は1年程度の差しかなかったのだが、それが年々拡大、18年には新規登録が24.58年で、成約は21.00年と両者の差は3.58年に拡大している。
図表2 首都圏中古マンション成約物件と新規登録の築年数別構成比
資料:東日本不動産流通機構『築年数から見た首都圏の不動産流通市場』
また、図表2にあるように、新規登録と成約物件の築年数別の構成比をみても、新規登録は築21年以上の合計が6割近くに達しているのに対して、成約では築21年以上は4割強にとどまる。
市場にはどんどん築年数の長い、築深物件が増えているものの、やはり築年数の比較的短い築浅物件から成約している実態がうかがえる。
築20年を過ぎると人気が低下して、市場のなかでも取り残される可能性が高いといわざるを得ない。
そして「半値以下」に…
価格面でみても築20年を過ぎると格段に不利になる。
図表3 首都圏中古住宅の建築後経過年数別の成約価格 (単位:万円)
資料:東日本不動産流通機構『築年数から見た首都圏の不動産流通市場』
図表3にあるように、首都圏中古マンションの成約価格は、築5年以内の築浅段階では5411万円だが、築16年を過ぎると3000万円台に下がり、築21年では2528万円と、築浅段階の成約価格の半分以下に下がってしまう。
さらに、築30年を過ぎると、2100万円台まで低下する。築浅物件の2.5分の1まで安くなる。
それに対して、一戸建ては築浅時にはマンションより安いのだが、築年数による相場の下落率が小さく、築16〜20年でマンションとほぼ同じ水準になり、築21年以上だと一戸建てのほうが高くなる。
もちろん、都心の人気エリアの物件のなかには、一定の築年数を経ても分譲時価格からほとんど下がらず、むしろ上がる物件もある。いわゆる「ヴィンテージ・マンション」だ。
しかし、それはあくまでも例外で、通常は築20年を過ぎるとガクンと価格が下がる。マンションの売却を考えるなら、築20年までにというのはこうした事情による。
え、リフォームなどの売却費用も…!
築深物件になると価格が大幅に下がる上に、売りにくくなるため、売却のための時間やお金が余分にかかるようになる。
首都圏における中古マンションの成約までの日数は、東日本不動産流通機構によると18年度の平均で79.4日だが、築浅物件なら1か月以内で決着することが多いのに対して、築深になると3か月でも買い手がつかずに、売り値を下げたり、リフォームなどで見栄えよくしないと売れないといった事態が想定される。
図表4 中古マンションの建築後の経過年数別のリフォームの有無
資料:国土交通省『平成30年度住宅市場動向調査』
実際、国土交通省の調査によると、図表4にあるように、築5年以内の築浅物件では、「売主及び購入後のリフォームあり」と「売主によるリフォームのみ」の合計、つまり売主がかかわるリフォームの実施割合は17.4%だが、築21〜25年になると、その数字が66.6%に増加する。
一定のお金をかけてリフォームしないと買い手が付かないという現実が浮き彫りになっている。
イメージ低下
中古マンションは竣工後の経過年数が長くなるほど、居住性や対外的なイメージが低下するリスクも避けられない。
管理の行き届いたマンションであれば、販売時に綿密な長期修繕計画を立てて、日常の管理もシッカリと行われているはずだが、そうとばかりは限らない。
売却優先で長期修繕積立金を十分に確保せず、計画通りに大規模修繕などが実行できていないマンションも少なくない。そんな物件で、いくら自分が住む専有部だけ快適な状態を維持しても、外部からの評価は下がらざるを得ない。
賃貸化、空室化…
また、長年の間に所有者が転勤などで引っ越し、賃貸化する住戸が増えることも多い。
図表5 完成年次別の賃貸戸数割合の構成比
資料:国土交通省『平成30年度マンション総合調査』
図表5にあるように、1979年以前のマンションだと、居室の20%超が賃貸になっているマンションが31.6%と3割を超えているのが実態。1980年〜1989年の物件でも30.3%と高い割合だ。
賃貸居住者は所有者に比べて、自分の持ち物ではないため、住まいを大切にしようとする意識が低く、日常のマナーなどもオーナー居住者に比べて劣るケースが多いといわれる。
長期修繕計画に基づいて外壁などの共用部の補修が行われない上に、賃貸居住者が増えてくれば、マンションの管理が行き届かず、対外的なイメージが低下、それが評価額の値下がりに拍車をかけることになる。
さらに、経過年数が長くなると、空室が増える可能性も高い。
キチンと管理の行き届いたマンションならそうではないが、管理組合がシッカリしていないと、空室がそのまま放置されて、防犯・防災などの面での不安が生じることになる。
売らないならば「永住」へ
実際、図表6にあるように、築年数が長くなるほど空室があるマンションが多くなる。
図表6 完成年次別の空室戸数割合の構成比
資料:国土交通省『平成30年度マンション総合調査』
特に89年以前の完成のマンションだと、空室が20%超に達するマンションも2.3%〜4.4%存在する。
空室の増加は管理費の滞納や、管理組合の活動の停滞につながり、やはり長い目でみれば、資産価値の低下をもたらす。
以上のようにみてくると、売却するなら築20年までで、それ以上経過したら、いっそ永住する覚悟を持つ必要があるのかもしれない。
事実、国土交通省の調査では、図表7にあるように94年までに完成したマンションの所有者では、7割以上の人がいまのマンションへの永住を想定している。
図表7 完成年次別の永住指向割合 (単位:%)
資料:国土交通省『平成30年度マンション総合調査』
たとえば、80年代に30歳代で買ったとしても、いまや60歳代以上に達しているだけに、買換えや引っ越しはそう簡単なことではないだろう。
逆にマンションを買う立場であれば、居住性重視なら、最新の新築マンション並みの基本性能を有する築浅の物件に目を向けるのが現実的。ただし、その場合には中古といってもさほど安くはならないので、資金繰りには注意が必要だ。
一歩間違えると大変なことに
そうでなければ思い切って20年以上が経過した築深物件を、新築の半値以下で取得して、自分たちなりにリノベーションして、自分たちだけの住まいにしてしまう手もあるだろう。
とはいえ、築深物件には先に触れたように賃貸化、空室化や管理不全などのリスクがあることは間違いない。
当然、新築や築浅物件に比べて格段に慎重な姿勢が求められる。多少コストはかかっても、専門家による住宅の劣化状況、欠陥の有無などを診断するインスペクションを利用して、最低限の性能チェックなどが欠かせないのはもちろん、自分のライフプランの中で住宅をどう位置づけるか、明確な方針を決めた上でマイホームを購入することがますます重要になるだろう。
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