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(概要)
アメリカのある補習校の悲惨な状況について説明する。現在、この補習校は運営も教育も問題だらけで、多くの関係者が、(1)ブラック企業と化した運営状況や経理の不審、(2)理事会の形骸化と事務局による不正な人事、(3)いじめ問題の論外な対応、などの様々な不正を指摘してきた。
これらの問題は一部の私欲に執着する人達(事務総長と顧問弁護士、彼らと懇意な名誉理事などの一部の理事達)によって起こされており、同校では彼らによる脅迫行為などの様々なハラスメントが横行してきたという。例えば、顧問弁護士がいじめの被害者と保護者に脅迫や身体的ハラスメントを行うので、警察署に『犯罪』として受理されている。また、不審な経理についても『横領背任の可能性』が疑われている。
勿論、これらの状況は多くの教員や保護者や生徒に不利益をもたらしており、大事な海外教育に支障を来たしている。以下にこの詳細を説明する。
補習校(日本語補習授業校)とは、海外に在留する日本人の子供のために設置された在外教育施設の一つで、2015年4月15日の時点で世界に205校が設置されており、約2万人の生徒が学んでいる。生徒として駐在員の子弟も多く在籍している。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/clarinet/002/002.htm
この補習校は日本国から支援を受けており、文科省から校長と教頭が派遣されて、教科書も提供され、外務省を通じて経済支援も行われている。この支援額は2016年度の時点で約7710万円である。後述するが、この補習校では長年、経理がとても不審なのである。
なお、この補習校はカテゴリーではアメリカの私立学校である。ただ、何故かホームページには『文部科学省認定在外教育施設』と記載しているので、ミスリーディングである。以下は、元理事達や元教員達及び保護者達などからの情報である。
この補習校の悲劇は、2001年に新しく事務総長が就任した時から始まったと解される。
@パワハラと統制
2004年頃に教員の一人が辞職した。その教員は『理事会で予算を組むのではなく、事務総長が自ら予算を作成していること』に気がついて内部調査を試みたが、大きな圧力がかかり、胃潰瘍、次いでノイローゼになり、辞職に追い込まれたという事である。
その頃から、事務総長は様々な統制を広げて来たという。
例えば、同校には小等部2校と中高等部2校があるが、4校の合同審議会は教員達の意見交換の場として有効に機能していたのに、それを廃止させて教員同士の連絡や交流を断ったという。また、自分の意に反する教員達には圧力を加えることを繰り返し、審議会で重要な意見を言う教員達も、後述のように辞めさせられたという。生徒や保護者の立場に親身である教員達にも、校長と共に『守秘義務違反をした』などと口実をつけてパワハラを行ってきたという。
その一方で、一部の教員だけを優遇しており、問題を何度も起こしている教員を処分もせずに、逆に生徒指導などに就けて、理不尽な人事を繰り返して来たというのである。
A多くの教員を追い出す
2007年頃に、校長に反対意見を述べた教員が突然に辞めさせられる問題が起きた。この時の校長は事務総長と懇意であり、同時期に以下の問題も起きた。
1)同年に26名も教員が辞めさせられたというが、その大半は契約を更新されなかったという。中にはセクハラを受けて、自ら辞任に追い込まれた教員もいるという。
2)理科と社会の授業時間を半分に削減する一方で、逆に授業料は跳ね上がった。
これらの教員達は熱心で生徒思いな人ばかりであり、授業削減により教育の質の低下も明らかだったので、保護者達は非難轟々であった。彼らの契約継続のために署名運動が大規模に行われ、保護者の9割以上が再雇用の嘆願書を提出した校舎もあったという。
しかし、この教員達は2度と採用されなかった。中には、その後も教員募集は続けているので、3回も採用希望を出したが、事務局から毎回断られている教員もいるという。
しかも、事務総長はその後も当時の校長と懇意であり(派遣教員は任期3年である)、日本に帰国した校長の勤務する学校にて補習校の教員研修を継続させてきたので、公私混同だと問題になってきたというのである。
Bブラック企業の現状
教員達に現状を尋ねると、パートタイムの教員が大半であり、給料は極めて低額である。若い教員の給料はアイスクリーム店の高校生の時給と殆ど変わらず、年配の教員の時給も当初の契約に反して据え置きになっているという(これは違法の可能性が強い)。しかも、下調べや採点等で授業以外にも時間を要するのに、それらは換算されないという。
特に最近は教員数が減少しているので、教員達は少ない人数で多くの授業時間をこなす必要が有り、同校は『激務の割に低給で割に合わない』と評されている。
また、執行部の言論統制と不当な人事や差別、職場の荒んだ人間関係にも苦痛を訴えている。生徒の立場に立って意見を述べる教員には圧力をかけるので、教員達は次々に辞めてしまい、事務局と懇意の一部の教員が幅を利かせているという。
つまり、関係者の意見を総括すると、この補習校は見事な『ブラック企業』なのである。
C理事会機能の停止
理事会は全く形骸化しており、理事の大半は事務総長達の意のままに動いているという。理事達は自分の意見も言えずに、ただ事務局の用意した書類を承認するために署名しているだけの状況で、事実上、操り人形だという。
事務総長は自分の意見に迎合する人達に理事を依頼し、自分に反対意見を述べる理事を理事会から追い出してしまうという。理事には教育専門の人が殆どいないし、教育専門家が入るとひどい実態に嫌気が差して短期で辞めてしまうという。
最も問題なのは、事務総長だけに経理も人事も権限が集中しすぎていることである。その事態に陥った理由は、補習校の定款が事務総長だけに都合が良いように、変えられたせいである。
D定款の改悪
顧問弁護士は定款を次々と、事務総長だけに都合の良い内容に改悪を進めてきたという。以下の通りである。
1)事務総長は以前は補習校から給料をもらう職員なので、理事に就けなかった。しかし、10年程前に定款を変更し、その後は事務総長だけが職員なのに理事に就けるようになった。
2)他の理事達の任期は1年であり、毎年選挙を行い、3年以上は理事には就けない。ところが、事務総長だけは選挙もされずに、毎年自動的に無期限で理事に就ける。
3)事務総長は、理事会の中で特別な『役員会』のメンバーにも毎年就ける。この役員会は『人事委員会』を兼ねているので、事務総長は毎年、人事でも権限を持っている。
このために、事務総長を辞めさせるのが難しい状況であり、理事達は「余りにおかしい。こんな不公平な定款の変更が許されるはずがない!」と言い合っていたという(平等原則違反)。
その後、定款の改悪で不合理にも保護者会が理事会の下部組織として位置付けられたので、事務総長や顧問弁護士の操り人形となり保護者を不当に怒鳴りつける保護者会会長もいた。なお、同校では保護者会会長を務めた元理事(理事長と財務理事)が2名も、何らかのストレスか続けて突然死をしている。
(下)に、事務局の経理不審、いじめ問題のもみ消しと身体的ハラスメント、理事選の疑義の問題について説明する。
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