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日産、ゴーンを追放した西川社長“電撃解任”の真相…ルノー、経営統合へ圧力強化
https://biz-journal.jp/2019/09/post_118361.html
2019.09.11 文=河村靖史/ジャーナリスト Business Journal
日産、西川社長が辞任へ 役員報酬の不正受領で辞意(写真:つのだよしお/アフロ)
日産自動車の西川廣人兼社長CEOが9月16日付けで辞任することが決まった。役員人事を決める日産の指名委員会は、カルロス・ゴーン元会長の報酬過少申告や会社資産の私的流用などの不正に関する社内調査が終了し「一区切りついた」(木村康取締役会議長)ことを理由に挙げる。
しかし、実態は西川氏自身の報酬に関する不正が表沙汰になり、「このままトップの座にとどまり続けることは無理がある」と社外取締役らが判断、西川氏は即座の辞任を迫られた。正式な後任が決まっていないなかで辞任したことから、今後、後任をめぐって資本提携先のルノーやフランス政府が再びトップ人事に介入してくることを懸念する声が強まっている。
「6月末の定時株主総会で取締役として信任され、いろいろな節目があるが、そのなかでは1番早い節目かもしれない」
西川社長は9月9日に横浜市のグローバル本社での記者会見で淡々と語った。
西川社長は、ゴーン元会長が有価証券報告書に報酬を過少申告していたことや、将来性のある技術への投資を目的に設立した会社の資産をブラジルやレバノンで私的利用する住宅の購入費に充てるなど、私的流用を繰り返していたとして当局に告発。元会長と側近であるグレッグ・ケリー元取締役が逮捕・起訴された。ただ、西川社長が長年にわたって日産の経営に携わっており、ゴーン元会長が会社資産を私的流用するのを黙認してきたと指摘され、また仮に知らなかったとしても、日産トップとして経営責任を問う声は社員や株主の間で強かった。
日産はゴーン元会長時代の値引きに依存した販売戦略を修正した影響もあって、新車販売が低迷、業績が悪化している。西川社長は「経営を安定させ、成長軌道に乗せてから、後進にバトンタッチするのが私の使命」と述べ、早期の退陣を否定。新しい中期経営計画の策定を「区切り」にトップ交代する意向をにおわせていた。
■不正発覚
しかし、西川社長自身の不正が見つかる。西川社長は2013年5月にストック・アプリシエーション権(SAR)に基づいた報酬を受け取る期日(権利行使日)を設定し、報酬を受け取る権利を行使した。その後、日産の株価が上昇した。西川氏は行使日を1週間ほど後ろにずらして権利を再行使し、当初定められたよりも約4700万円多くの報酬を受け取っていたのだ。業績連動型の報酬制度であるSARでは、一定の期間中に株価が事前に決められた水準を上回ると、差額部分が現金で支払われる。
社内調査では、SARの不正はケリー被告が実行したもので、西川社長は不正な手法で報酬が増額された認識を持っておらず、ケリー被告に指示や依頼した証拠が見つからなかったとして、監査委員会は「責任を追及しない」との見解を示した。
しかし、西川社長がゴーン元会長の不正を見逃していた上に、自身も不正な報酬を受け取っていたことから社内の不満は高まり、求心力が急速に低下していった。これに危機感を持った社外取締役らは、西川氏をトップの座から引き降ろすことにした。
株主総会などで西川社長が「できるだけ早い段階でケジメを付けて、次の経営陣に引き継ぎたい」と述べていたことから、取締役会は早期に辞任する意向を持っていると勝手に解釈。西川社長に対して9月16日付けの辞任を受け入れるよう強く要請し、西川社長はこれを受け入れた。表向きは辞任だが、事実上、解任に近い。西川氏は代表執行役社長とCEOは辞任するが、取締役としては残る模様だ。
■次期社長選びにルノーの意向
西川氏の後任については山内康裕COO(最高執行責任者)がCEOを代行するが、今後、指名委員会が議論を急ぎ、10月末までに後任の選任を目指す。指名委員会では、日産関係者のほか、日産以外の人物、女性や外国人、さらにはルノー出身者も含めて、10人程度候補者を選定した。これから1カ月半かけてリーダーシップやアライアンスに関して深い理解があるなど、日産のトップに相応しい人を選ぶ予定。
この人選には、経営統合をもくろむルノー、フランス政府が関与を強めるのは必至と見られる。指名委員会ではルノーのジャンドミニク・スナール会長が委員を務めている。ルノーやフランス政府は、日産とのアライアンスの主導権を確保するため、ゴーン元会長の追放後、日産のCEOにルノーが指名する人を就任させることを迫った経緯がある。
また、スナール会長は日産が指名委員会等設置会社に移行する前、ルノーのティエリー・ボロレCEOを指名委員会委員に選任しなければ、定時株主総会で移行に反対すると脅し、日産に要求をのませた。このため、日産の次期トップも、ルノーが主導権を確保できて、経営統合に前向きな人物を選ぶよう働きかけると見られる。
ゴーン元会長らを追放し、アライアンスの微妙な関係を維持しながら独立した自動車メーカーとして一歩踏み出したはずだった新生・日産だが、経営体制の混乱で早くも前途多難な様相を呈しつつある。
(文=河村靖史/ジャーナリスト)
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