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神戸市の「タワマン建設規制」、こんな「副作用」が待ち受けている それは「衰退への道」かもしれない
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/66808
2019.08.28 加谷 珪一 現代ビジネス
このところ新築マンションの販売が低迷しているが、タワーマンションの人気は依然として根強く、今後も多くの物件が建設予定となっている。そのような中、神戸市が市の中心部におけるタワマン建設の規制に乗り出した。郊外ニュータウンの過疎化を防ぐことが目的だが、タワマン規制はバランスの取れた地域発展に寄与するのだろうか。
市の中心部ではタワマンが建設できない
神戸市は2019年6月、タワマン建設の抑制を目的とした条例改正案を市議会に提出。市議会は7月に改正案を可決し、2020年7月から規制がスタートすることになった。市の中心部であるJR三ノ宮駅周辺については、原則として住宅建設を禁止とし、山陽新幹線の新神戸駅からJR神戸駅までの区域については、住宅の容積率を400%以内に制限する。
地価が高いエリアで容積率が400%以下に制限されると、住居のみでは利益を出せないので、事実上、市の中心部ではタワマンが建設できなくなる。
神戸市〔PHOTO〕iStock
神戸市が中心部からのタワマン排除を決めた理由は、郊外ニュータウンの過疎化を防ぐためである。
同市の人口は2011年の154万人をピークにジワジワと減少が進んでおり、現在は約152万人となっている。だが神戸市中心部の人口は年々増加しており、周辺から中心部への人口集約化が著しい。このままでは、郊外ニュータウンの高齢化と過疎化がさらに進んでしまうことから、中心部のタワマン建設を抑制し、子育て世代のニュータウンへの移住を促すという。
これに加えて、市の中心部に住宅があると、商業施設やオフィスビルの集約化が困難になるとの意見があり、これもタワマン規制を後押ししたと考えられる。
都市の中心部に大量のタワマンが建設されると、生活インフラの整備が間に合わないといった問題が発生するため、規制を加えることには一定の合理性があるが、一方で、市場メカニズムを無視した規制であり、意味がないという批判の声もある。
確かに神戸市の場合、中心部のタワマンを規制することが、本当に郊外ニュータウンへの移住を促すのか、あるいはオフィスビルや商業施設の建設を促進させるのか微妙な部分がある。
このままでは大阪のベットタウンになる?
人口減少の動きは、全国一律に人が減るのではなく、地域拠点への人口集約が同時並行で進むという特徴がある。例えば神戸市の場合、神戸市の郊外から中心部に人が移動すると同時に、神戸から大阪への集約も進む。さらに日本全体で見れば、関西圏から首都圏へのシフトも同時並行で進んでいる。
つまり、神戸市の中心部にタワマンがたくさん建設されているということは、神戸市中心部が大阪のベッドタウンになっていることを意味しており、神戸単体として街が発展するという従来の枠組みが変化している可能性が高い。
つまり、市の中心部における商業地域としての機能がそもそも低下しているということであり、ここで単純にタワマンの建設を規制しても、同じ場所に大量のオフィスビルや商業施設が集約できるとは限らない。同様に、郊外のニュータウンに子育て世代が戻っていく保証もない。神戸市が大坂のベッドタウン化しているのであれば、その流れには無理に逆らわず、商業施設は大阪に任せてしまい、神戸はより多くの住民を集めた方がよいとの考え方もあるだろう。
この規制の是非については、相当な議論があったようだが、最終的にはオフィス誘致による就業人口の増加を優先させた形だ。
人口の減少と、利便性の高い場所への人口集約は各地域に共通する現象なので、今後、タワマン規制が政策的課題となる自治体は多そうである。
では、今後、中心部におけるタワマン建設は抑制した方がよいのだろうか。
この話は地域によって条件が異なるので、一概には言えないが、筆者は、過度なタワマン規制は実施しない方がよいと考えている。
逆に郊外のタワマン建設を加速させる可能性
最大の理由はやはり市場メカニズムである。人口減少とそれに伴う人口の集約化は、半ば自然の摂理であり、人為的にこの動きを食い止めるのは容易ではない。自然の流れに逆行した政策を遂行するためには、強いリーダーシップと住民のしっかりとしたコンセンサス、そして十分な財源が必要である。
リーダーシップとコンセンサスは住民の意思で何とかなるにしても、現時点における各自治体の財政状況では、人口の流れを逆転させるほどの開発や支援を継続するのは困難である。
神戸市では、郊外のニュータウンに移住する子育て世代の住民に対して補助金などの支援を実施するとしているが、今の子育て世代は、郊外のニュータウンが高齢化、過疎化していったプロセスをこの目で見ている。長期的に十分なフィジビリティ(実現可能性)のある計画を打ち出さないと、目先の支援金だけで彼等を説得するのは難しいだろう。仮に中心部のタワマン建設を抑制しても、その分、規制対象エリア外のタワマン建設が加速するリスクもある。
市場の流れには無理に逆らわず、都市部への集約化によって発生する諸問題について、順次、対処していく方が無理なく政策を継続できる可能性が高い。
一部からはタワマンの乱立はスラム化のリスクがあると指摘する声も出ているが、もしそうであるならば、なおさらタワマン建設は中心部に限定した方がよいだろう。
日本において大規模なタワマンを長期にわたって管理した事例はほとんどない。30年、50年と年月が経過したタワマンがどうなるのか正確に予想されているわけではなく、各デベロッパーも手探り状態と考えられる。一般論として、タワマンは低層マンションと比較すると修繕コストが高いので、積立金不足で管理が難しくなる物件が出てくる可能性はそれなりに高いはずだ。
だが管理不全でスラム化するというのは低層マンションでも発生する問題であり、必ずしもタワマンだけの話ではない。管理不全になるかどうかを分けるのは、たいていが立地要因であり、購入や賃貸の需要が途切れないエリアの物件であれば、管理体制が不備であっても何とかなるケースが多い。逆に言うと、立地が悪い物件の場合、当初の管理体制が良好でも、スラム化するリスクは高いということになる。
人口減少を前提にした都市計画が必要
中心部でのタワマン建設を規制した場合、立地の悪い郊外のタワマン建設を促進させてしまう可能性があり、管理不全という点では、こちらの方が圧倒的にリスクは高い。すべてのエリアでタワマンを一律に禁止するということであれば、それは一つの選択肢かもしれないが、あまり現実的ではないだろう。
これは、人口動態と都市計画に関する問題であり、タワマンの管理の難しさはまた別の話といってよい。こうしたテーマについて議論する際には、複数の要因を混同しないよう留意する必要がある。
中心部でのタワマン建設を規制した場合、立地の悪い郊外のタワマン建設を促進させてしまう可能性があり、管理不全という点では、こちらの方が圧倒的にリスクは高い。すべてのエリアでタワマンを一律に禁止するということであれば、それは一つの選択肢かもしれないが、あまり現実的ではないだろう。
これは、人口動態と都市計画に関する問題であり、タワマンの管理の難しさはまた別の話といってよい。こうしたテーマについて議論する際には、複数の要因を混同しないよう留意する必要がある。
『都市の中心部に大量のタワマンが建設されると、生活インフラの整備が間に合わないといった問題が発生するため、規制を加えることには一定の合理性があるが、一方で、市場メカニズムを無視した規制であり、意味がないという批判の声もある』@gendai_biz https://t.co/7RaC2c7h39 #現代ビジネス
— 町田メガネ@C97マルチと陳宮本 (@machidamegane) 2019年8月27日
神戸市の郊外は不便やで。
— ざわわ (@zawawaor) 2019年8月28日
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