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今年の日経平均株価、“歴史的法則”破りの動きか
https://biz-journal.jp/2019/08/post_112229.html
2019.08.01 文=島野清志/評論家 Business Journal
「gettyimages」より
株式市場ではアノマリーと呼ばれる、投資の参考に用いられるデータがある。辞書には「理論では説明できない株価の規則的現象」とあるが、要するに過去に高い確率で生じた、値動きのパターンと表せるのだろう。
「昔は、二日新甫は荒れると言ったものだが、今でも取引が1日から始まらない月は警戒する」
「景気後退局面に入ると年後半(7月以降)に大底を形成しやすく、そこが買い場になりやすい」
「週末安になる時は相場全般の地合いが悪いと考える」
60代から70代の個人投資家の方々から伺った話だが、経験豊富なシニア投資家でアノマリーを意識、活用する方々は結構おられるようだ。もっとも、「節分天井彼岸底」のように、よく知られていても近年はあまり当てはまらないものもあるので、鵜吞みにせずに、どのくらい的中したかを検証する必要はある。
その意味からも過去20年以上、当たっているアノマリーになると、そうあるものではなく、記憶しておいて損はあるまい。指標を調べていて、たまたま発見したのだが、これから紹介するものは、令和元年夏以降の東京株式市場の不穏な展開を示唆していることになる。
■始値と最安値
年間ベースで日経平均株価の四本値(始値、最高値、最安値、終値)を見ると過去24年間(1995年〜2018年)で、始値と最安値が一致したことは一度もない。通して見れば、大発会の終値を下に抜ける局面は必ず起こっていることになる。一年を通じて株式市場が右肩上がりで推移することが、いかに難しいかを示しているのだろう。
ところが今年は現在のところ、アノマリー破りの動きを維持しているのだ。2019年の6月末までの平均株価の最安値は1月4日の1万9561円であり、これがそのまま最安値になっている。
年間の平均株価の変動率からも、今年前半の特異性は際立っている。日本経済の低成長が定着した過去20年の、平均株価の年間変動率は始値と比較して高値、安値ともに平均16%になる。年を通じてみれば、年初の水準から、それぞれその程度上昇、下落しているわけだ。
しかし今年は高値のほうは14%上昇(2万2307円)しているのに対して、安値のほうはゼロということになる。アノマリー通りになるのならば、年末までに平均株価は2万円を割り込む局面がやってくることになる。
もっとも裏読みをすれば、そろそろ法則破りの年になるとも捉えられる。あるいは今年がそうなると考えて、腕を撫す投資家もいるかもしれない。競輪通としても知られた作家、故寺内大吉氏が唱えていた、死に目(しばらく出ていない目)をしぶとく狙う手法であろう。
なるほど時代を遡れば年間の平均株価の始値と最安値が、一致する年はそれなりにある。1950年代、1960年代、1970年代には、それぞれ3回、そして1980年代、1990年代に各1回と合わせて11回あった。確率はこちらも16%であり、そろそろ出現しても不思議はないようにも思える。
ただ過去に寄り安になった年の経済環境を照らし合わせると、再現を期待するのは無理があるようだ。現在とは市場を取り巻く環境があまりにも違うからだ。1980年代までは年率5%を超える高度経済成長の下、特に景況が良かった年に起こっている。最後に出現した1994年にしてもバブル景気の残り香が漂っていた時代だ。いずれの年も景気拡大(回復)局面の早い時期、景気が若い段階であったことも共通している。
国内では牛の涎のようなアベノミクス景気の終焉が指摘される上に、今秋には消費税の増税を控えている。国外では米中間の貿易戦争が進行、深刻化している。内外に懸念要因が山積するなかで、実体経済を敏感に反映する株式市場の代表的な指標が、パターンを覆すような動きをすることは考えづらい。
(文=島野清志/評論家)
【平均株価の年間始値と同最安値が一致した年の経済環境】
1951年・1952年(朝鮮戦争特需・戦後復興の本格化)/1958年・1960年(岩戸景気・経済成長率10%超)/1968年・1969年(いざなぎ景気・消費革命)/1972年(列島改造景気・インフレ進行)/1976年・1978年(設備投資ブーム・経済成長率5%台)/1988年(バブル景気・Qレシオ)/1994年(景気底打ち感・PKO相場)
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