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http://japanese.china.org.cn/jp/txt/2019-08/01/content_75055928.htm
日韓の対立、傍観者にもたらす啓発とは?
タグ:半導体 材料 貿易 協力
発信時間:2019-08-01 13:51:25 | チャイナネット |
7月上旬から現在に到る日本の対韓輸出規制期間に、韓国はほぼすべてのカードを切った。WTOに提訴し、米国に調停を依頼し、日本製品不買運動を起こすなどだが、どれも奏功していないようだ。日韓のいざこざについては論評を差し控えるが、『孫子の兵法』を熟読すれば上述した現象の理解も難しくない。
孫子の兵法には「少なければ則ち能く之を逃る。 若かざれば則ち能く之を避く。 故に、小敵の堅なるは大敵の擒なり」という一節がある。これは力の弱い軍隊が守勢一方であったり無理に攻撃を仕掛けることがあれば、強い敵の虜になるということだ。戦争とは科学であり、事実に基づき時勢を判断しなければならない。自分側の兵力が弱いのに守勢一方であったり無理に攻撃を仕掛けることがあれば、必ず敗北を喫するだろう。
韓国貿易協会のデータによると、日本は今年1億4100万ドルの材料、すなわち感光材(レジスト)、エッチングガス(フッ化水素)、 ディスプレイ用樹脂材料(フッ化ポリイミド)という3品目をカットしただけだ。韓国の昨年の392億ドルという半導体輸出額と比べると微々たるものだが、これらの材料がなければ生産できない。半導体産業は韓国の支柱産業だ。韓国の昨年の経済成長率は2.7%だったが、半導体がもたらす収益がなければ1.4%のみになる。日本企業はこの業務が失われても耐えられるかもしれないが、韓国は耐えられない。
韓国の過去20年間の半導体産業の逆襲は成功したかに見える。東芝などが端末機器や半導体の製造から撤退すると、お隣の韓国はこの流れに乗り内部メモリ産業を手にした。サムスンやSKハイニックスなどの企業がメモリ産業で台頭し、産業チェーンの川上を支配したハイテクのイメージを形成した。ところが韓国は半導体技術の「沈み込み帯」に位置している。「沈み込み帯」では自国の運命を賭け、この産業にすべてを注ぐ。半導体・ディスプレイ産業の「孤軍奮闘」により、韓国経済の発展が非常にいびつになった。
半導体の生産は主に設計・製造・クローズドテストの3つに分かれる。後2者では重要設備と材料が必要になる。これはチップの順調な生産を保証する川上の礎だ。日本の中心的な能力は川上の原材料とハード・設備にある。ハードルが非常に高い技術が多く、特に日本企業の多くの材料は代替がきかない。
米韓が日本を挟み撃ちするなか、日本の産業はモデルチェンジとアップグレードを迫られ、産業川上に移っていった。技術の壁を考えると、誰もが川上の方に移りたがるが、技術が十分な競争力を持つか、利益を維持できるかは難題だ。日本は川上の技術が先進的であり、多くの技術の蓄積を持っているため、川上に移り続けることは最善の選択だ。日本の戦略は孫子の兵法の「五なれば即ちこれを攻め、倍なれば即ちこれを分かち、敵すれば即ちよく闘う」でまとめることができる。今回の日韓貿易戦争は、「五なれば即ちこれを攻め」の具体的な実践だ。
それでは日韓両国の手法は、中国にどのような啓発をもたらすのだろうか。中国は大規模であることから、日韓両国の発展戦略を同時に受け入れられる。川上に進軍することもできれば、川下の末端消費や半導体製造を取り込むこともできる。当然ながら任正非氏(ファーウェイCEO)の次の言葉も参考になる。「当社の調達システムは、1社のみではなく世界の2−3社から同時に部品を輸入するという原則を貫いている。1社しかサプライヤーがなければ、予備として自社でも部品を作る。米政府が当社への部品販売を米国企業に認めれば、当社もこの部品を持っているとしても、米国企業から買う決意をしなければならない」(筆者・呂本富 中国科学院大学教授)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年8月1日
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