改革・開放経済の進展で、世界最大の自動車市場となった中国大陸。中国五千年の歴史の中でも、最も大きい力を持つことになった中華人民共和国政府。これまで中国の歴代王朝、政府で大きかったのは唐、清国だったが、地方やへき地は貧しいままだった。中華人民共和国になってからもそうだったが、今世紀に入ってからの経済成長は地方まで豊かにしている。この、地方まで豊かにしたことが、自動車普及の原動力である。 この巨大化した経済圏の中国に活路を求めた日米欧の自動車メーカーが1980年代から相次いで進出し、伸び悩む本国市場を尻目に膨大な投資を行ない、各メーカーは中国さまさまで何とかやっている状況である。 しかし今日、中国でも各自動車メーカー間で力の差がはっきりしてきており、日本勢とドイツ勢が有利になってきた。日本メーカーでもスズキのように撤退するメーカーが出ているが、彼らの製品は小型車が中心だ。つまり、豪華車を求める風潮が強いのである。 中国で強いドイツメーカーの中でもダイムラー・ベンツは特に強く、中国では多数が走っている。これを支えたのが、同社の主力株主であるドイツ銀行だ。ドイツは国を挙げて中国と言う巨大市場に大規模投資をしてきた。それが今日の彼らの成功をもたらせている。 このドイツ銀行の経営に赤信号が灯っている。うちは経済に詳しくないので伝え聞きしたことの丸写しになるが、デリバティブ損失5,500兆円を抱えているという。億円の間違いだと思ったが、あちこちの情報を照らし合わせても5.500兆円と書いてある。 デリバティブ破綻から始まる世界恐慌(ドイツ銀行、中国経済、リーマンショック) https://www.youtube.com/watch?v=AceK4rsz6hY うちは最近まで持てはやされた「中国経済崩壊論」には賛成しないが、巨大化した中国経済と言えども限界はある訳で、どこかで頭打ちになると見ている。その時に中国に巨大投資していた分が返ってくるのか疑問だ。ドイツ銀行の負債の多くが中国関連と言いますからね。 もしドイツ銀行が崩壊したら、傘下のダイムラー・ベンツ直撃は避けられない。うちはフランスのシトロエンの愛好家だが、そのシトロエンも巨大投資が祟って、第一次石油危機の煽りを喰らって1974年4月に倒産したのである。その後、同国内のプジョーの支配下に入るのである。その後、ダイムラー・ベンツ社は、高級車メルセデスが売れるようになっていったのである。 シトロエンの中型乗用車、DSおよびIDは、排気量は2ℓクラスだったが、独創的な技術を採用し、特別なプレステージがあった。このため、排気量は小さいものの、ヨーロッパの最高級車の地位を占めたのである。ちなみに高級車の地位を占めたのは、DSの中でも特別な内外装をしつらえたDS21パラスと、DS23パラスであった。 CITROEN DS 23 Pallas 1972展示車撮影! https://www.youtube.com/watch?v=lB4Bd3wz8Ck 1979 Mercedes-Benz W116 450SEL 6.9 for sale https://www.youtube.com/watch?v=XqtLGfbEd9k この頃から西欧の最高級車と言えばメルセデスになったのである。同社を支えるドイツ銀行の破綻は、ダイムラーにも致命的な打撃を与えるであろう。それでは、もうひとつの評論をお聞きください。 【須田慎一郎】ドイツ銀行破綻危機?欧州経済終焉近い?英国EU離脱はただのきっかけ?武田邦彦 2019年4月 https://www.youtube.com/watch?v=lB4Bd3wz8Ck ドイツ銀行の破綻は避けられない。それらはダイムラーの中国事業も直撃します。
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