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「70歳雇用義務付け」は日本企業の手足を縛って死なせる愚策
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190624-00000005-moneypost-bus_all
マネーポストWEB 6/24(月) 16:00配信 週刊ポスト2019年6月28日号
「70歳雇用義務付け」が日本企業を衰退させるカラクリとは(イラスト/井川泰年)
アベノミクスの成長戦略の司令塔とされる「未来投資会議」で、政府は「70歳までの就業機会の確保」を企業の努力義務にする方針を打ち出している。はたしてこれは日本企業にとってどのような影響を与えるものなのか。経営コンサルタントの大前研一氏が解説する。
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以前、アベノミクスの成長戦略の司令塔とされる「未来投資会議」を徹底批判したが、またしても耳を疑うような愚策が報じられた。政府が同会議で「70歳までの就業機会の確保」を企業の努力義務にする方針を打ち出したのである。
その内容は【1】定年廃止【2】70歳までの定年延長【3】継続雇用制度導入(子会社・関連会社での継続雇用を含む)【4】他企業(子会社・関連会社以外の企業)への再就職の実現【5】フリーランスで働くための資金提供【6】起業支援【7】社会貢献活動参加への資金提供―の七つの選択肢を設定し、どれを採用するかは労使で話し合う、というもの。厚生労働相の諮問機関・労働政策審議会の審議を経て、来年の通常国会での法案提出を目指す。
まさに重箱の隅をつつくマイクロ・マネージメントの典型である。なぜ、こんなバカげた議論をしているのか? 理由は明白だ。「人生100年時代」を迎え、年金受給開始年齢の70歳への引き上げが不可避だから(政府は年金支給開始年齢の引き上げは行なわないとしているが)それまで働かせようというのである。
だが世界の潮流を見ると、先進国の企業は固定的な社員を減らす方向に行っている。逆に、まさに“終身雇用”となるような社員を増やそうと考えている企業は寡聞にして知らない。
その代わりに拡大しているのが、ネットを介して不特定多数の人に業務を委託する「クラウドソーシング」だ。日本ではクラウドワークスやランサーズ、世界ではアップワークやフリーランサーなどがあり、システム開発、ライティング、翻訳、デザイン、写真といった専門分野別に大勢のワーカーが登録している。今や世界ではそれらの人々を活用するのが当たり前で、たとえばアップワークは、GAFA(Google, Amazon, Facebook, Apple)のような巨大IT企業のシステム設計まで請け負っている。
クラウドソーシングの利点は、社員よりも専門的な能力を磨いている「個人」が、その能力を従来の外注業者より大幅に早く安く、企業の必要に応じて提供してくれることだ。仕事の質や納期、コストなどに関する評価システムも出来上がっている。一方、社員の的確な能力査定ができている日本企業は少ない。それならクラウドソーシングが可能な業務はすべて委託し、社員をできるだけ減らしたほうがよいに決まっている。
クラウドソーシングには、個人が企業に搾取される懸念もある。それを防ぐための仕組みは必要だが、能力がある人材はおのずと報酬が上がっていく。逆に、一定の給料が保証された社員にしてしまうと、能力を磨くことを怠り、生産性やプロフェッショナルとしての忠誠心が落ちる可能性が高いという弊害がある。
いまやネット社会では、世界中から欲しいものを安く簡単に手に入れることができるようになっている。たとえば、ソーシャルショッピングサイトのバイマ(BUYMA)は、海外在住のパーソナルショッパー(購買代行者)から有名ブランド品を「現地価格+消費税+決済システム利用料(商品価格の5.4%)+送料」で購入できる。それと同じように、クラウドソーシングを活用すれば、企業の業務においてグローバル水準の最適な能力を利用することができるのだ。
そういう時代に完全に逆行して社員を固定化し、能力や成果に関係なく雇用させようとしているのが安倍政権だ。これは日本企業に「手足を縛って死ね」と言っているようなものであり、なぜそんなことをするのか、なぜ経済界が反発しないのか(面従腹背だろうが)、私には全く理解できない。
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