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プラスチックごみ問題で千載一遇のチャンスを得た意外な日本企業
https://diamond.jp/articles/-/204448
2019.6.4 ダイヤモンド編集部 新井美江子:記者
海洋プラスチック問題の解決で、日本勢は世界を牽引できるか Photo:Milos Bicanski/gettyimages
「完全にフェーズが変わった」(化学業界幹部)。ここ1年ほど、複数の業界をまたがって急激に押し寄せてきた、とある世界的ウェーブがある。アンチ・プラスチックの波だ。
プラスチックは人間の生活には欠かせない必需品だが、ごみ問題が重くのしかかっているのは否定できない事実だ。
一つは、ごみの受け入れ先の問題である。2017年末、中国は廃プラスチック(使用後に廃棄されたプラスチック製品や製造工程で出たプラスチックのカスなど)の洗浄水の垂れ流しが国内で問題視されたことを背景に、その輸入を禁止した。あまり知られていないが、中国は廃プラスチックの一大輸入国だっただけに打撃は大きく、日本でも動揺が広がった。
さらに、環境破壊が無視できなくなりつつある。死んでしまったウミガメの体内からプラスチックが検出されるなど、海洋プラスチックごみの具体的な“被害者”が明るみにされてきているのだ。
欧州など、海外ではすでに使い捨てプラスチックやレジ袋の規制が強化され始めているが、こうなると「それだけでは生ぬるい」とばかりに環境団体が黙っていない。いまや「(ペットボトルを使用している)大手飲料メーカーなどは、かなりの突き上げを食らっている」(化学メーカー幹部)状態だ。
むろん、プラスチック“創出”企業である化学メーカーも無傷ではいられない。ある化学メーカー首脳は、「自然界への排出削減など、何らかの対策費をコストに計上しておけなければならない局面にきている」と深刻な面持ちで語る。
ビッグネームが殺到する中堅化学の底力
ところが、だ。その逆風が吹いているはずの化学業界で、なんと千載一遇のチャンスを手にした企業がある。三菱ケミカルやカネカなどの、放っておけば土に還る「生分解性プラスチック」を製造できるメーカーだ。
特にカネカの鼻息は荒い。欧州での採用を増やしているのはもちろんのこと、今年4月には、セブン&アイ・ホールディングス(HD)と資生堂というビッグネームと、100%植物由来の生分解性プラスチック「カネカ生分解性ポリマーPHBH」を用いた製品の共同開発を立て続けに発表した。
セブン&アイ・HDとは、セブン-イレブンの大ヒット商品「セブンカフェ」のストローへの導入から始め、カトラリーやレジ袋への使用も検討する予定。資生堂とは、化粧品の容器、用具、包装資材、什器などでの展開を検討するという。
今後もカネカの共同開発先は広がりそうだ。例えば、ペットボトル容器の一部を生分解性プラスチックにする意向を持っているとされているコカ・コーラグループは、同社の最大の売り込み先となるだろう。
PHBHがにわかに注目を集めているのは、土中のみならず、海水中でも分解するとのお墨付きを欧州(ベルギー)の代表的な認証機関から取得しているからだ。
目下、近々の課題とされているのは海洋プラスチックの削減だが、実は海水中は土中より微生物の数が少なく、生分解性と銘打っている製品でも海水中では分解しないものが意外と多い。それだけにお墨付きを獲得しているカネカの製品は貴重だというわけだ。
「土に還るプラスチック」の普及を阻むハードル
さかのぼれば、生分解性プラスチックは2000年ごろから環境負荷を低減する新素材として話題にはなっていた。05年に愛知県で開催された「愛・地球博」のカトラリーにも採用されたくらいだ。
話題になるだけで終わってしまった最大の理由の一つはズバリ、価格だ。生分解性プラスチックは既存の汎用プラスチックに比べて高い。コーヒーショップのストローでいうと、10〜20倍にまで跳ね上がるといわれる。
カネカ関係者によれば、顧客は「企業のイメージダウンを避けるためには多少コストが掛かっても仕方がないという方向に考え方を変えている」というが、製造コストの削減努力は必須だ。PHBHでは、原材料の見直しや加工技術の向上、製造プロセスの改革などを推し進めていく必要がある。
中でも製造プロセスが改革できれば、工場の初期投資から減らせるようになる。現状、PHBHは年2万トンの生産能力を持つ工場を造ろうとすると100億円も掛かるというから、効果は絶大だ。
生分解性プラスチックは、そもそも加工が難しい上、生分解するだけに食品容器に使うと中身が長持ちしにくくなるなど、乗り越えなければならない壁は多い。
「20年越しの普及の夢」は、今度こそ現実のものとなるだろうか。
(ダイヤモンド編集部 新井美江子)
「なんと千載一遇のチャンスを手にした企業がある。三菱ケミカルやカネカなどの、放っておけば土に還る「生分解性プラスチック」を製造できるメーカーだ。」プラスチックごみ問題で千載一遇のチャンスを得た意外な日本企業 | Close-Up Enterprise | ダイヤモンド・オンライン https://t.co/KtkHlfxuxi
— マダム・ホー Grace Ho (@madamho) 2019年6月3日
なにかと話題のカネカ。これは頑張って欲しいですね。
— mone_recruit (@MoneRecruit) 2019年6月3日
プラスチックごみ問題で千載一遇のチャンスを得た意外な日本企業 https://t.co/eNlklQzFWE
生分解性プラスチックのコスト削減をどのように実現するかで今後のプラスチック業界の動きは変わってきそうですね。そして未だ技術上の問題があるため品質改良の技術開発も必要になってくるはず。ただ世界的にもアンチ... #NewsPicks https://t.co/edRpQ699GL
— Ryuichi Ishinuma (@ryuman_film) 2019年6月4日
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