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スルガ銀行、総融資の3割・1兆円で不正発覚…みずほ・りそなは救済拒否、新生銀行が提携の裏事情
https://biz-journal.jp/2019/05/post_27963.html
2019.05.20 文=編集部 Business Journal
スルガ銀行(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)
スルガ銀行のスポンサー探しに関して、4月13日付記事『スルガ銀行、5月の“Xデイ”が取り沙汰…単独生き残り困難、有力スポンサー候補に新生銀行』で報じたように、新生銀行がスルガ銀行の救済に動いた。
だが、業務提携はしたものの資本提携まで踏み込めていない。それは、スルガ銀行の創業家がネックとなっているとみられている。
新生銀行は、今や公的資金を返済できない唯一の銀行となった。前出記事で「新生銀行がスルガ銀行救済に手を挙げているのは、金融庁(遠藤俊英長官)に恩を売って、金融庁との関係を良くしたいとの思惑があるからだ。今や新生銀行は実質、ノンバンク状態。普通の銀行は新生銀行と組みたくない。その意味で、同様にノンバンク化したスルガ銀行なら親和性がある」(有力金融筋)との声を紹介した。こうした背景もあって、新生銀行がスルガ銀行の“受け皿”のダークホースとして急浮上してきたわけだ。
スルガ銀行は5月15日、新生銀行と、家電量販店・ノジマとの業務提携で基本合意したと正式に発表した。
新生銀行とは個人向けローンなどの分野で、ノジマとはクレジットカード事業や、金融とITを融合した「フィンテック」事業を共同で展開することを目指す。
ただ、新生銀行の資本参加(数パーセントと報じられていた)は、スルガ銀行創業家の持ち株の売却が価格面で折り合えなかったこともあって見送られた。スルガ銀行の現経営陣は、創業家から買い取った株式を業務提携先に割り当てるシナリオを描いており、金融庁も新生銀行の資本参加を視野に入れていた。発表前日まで金融庁を交えた協議が水面下で続けられたが、結局、合意に至らず、「今回はあくまで業務提携まで」(スルガ銀行の有國三知男社長)となった。
スルガ銀行の3月末の預金残高は、前年同期比22.5%減の3兆1656億円。今年1〜3月だけで預金残高が630億円減少、不正融資問題による顧客離れが依然として続いている。
神奈川県が地盤の家電量販店中堅のノジマは、スルガ銀行株を市場経由で4.98%(議決権ベース)を保有しており、追加取得もあり得るとしている。しかし、年商5000億円のノジマがスルガ銀行を丸飲みするのは無理がある。異業種の軍門に降ることをスルガ銀行が潔しとはしないだろう。
■りそなやみずほは出資等を拒否
ノジマは2017年、富士通の子会社だったインターネット接続サービス大手、ニフティの個人向け事業を買収するなど、事業の多角化に積極的だ。スルガ銀行の有國社長は「(ノジマとの提携について)今までになかった新しいことができるのではないか」と期待感を滲ませたが、ノジマがスルガ銀行の経営再建で果たす役割は限定的だろう。
SBIホールディングス(HD)の北尾吉孝社長は「我々ならスルガ銀行をうまくマネージメントできる」と意欲を燃やしていた。市場経由でスルガ銀行株を買う可能性をスルガ銀行側に伝えたと報じられた。SBIHD傘下のSBI証券が業務提携する可能性は残るが、広がりを見せてはいない。金融庁から見ればSBIグループは、スルガ銀行のスポンサーの本命・本筋ではない。
スルガ銀行は、りそなホールディングス(HD)とも業務提携を軸に交渉していたが、りそなHDは不正融資の拡大というリスクを考慮し、提携を見送った。シェアハウス以外に1.8兆円ある不動産関連の貸付債権の毀損度をどう見るかなど、受け皿候補となっている金融機関は慎重に審査せざるを得なかったということだ。
これまでの取材で明らかになったことがある。スルガ銀行は、りそな銀行と埼玉りそな銀行を傘下に持つ、りそなHDと最優先に交渉を続けてきた。だが、りそなHDは結局、火中の栗を拾わなかった。
一方、みずほ銀行を傘下に持つ、みずほフィフィナンシャルグループも、受け皿の有力候補と取り沙汰されたこともあって、「金融庁が非公式に、みずほに(引き受けを)打診した」(有力地銀の頭取)との情報が駆け巡った時期もあったが、これも幻となった。
銀行に20%以上出資する場合には、金融庁の認可が必要になる。
スルガ銀行の19年3月期決算は、971億円の純損失となった。前年の69億円の黒字から一転、17年ぶりの赤字となった。シェアハウス向け融資など貸し倒れに備えて2000億円超の引当金を積んだことが響いた。20年は105億円の黒字転換を見込むが、19年9月期(中間決算)の数字を見るまでは、達成できるか否か見通せない。
投資用不動産向け融資を5月下旬に再開するとしているが、不正行為を招いた営業ノルマを廃止し、審査体制を厳しくする。投資用不動産融資で地方銀行随一の高収益を誇ったスルガ銀行が、新しい事業モデルを見つけるのは容易ではない。
■不適切融資は1兆円超
スルガ銀行は、総額1.8兆円の投資用不動産向け融資の洗い直しを進めてきた。その結果を5月15日に発表した。5537億円(7813件)分については、借入希望者の預金通帳の改竄といった明らかな不正行為が見つかった。計75人の行員が不正の指示や不正の黙認に関与していた、と認定した。
調査の対象となったのは、シェアハウスや中古のマンション(1棟売りを含む)など約3万8000件。改竄や偽造など「不正の疑い」がある融資も864億円(1575件)判明した。
このほか、借り手が用意すべき自己資金(物件購入額の1割)を不動産業者が立て替え、自己資金を偽装したと疑われる案件が4300億円(4000件。資料改竄分との重複を除く)に達した。
これら3つの不正を合計すると、総額1兆700億円(計1万3000件超)となり、同行の総融資残高2.9兆円の3割超となった。有國社長は「これだけの件数の不正が検出されたことは、誠に申し訳ない」と陳謝したが、厳しいノルマや創業家におもねる行内の雰囲気やパワハラの横行が無謀な融資拡大に突っ走った原因と指摘されている。
スルガ銀行は銀行法で禁じられている無担保ローンの抱き合わせ販売が1372件あったことも、合わせて公表した。
(文=編集部)
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