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トランプ“中国排除”に盲従なら 日本の「5G」はお先真っ暗
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/253589
2019/05/10 日刊ゲンダイ 「イエス」しか言わない(C)ロイター 米中貿易摩擦をめぐって9日午後(日本時間10日早朝)、ワシントンで閣僚級協議が再開。物別れに終わり、米国は中国からの輸入品2000億ドル(約22兆円)分に対する追加関税を10%から25%に引き上げた。米国は中国政府が先端産業をアシストすることに目くじらを立てている。官民一体で成長してきた中国の技術力は米国がビビるほどスゴイということだ。中国企業なくして成り立たない産業も出始めた。日本がトランプ大統領の“中国排除”に盲従すれば、先端産業に乗り遅れる可能性だってある。 ◇ ◇ ◇ 中国の習近平国家主席は2015年、「中国製造2025」をブチ上げた。次世代情報技術や省エネ・新エネ自動車などのハイテク産業に5000億ドル(約55兆円)の資金枠を設けて、巨額の補助金をブチ込み、10年間で「世界の製造強国入り」を目指す構想だ。 米国は貿易交渉で、こうした補助金が市場を歪めているとしてしつこく追及。中国は今後、軌道修正せざるを得ない。もっとも、構想開始からすでに4年経ち、成果も見られる。5G(第5世代移動通信システム)分野では、中国通信機器最大手「ファーウェイ」が世界トップクラスに躍り出ている。半導体について、<5G用はより高度な技術が必要で、クアルコムとファーウェイが先行している>と日経新聞(4月25日付)が報じたほどだ。 「米国のクアルコムに技術力では及びませんが、ファーウェイは、そこそこのものを安価で提供してくれる。コストを考えれば、5Gシステム構築に重宝されるサプライヤーです」(ITジャーナリスト・井上トシユキ氏) トランプは「安全保障上の危険」を理由にファーウェイ製品を使わないよう同盟国に働きかけているが、ドイツや英国は、ファーウェイを排除しない方針を固めている。5Gにファーウェイが不可欠だと見ているからだ。 ■膨大な投資コスト、しわ寄せは消費者 一方、トランプの言いなりの日本は昨年12月、政府調達から事実上、ファーウェイ製品を排除する方針を決め、通信事業者はファーウェイ排除に動いている。国際ジャーナリストの春名幹男氏が言う。 「日本は5G関連の技術を自ら開発してこなかった。残念ながら海外勢に依存せざるを得ない。トランプ大統領の言いなりにファーウェイを排除すれば、5Gの投資コストは膨大になるでしょう。結局、消費者が大きな負担を強いられる。また、コストがネックで、5Gの普及が他国より遅れれば、自動運転、AI、IoTなどの先端分野でも出遅れることになります。お先真っ暗ですよ」 米国はいまだ、ファーウェイ製品の「安全保障上の危険」を証明していない。トランプに付き合わされて、高い次世代通信になりそうだ。
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