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雑感。米中貿易戦争で追加関税へ
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2019年05月10日 在野のアナリスト
3月の毎月勤労統計、実質賃金は前年同月比2.5%減、名目も1.9%減となりました。今年に入ってから右肩下がりであり、人手不足のはずが、まるで景気後退期のような急落ぶりです。昨年、ローテーション・サンプリング方式を採用し、賃金が急騰したことで統計不正がバレる、という失態を犯した毎月勤労統計ですが、これでは統計としてあまりに不正確で、使い物になりません。実労働時間も3.0%減であり、悲惨な状況といえるでしょう。むしろこれが日本経済の実態なら、リーマンショック級の状況ともいえます。 米中貿易戦争が激しさを増し、リスト3とされる製品への関税が10%から25%に上がりました。ただ今日発送分から、となるので米国の消費者物価に撥ね返るのは1ヶ月後です。ただ、その時までに決着できる見通しはありません。中国は行動には行動を、という外交であり、米国は成果がでないと制裁は解除しない、という。この方針の違いを埋める術は、現時点で何もないのです。それは政府の面子、国内事情があります。 共和党が多数を占める米上院で、トランプJr.氏への召喚状がでました。露疑惑の証言で偽証の疑いがでてきたためです。モラー特別検察官の報告書に関して、米下院が「議会侮辱罪」として非難し、報告書全文の公開を求めている。元検事らが報告書に関して「大統領でなければ訴追」と声明をだし、納税証明書の公開もトランプ氏は拒んでいる。トランプ氏の支持率が過去最高、という話もありますが、50%は上回っていない。トランプ氏にとって、成果をだせそうな外交で強行にならざるを得ない状況です。しかしその結果、イランと北朝鮮に対して強くでたことで双方から反発をうけ、両面作戦になることで軍事オプションは使いにくい。それを見越して北朝鮮がミサイル発射という、瀬戸際外交にふたたび転じた、ともいえます。 米中貿易戦争でも、世界が協力して中国に対して圧力をかけるべき、などと語る人もいますが、事情は大きく異なります。欧州は米国との貿易協議で圧力をうけ、対抗して制裁関税カードを使うなど、実は米国と協力できる状況ではありません。貿易制裁をしかけてくる米国に対して、欧中が協力関係を築くかもしれないのが実情です。制度面だけなら米国を中心に西側がまとまれても、そうでないのがトランプ氏の交渉術であり、協力関係は築けない。むしろ貿易戦争まで両面作戦を強いられているのが今の米国なのです。 それでも経済的には一人勝ち。それがトランプ氏を強気にしますが、貿易戦争でも、軍事オプションを行使しても、米経済を転換させかねない。関税引き上げの便乗値上げも目立ち始め、やはりインフレとの戦いが今後、米経済にとって深刻となるのかもしれません。露国のパイプラインに不純物が混入し、原油価格もどうなるか分からない。米国の要請に、サウジは増産を渋っているとも伝わります。原油高は米経済を痛撃する。シェールオイルの安定供給は見込めますが、原油高を始めとするインフレにどこまで購買力が追いつくのか? 米国のインフレとの戦いは、そこが焦点となってくることでしょう。 今日の株式市場は一時反発の兆しをみせましたが、右往左往しながらも、市場は当面下落相場に突入した、とみた方がいい。時おり、楽観の見通しなどで反発することもありますが、そうした売り方が一旦買戻し、という流れをたどりながら、行方を見守る形になるのでしょう。安倍政権からはまたしてもG20で解決の見通しを…など甘い発言もあるようですが、むしろ調整役として難しい立場に立たされており、貿易戦争の行司役にもなれない。米国の両面作戦の『両』にも入れてもらえていないのが現状であり、敵にすらなり得てないほど軽視されているのが、日本の現状です。株式市場も、今年に入ってからの上昇相場についていけず、負け組となりましたが、下げ相場でも負け組が鮮明になるのかもしれませんね。 |
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