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平均年収186万円、日本に930万人いる「アンダークラス」とは
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190423-00000004-moneypost-bus_all
マネーポストWEB 4/23(火) 16:00配信 女性セブン2019年5月2日号
平成に出現した「階級社会」の最底辺は「アンダークラス」
日本はアメリカ、中国に次ぐ世界3位の経済大国にもかかわらず、厚労省の調査によると、日本の「相対的貧困率」は15.7%。つまり、6人に1人が貧困にあえいでいる。貧困率とは、収入から税金や社会保険料などを引いた「可処分所得」が全国民の中央値の半分に満たない人の割合のこと。日本においては、245万円(2015年)の半分、つまり可処分所得が年間122万円未満しかない人は「相対的貧困」となる。
安倍晋三首相がいくら「全国津々浦々に景気回復の温かい風が吹き始めている」と熱弁しても、「戦後最長の景気拡大」と喧伝しても、平成の30年間を通じて、日本人は確実に貧しくなった。『アンダークラス』(ちくま新書)の著者で、社会学者の橋本健二さん(早稲田大学人間科学学術院教授)が指摘する。
「政府は『ゆるやかな景気回復』を強調しますが、賃金は下落傾向にあり、実質経済はほとんど成長していません。景気回復を実感している人が少ないのも当然です。富の分配でいうと、主に富裕層にいき、庶民にはほとんど回ってきていません。むしろ大多数の人々の生活は悪くなっているといえます」
これが、いわゆる「格差」である。1970年代の「一億総中流」社会は、平成初頭からほころびはじめ、1998年(平成10年)頃には「中流崩壊」が話題になった。2006年(平成18年)には「格差社会」が新語・流行語大賞にランクインすることになる。
「昭和までの日本社会は、『資本家階級』、『中間階級』、『労働者階級』の3つに分かれると考えられてきました。しかし平成に入ってから、労働者階級の中でも正規雇用の人々は所得が安定していたのに対し、非正規労働者だけが取り残され、底辺へと沈んでいきました。近年は、労働者階級の内部に巨大な裂け目ができ、極端に生活水準の低い非正規労働者の新しい下層階級=『アンダークラス』が誕生しているのです」(橋本さん)
非正規労働者のうち、家計を補助するために働くパート主婦、非常勤の役員や管理職などを除いた人たちを「アンダークラス」と呼ぶ。
「アンダークラスの数はおよそ930万人に上り、就業人口の14.9%を占め、社会の一大勢力になりつつあります。平均年収は186万円で、貧困率は38.7%と高く、特に女性の貧困率はほぼ50%に達しています」(橋本さん)
仕事の種類は販売店員、給仕係、レジ係・キャッシャー、介護員・ヘルパー、派遣の事務員、清掃員など、マニュアル職、販売職、サービス職に多い。平均労働時間はフルタイム労働者より1〜2割少ないだけで、アンダークラスの多くがフルタイム並みに働いている。にもかかわらず、「非正規」という理由で、所得が圧倒的に低いのだ。
日銀の調査によると、平成の半ばから「貯蓄ゼロ」世帯の割合が急激に増え、ほぼすべての世代で貯蓄ゼロの人が4割以上にのぼるという試算が話題になった。具体的に見ると、20代で61%、30代で40.4%。40代で45.9%、50代で43%と軒並み40%を超える。
超低収入に貯蓄ゼロ―─日本はかつてない“貧困国”に陥っている。
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