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人手不足倒産が従業員と日本経済にとって朗報である理由
https://diamond.jp/articles/-/200358
2019.4.19 塚崎公義:久留米大学商学部教授 ダイヤモンド・オンライン
人手不足倒産は増加傾向にありますが、必ずしも悪いことではありません(写真はイメージです) Photo:PIXTA
人手不足倒産が増加している。倒産した企業の経営者にとっては悲惨であり、同情を禁じ得ないが、これは従業員と日本経済にとっては好ましいことである。(久留米大学商学部教授 塚崎公義)
人手不足倒産は前年比で28.6%も増加
求人難、人件費高騰などの理由が著増
東京商工リサーチによると、2018年度の人手不足関連倒産は400件で、前年度比28.6%の増加であった。中でも筆者が注目しているのは、「後継者難」があまり増えずに「求人難」「人件費高騰」「従業員退職」が著しく増えていることである。
後継者難を人手不足倒産に分類すべきか否か、という問題はさておき、技術力等に問題がない企業が後継者難で倒産するのは、まことに残念であり、従業員と日本経済にとって大きなマイナスであるから、これは本稿の視野の外としたい。
一方の「求人難」等々の人手不足倒産については、経営者に同情を禁じ得ないし、筆者には経営者の無能を批判したり他人の不幸を喜んだりする意図は全くないが、実のところ従業員と日本経済にとっては好ましいことであり、労働者とマクロ経済の視点からは素直に喜びたい。
「労働力不足を素直に喜ぼう」
そう言える理由とは?
バブル崩壊後の長期低迷期、日本経済の諸問題の根源は「失業」だった。それが、少子高齢化とアベノミクスによって「労働力不足」に転じた。これは素晴らしいことだ。
企業経営者にとって労働力不足は困った問題だが、労働者にとっては失業の恐怖から解放され、賃上げも期待できるわけで、素晴らしいことだ。ブラック企業も「社員が簡単に転職できる」状態になれば、いやが応でもホワイト化を強いられることとなろう。
人手不足倒産は
日本経済を効率化する
労働力の需要と供給を一致させる労働力の価格(=賃金)が、「均衡価格」である。したがって、定義上、均衡価格の賃金を労働者に提示すれば、労働力不足は起きないはずである。以下では、これを「均衡賃金」と呼ぼう。
ところが実際には、労働力不足が起こっている。これは主に、企業が非効率で均衡賃金を払うことができないからだろう。均衡賃金を払えない非効率な企業の求人に労働者が応募せず、高い賃金の払える効率的な企業に労働者が応募するのは当然だ。
仮にそうした非効率な企業が倒産して、そこで働いていた労働者が高い賃金の払える効率的な企業に雇われたとすれば、それは日本のマクロ経済全体として良いことといえる。これによって、日本経済全体として見れば効率化が期待できる。
場合によっては、効率的な企業で高い賃金が払えるにもかかわらず、均衡賃金より低い賃金を均衡賃金だと錯覚している経営者もいるが、それは求人への応募が少ない時点で自分の誤りに気づくべきだ。
さらには、自社の給料が均衡賃金より低いと知りながら「情報弱者の労働者が応募してくれることを期待して労働者を募集していたが、応募がなくて倒産した」ケースもあるかもしれない。その場合には、経営者に同情する余地はない。
労働者にとって
人手不足倒産は悲惨ではない
一方の労働者はどうだろうか。一般的に言えば、労働者にとって勤務先の倒産は悲惨なことであるが、人手不足倒産の場合はそうではない。今までより給料の高い会社が雇ってくれる可能性が高いからである。
賃金が低いが故に労働者が集まらずに倒産する会社にも、現在働いている労働者がいるわけで、彼らは均衡賃金以下の賃金で働いているわけである。他にもっと良い仕事がある事に気づいていない場合も、会社への恩義を感じて転職を言い出せない場合もあるだろうが。
彼らは、勤務先が倒産してはじめて「自分の勤務先は給料が低かった」と気づくかもしれないし、「自分の給料が他社より低いと知っていたが、社長に申し訳なくて辞表が出せなかった」場合、遠慮なく転職できるようになる。
いずれにしても、労働者にとっては、人手不足倒産は悲惨なことではなく、むしろ自分の労働環境を改善できる可能性も高いのである。
過当競争が沈静化し、
適度に利益を稼げる効果も
日本企業は、過当競争体質だといわれている。そこで、効率的に良い製品を作っているにもかかわらず、ライバルとの値引き合戦の激しさから利益が上がらず、高い賃金が払えず、労働力不足に悩んでいる企業も多い。
そうした企業が人手不足で倒産してしまうのは、個々の企業の立場に立てば大変に残念なことに違いない。しかし、ここは心を鬼にして、日本経済全体としては、過当競争が和らぎ、生き残った企業が「製品の価値に見合った価格で製品が売れるようになる」と、プラスに評価したいところである。
生き残った企業が適正な価格で製品を販売し、適度に利益を稼ぎ、均衡賃金で必要な労働力を確保するのは、日本経済にとっても労働者にとっても望ましい。そのために犠牲になった企業は悲惨であるが、ここはマクロ経済の視点に立って素直に喜ぶこととしたい。
倒産より合併等が
好ましいことは当然
人手不足倒産が従業員とマクロ経済の視点からは望ましいと記してきたが、倒産するよりは、他社に営業譲渡したり他社と合併したりする方が一層望ましいに違いない。
倒産すれば、製造ノウハウや顧客リスト等々が雲散霧消してしまい、まだ使える設備機械が二束三文でスクラップ業者に買いたたかれてしまう可能性もあるからだ。
ぜひ、そうならないように、企業経営者におかれては、早めの合併交渉などをお願いしたい。もっとも、実際には「もしかしたら単独で生き残れるかもしれない」という希望を早めに捨てるのは難しいだろうが。
救いなのは、人手不足倒産の件数が数百件であり、数百万社ある中小企業のごく一部にとどまっていることである。おそらくは、合併や営業譲渡といった解決策が模索されている例が多いのだろう。
これは面白いですね
— ろと (@basssnow) 2019年4月19日
未だに退職するやつは負けだとか転職するのが恥だとか言ってる会社や上司がいたら終わってますね
海外ではもうずっと前からキャリアアップの為の転職は当たり前なのに
そういう風土がもっと広がって欲しいですね
経営側も危機感持つべきですhttps://t.co/hQadu4ZhsA
物事はここまで単純ではない。
— M.Su (@Thunder_dev4) 2019年4月19日
有効求人倍率は従業員数が5000人以上の企業は1倍以下の買い手、1000未満が売り手市場になっていて賃金の格差の関係はこの記事ほど効果はない。
個々の企業でも正規雇用と非正規雇用では差があり働き方改革が浸透してないので上がる保証もない。 https://t.co/CNKIR3XEld
自分が安全地帯にいる人って平気で酷い事書ける。失業した労働者がすぐに再就職できる訳でもないし、日本の労働市場はそんなに柔軟に賃金が上がる訳でも雇用を増やす訳でもない。現実的でない話で朗報とはこれ如何に。
— AK (@alisha_attic) 2019年4月19日
人手不足倒産が従業員と日本経済にとって朗報である理由 https://t.co/ooSHdNJDlT
経営者団体の言うことを重んじる社会はいつまで続くのか。
— 赤と黒 ⚽️Stendhal (@lerougeetleno1r) 2019年4月19日
どんどん合併、経営権譲渡が進んでいくべし。
自分だけ儲けようという考えの起業家ばかりが増えていいはずがない。
人手不足倒産が従業員と日本経済にとって朗報である理由 https://t.co/DlqGRDx2gQ
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