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管理職ゼロ、売上目標なし、経費使い放題でも増収を続ける会社の秘密
https://diamond.jp/articles/-/199584
2019.4.12 ダイヤモンド編集部 林 恭子
ソフトウェア開発会社ソニックガーデンの東京オフィス。オフィスは東京にしかないが、社員は16都道府県にまたがっている Photo:DOL
「いまちょっと話せる?」
「大丈夫です」
「お昼行ってきます」
「私もお昼行ってきます」
同じ職場の同僚とのこんな些細な会話もメールやチャットツールで行うようになり、“無口な職場”を嘆く声も多い。しかし、同じ職場の同僚と離れて働いていたら、チャットツールを介する会話も重要なコミュニケーションになるはずだ。
ソフトウエア開発会社のソニックガーデンは、社員数が36名(2018年2月時点)ながら、北は北海道から南は大分まで、社員は16都道府県にまたがる。海外を旅しながら働く社員もいる。
しかし、オフィスがあるのは東京だけ。社員の多くは自宅などを“職場”にして仕事をしている。そこで、冒頭のような会話の多くをオンライン上にある“バーチャルオフィス”で行ってコミュニケーションを図っているのだ。
実は、ソニックガーデンにはオフィス以外にもあらゆるものが「ない」。売り上げ目標なし、管理職はおらず、評価制度もない。その一方で、経費は使い放題、休暇は取り放題と、とにかく「管理ゼロ」。それでも会社の業績は創業以来、増収し続けているという。なぜ、こんな管理ゼロの状態で売り上げを伸ばす会社が実現できたのだろうか。
社内ベンチャーが1年間赤字に
「半ばやけくそで管理をやめた(笑)」
「以前、私も大企業に勤めていたときは部下を管理したり、評価したりしていました」
こう振り返るのは、ソニックガーデンの倉貫義人社長だ。倉貫社長は、以前勤めていた大企業で社内ベンチャーを立ち上げた経験がある。
当初は、初めての経営に意気込んで事業計画を作り、計画通りに進めようと部下に指示・命令し続けていた。しかし、頑張ってもなかなか成果につながらない。1年ほど赤字が続き、「このやり方ではうまくいかないのではないか」と気づいたのが、今の「管理ゼロ」に至るきっかけだった。
ソニックガーデン・倉貫義人社長 Photo:DOL
「やりたいことをやろうと始めたはずなのに、ちっとも楽しくない。辛いなと思って、半ばやけくそに管理を外していったらうまくいったんです(笑)」(倉貫社長)
前職の社内ベンチャーもソニックガーデンも、再現性のないクリエイティブな仕事がメイン。つまり、昨日と今日で異なる仕事が求められる中で、「部下を管理するより、社員それぞれが自律して、最も彼らに合った仕事の仕方をさせたほうが生産性や成果が上がる。結果として、管理をやめて成果を上げることだけに集中しよう」(倉貫社長)という結論に至った。
「管理しない」とはすなわち、セルフマネジメントができること。「社員全員が管理職」の状態になることだ。自分でどんな仕事をするか、どれくらいリソースを使うか、どう仕事を進めるか、すべて社員が自分で考えることができれば、管理ゼロの組織は作れる。
しかし、社員にセルフマネジメント能力がないまま、やみくもに管理ゼロの状態を作っても、組織は崩壊するだけ。そこでソニックガーデンでは、3つのステップを踏んで「管理ゼロ」の状態を作り上げていったという。
頑張らずに生産性を上げる方法
「見直し」「雑談」がカギ
まず重要視したのは、「成果を出せる生産性の高いチーム」を作ること。頑張らずに生産性を上げるために重視したのが、「見直す」ことだった。
『木こりのジレンマ』の話をご存じだろうか。刃こぼれした斧で一生懸命に木を切っている木こりに「斧を研いだらどうか」とアドバイスしたところ、「木を切るのに忙しくて斧を研ぐ暇はない」と答えたという逸話だ。
これを聞いて「そんなバカな」と笑うかもしれないが、実際にこうした状態に陥っている人や組織は多い。しかし、それではいつまでたっても今の不合理な仕組みが見直されず、いつまでたっても生産性は向上しない。
そこでソニックガーデンでは、仕事の見直しを行う「ふりかえり」の時間を定期的に取り、やり方の見直しなど抜本的な問題解決策を考えて生産性の向上を目指した。ここでの最大のポイントは、「ふりかえり」の“仕組み化”だ。
「『ふりかえり』の時間は大事だと理解しても、実際にできる人は多くありません。『ふりかえりをするぞ!』と決意してできるほど、人は精神論で動けないのです。ですから、スケジュール帳に毎週1時間、例えば『金曜日16時からは、ふりかえりの時間』と決めることが大切。そうすればいつの間にか癖になり、あえて時間を取らなくてもふりかえりができるようになります」(倉貫社長)
生産性を上げるためにもう1つ重要視したのが、社内の円滑なコミュニケーションだ。リモートワークを行う社員が多いなかで、いかに気軽にコミュニケーションを取れるかを考え、冒頭でも触れたバーチャルオフィス内にあるチャットツールに工夫を凝らした。
特に倉貫社長が重視したのが「雑談しやすい雰囲気」。ポイントは、(1)雑談と仕事の話が(チャットツールの)同じ場所でできて、(2)社内の雑談をすべて“見える化”し、(3)チームごとに定期的に雑談する機会を作ることの3つだった。
ソニックガーデンのバーチャルオフィス。気軽な雑談もしやすい雰囲気がある
※画像クリック拡大
「仕事の基本として『報連相』がありますが、私はそのなかでも『相談』が一番大事で、なおかつハードルが高いと思っています。でも、普段から何てことない雑談をしていれば相談もしやすくなる。だからこそ、相談と雑談を分けない『ザッソウ(雑相)』ができる雰囲気を作ったんです」(倉貫社長)
実際に、定期的な「ふりかえり」の時間を雑談も交えながら行うために、オンラインでランチを一緒にしながらミーティングするチームもあるそうだ。
「リモートワークをすると失敗する、孤立するという会社もありますが、それは職場がもともとギスギスしていて、離れて働くことで問題が表面化しただけ。だからこそ、普段から社内で安心して何でも話せる雰囲気、つまり“心理的安全性”が高い状態を作ることが大切です」(倉貫社長)
全員を自律的な社員にして
「管理職ゼロ」で回る会社に
仕事の「見直し」を続け、社内のコミュニケーションを円滑にして生産性を高める仕組みが出来上がったら、第2段階として管理がなくても「自律的に働ける」、すなわち「セルフマネジメント」で働ける組織作りを行った。
ソニックガーデンでは、セルフマネジメントを3つのレベルに分解。レベル1は与えられた仕事を1人でできる、レベル2は与えられたリソースで成果を出す、レベル3は自ら仕事を見つけて成果を出す。レベル3まで行ければ、管理ゼロでも十分に成果を出せる人材だ。
「新入社員は、最初からレベル3の域に達するのは難しいため、“師匠”をつけて早く自律できるための支援を行っています。全員がレベル3になれば全員が管理職のような状態です」(倉貫社長)
社員が管理職のような働き方ができる実力をつけても、ピラミッド型の組織だと管理職になれる人数が限られており、「椅子取りゲーム」になるケースも少なくない。無理やり管理職を決めれば、選ばれなかった人はやる気をなくす。そこで、ソニックガーデンでは管理職をなくして、「ホラクラシー」という組織構造を作った。ホラクラシーとは、上司・部下、肩書や役職などないフラットな組織構造のことだ。
「その際、管理職をなくすことを目的にするのではなく、管理職をなくしても大丈夫な状態の組織を作ることが大事です。結果として、社員の主体性は増して、生産性も向上します。そして、部下を管理する手間がなくなるのでより売り上げや利益につながる行動が増えますし、社内政治もなくなるので風通しがいい職場になっていきます」(倉貫社長)
「納品のない受託開発」という
“独創性”が会社を支える
ソニックガーデンでは、「遊ぶように働く」という文化を非常に大事にしている。「管理ゼロ」もこのためといっていいが、生産性を高めて、自律的な個人とチームができても、競争が激しいソフトウエア開発業界で、会社の売り上げをずっと維持していくのは非常に難しい。
そこで3つ目のステップとして、無理なくこの働き方を維持し、他の会社にない自分たちの強みを構築するために、会社の「独創性」を作り上げた。その1つが、「納品をなくす」というビジネスモデルだ。
従来通りの受託開発をして成果物を納品する仕組みでは、大きな会社が大型案件を握り、小さな会社は下請けに甘んじるしかない。しかし、顧客の本当のニーズは納品した商品が動き始めてからにあると考え、同社では「月額定額」「顧問型」「成果契約」というスタイルで受注開発を行うことにした。
月額定額なら、案件ごとの見積もり不要で負担が減るなどメリットがある一方、満足してもらえなければ解約されてしまうプレッシャーも。だからこそ、継続的にサービスを改善することに注力し、顧客の満足度を高めることができる。また、定額契約にしたことで、顧客とエンジニアが直接話をできるようになり、「営業」もいらなくなるメリットをもたらした。
こうした独創的なビジネスモデルによって、社員が生産的に働けて、自律的になり、さらに独創的な仕事に取り組める良い循環ができているという。
「よく『御社は社員が優秀な人ばかりだからできるんですよね、うちの会社は管理されないと働けない人が多いんですよ』と言われることがあります。でも、それって今まで管理されてしか仕事をしてこなかったから、できないだけ。どんな人でもこのプロセスを踏めば、生産的に管理なく働けると思っています」(倉貫社長)
今回紹介した「管理ゼロ」の仕組みは、ソニックガーデンが大事にしている「遊ぶように働く」というコンセプトと会社の成果を両立するために生まれたものでもある。そのため、「社員数が増えれば、(会社の仕組みの)正解は違うものになる」と倉貫社長が語るように、世の中の流れや人の成長に合わせて、組織の仕組みや制度は変わっていくべきだろう。
「社員が遊ぶように働くこと」と「会社の成果」を両立させるために、同社の働き方や「管理ゼロ」の状態はどうなっていくのか、これからの変化にも注目だ。
(ダイヤモンド編集部 林 恭子)
管理ゼロで成果はあがる 倉貫社長の著書『管理ゼロで成果はあがる』
ソニックガーデンさんの取組みって本当スゴいなぁと
— お料理エンジニアわかめ@転職活動はじめました (@namawakame) 2019年4月12日
うまくパク…参考にさせてもらってもう少し違うアプローチできないかなぁって思うこともしばしば…
管理職ゼロ、売上目標なし、経費使い放題でも増収を続ける会社の秘密 | DOL特別レポート | ダイヤモンド・オンライン https://t.co/W48N87sdgh
「やりたいことをやろうと始めたはずなのに、ちっとも楽しくない。辛いなと思って、半ばやけくそに管理を外していったらうまくいったんです(笑)」(倉貫社長)これヒントだね/管理職ゼロ、売上目標なし、経費使い放題でも増収を続ける会社の秘密 |ダイヤモンド・オンライン https://t.co/mROXkWrYoP
— フルハシ ヤストシ(鎌倉読書教室) (@shonanmanabiya) 2019年4月12日
こういう会社が増えていく中で、管理職や管理部門は、自らの仕事をどう定義してどう存在価値を出していくか絶えず考えなきゃいけない。>管理職ゼロ、売上目標なし、経費使い放題でも増収を続ける会社の秘密 | DOL特別レポート | ダイヤモンド・オンライン https://t.co/zVXLS5pxj2
— Takashi (@taka_iwa1021) 2019年4月12日
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