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ゴーン憎しで「ベタな悪事」のリークを連発する日産経営陣の闇
https://diamond.jp/articles/-/199437
2019.4.11 窪田順生:ノンフィクションライター ダイヤモンド・オンライン
高級船舶などの「豪遊」が次々にリークされ、張本人は「謀略である」と主張している点も、かつての塩路一郎氏にソックリ。リークされる「悪事」はどんどん稚拙なものになってきており、日産側の「何としてもゴーンを追い落としたい」との執念が透けて見える Photo:YUTAKA/AFLO
再逮捕されたゴーン氏の新たな悪事の証拠は「高級船舶」――。かつてクーデターで日産から追われた塩路天皇事件にますますソックリな展開になってきた。裁判を待つまでもなく、次々に「日産関係者」や「検察関係者」からリークされる「ベタベタの悪事」情報によって、ゴーン氏はすっかり“クロ認定”された格好だ。(ノンフィクションライター 窪田順生)
日産クーデターにつきものの
「高級船舶」スキャンダル
またしても「高級船舶」が登場するのかい、とツッコミを入れた方も多いのではないか。
オマーンルートとサウジルートを駆使した国際マネーロンダリング疑惑で、検察とマスコミからボコボコに叩かれているゴーン氏の「新たな悪事の証拠」がこんな風に報じられているのだ。
《「クルーザーに日産資金」 関係者 示唆メール》(読売新聞2019年4月6日)
「SHACHOU」(社長号)と名付けられたこのイタリア製高級クルーザーを約15億で購入する際、オマーンの販売代理店を通して、日産の資金を充てたというのである。もちろん、ゴーン氏はこの指摘を全否定。「週刊新潮」にも「ルノー関係者」の以下のようなコメントが掲載されている。
「クルーザーは、昨年亡くなったレバノンの弁護士から購入しました。(中略)でも、あくまでもポケットマネーで、マリーナなどの契約も引き継ぐためにクルーザーの所有会社ごと買い取って、キャロル夫人の名義にしたとのことでした」(週刊新潮 2019年2月14日)
もし容疑のままで起訴されれば、どちらの言い分が正しいかは、いずれ法廷で明らかになるはずなのでそれはいいとして、個人的に関心があるのは、冒頭で触れた「高級船舶」だ。
そのあまりの独裁ぶりと、クーデターで追放されるという結末から、何かとゴーン氏と重ねられる塩路一郎氏が激しいバッシングを受けるきっかけとなったのも「高級船舶」だったからである。
1972年から86年まで、日産グループ労組である「自動車労連」の会長を務めた塩路一郎氏は、日産中興の祖・川又克二元社長の「労使協調路線」によって社内の発言力を増し、次第に人事、新車開発、国際戦略という経営にも介入。いつしか社内で「塩路天皇」などと恐れられるほどになっていた。
そんなゴーン氏とキャラが重なる塩路氏が権力の座から引きずり降ろされたきっかけは、空港で待ち構えていた東京地検特捜部に逮捕…ではなく、写真週刊誌だった。
1984年1月、「フォーカス」(新潮社)に、「日産労組『塩路天皇』の道楽―英国進出を脅かす『ヨットの女』」というタイトルで、その豪勢な暮らしぶりと、若い美女とヨット遊びに興じる写真が掲載されたのだ。
ゴーン氏と塩路氏の
失脚劇はソックリ
当時の写真週刊誌の影響力は絶大で、今とは比べ物にならないほどパンチがあり、後に高杉良氏の小説「労働貴族」でも描かれた豪遊ぶりが世間から激しいバッシングを受けたのである。
そして1986年2月22日、塩路会長は日産労組によって退陣要求決議を突きつけられ、「労働界から引退する」と表明するまでに追い込まれる。これがいわゆる「2・22クーデター」(日本経済新聞1986年3月17日)の経緯である。
つまり、30年前の独裁者が「高級船舶」で失脚して、今また独裁者が「高級船舶」で悪事を糾弾されているというわけだ。
「おいおい、そんなのただの偶然に決まっているだろ」という声が聞こえてきそうだが、この2人の「高級船舶スキャンダル」は他にも共通点がある。それはともに「リーク」を主張していることだ。
ご存じのように、ゴーン氏は一連の容疑を、日産社内の人間によって仕掛けられた、自分を貶めるための「陰謀」だと主張しており、クルーザーの件も完全否定している。一方、塩路氏も「ヨットスキャンダル」はハメられたと主張している。「日産自動車の盛衰―自動車労連会長の証言」(緑風会)の中で、当時、英国進出を巡って対立していた、石原俊社長に仕掛けられた「紙爆弾」だったと述べているのだ。
同じ組織で、同じように独裁者的な振る舞いをして、同じようなクーデターで追放された2人がともに「リーク」を主張している。そして、その悪事の証拠として登場するのは、庶民が羨むような贅沢な暮らしと、それをシンボリックに体現する「高級船舶」――。
ここまでカブってくると、さすがに「偶然」では片付けられないのではないか。
昨年11月の「ゴーン追放も納得!謀略とリークの『日産クーデター史』」という記事の中でも詳しく振り返ったが、日産という組織は、独裁者が出ては、「権力が集中するのはけしからん」とクーデターが起きて、またしばらくすると独裁者が登場するということを繰り返してきた経緯がある。
リークされる「悪事」が
どんどん稚拙化している不思議
そういう「内戦」が当たり前の組織では、のし上がっていくために必要なスキルが「謀略」と「リーク」であることは言うまでもない。日産という組織の中でこれらのスキルを磨いてきた者たちが、「独裁者」を追放しようと思い立ったら、「わかりやすい悪事」をつくるのが一番合理的だ。
従業員がみんな辛い思いをして頑張っている中で、豪華な暮らしをして、私腹を肥やしてましたというイメージがつけば、不正の決定的な証拠があろうがなかろうが、その人物の求心力を奪うことができる。
つまり、高級外車、高級別荘、高価な美術品、そして高級船舶、こういう情報を「リーク」するのである。そう考えると、これまでマスコミ各社が「日産関係者」を情報源にして嬉しそうに報じていた「ゴーン悪事列伝」の中身とピタッとシンクロする。
GT-Rを私物化してました。別荘の金を会社に払わせました。高級シャンデリアやベルサイユ宮殿で結婚式の費用も負担させられました。そして、今回の高級クルーザー…。「塩路天皇」への「紙爆弾」が、平成版としてさらにスケールアップしたような印象なのだ。
断っておくが、これらの話がすべて根も葉もない作り話で、ゴーン氏は無実だと主張したいわけではない。あまりにもわかりやすくて、世間の怒りを煽るようなベタベタな「悪事」のオンパレードが、逆に不自然だと申し上げたいのだ。
当初は、報酬の記載方法、中東の王族へのコネクションのある人物へのコンサル料など、素人目に見てもなかなかビミョーな「容疑」だったものが、ここにきてどんとん悪事が稚拙、雑になってきている。
中小企業の社長が、愛人に代表を務めさせるペーパーカンパニーに、架空発注して迂回させて懐に入れる、みたいなノリで、とても日産という世界的企業を再建させたような人物が描く「絵」とは思えぬほど「安っぽい」のだ。
日本特有の「人民裁判」で
ゴーン事件の白黒はすでについている
そして、そこに登場するのが、これまたわかりやすい「15億円の高級クルーザー」。2時間サスペンスなどに登場する「ザ・悪徳社長」だ。
ゴーン氏がシロかクロかはさておき、このあまりに出来過ぎた悪事のオンパレードを見ると、とにかくゴーン氏を稀代のペテン師にして、社会的に抹殺したい勢力が仕掛けた「印象操作」もかなり含まれているのでは、という疑念が浮かんでしまうのである。
このリーク臭は、日本のみならず世界を驚かせた「保釈中逮捕」で、ゴーン氏が塀の中へとUターンしたことを受けての報道からもプンプン漂っている。
《レバノンのビル 一室に40社登記 ゴーン前会長 不正拠点か 日産資金の「還流先」》(朝日新聞2019年4月9日)
《「無実」「陰謀」主張も「中身ない」と検察 ゴーン容疑者の動画)(産経ニュース2019年4月9日)
こういう報道を山ほど目にすれば、ほとんどの日本人は「ああ、これはもうクロだな」と思うことだろう。サウジルート、オマーンルートを巧みに使ってマネロンして、日本企業を食い物にしてきた悪徳外国人が往生際悪く、この期に及んで責任逃れをしている。こんな印象を抱くのではないか。
そういう意味では、今回の「ゴーン事件」はもう決着はついている。
先月の「ゴーン氏は無罪でも名誉回復は無理!?日本メディアの歪んだ『人民裁判』」という記事の中で詳しく述べたが、基本的に「推定有罪」の日本では、公判前のマスコミ報道によって、その人物がシロかクロかがジャッジされる。
「こいつはやってるな」と世間に思われてしまった人物は、長い裁判を戦い抜いて無罪を勝ち取っても名誉回復がなされず、ダーティなイメージが尾を引くケースは枚挙にいとまがない。
日債銀経営陣無罪でも
居直った検察の傲慢
ゴーン氏も既にルノーのCEOと日産取締役を解任されている。これから何年かかるかわからない法廷闘争の末、特捜部に完全勝利をしたところで、マスコミはその結果をベタ記事でサラッと触れるだけで、検察側も過去の冤罪事件同様、詫びの言葉も一つなくスルーしていくのは目に見えている。
こういうマスコミや検察の「正義」の傲慢っぷりは、過去の特捜部の事件でも、ちょいちょい見え隠れする。わかりやすいのが、日債銀事件だ。
1999年7月、破綻した日本債券信用銀行で粉飾をしたとして逮捕された経営陣は12年にわたって、刑事民事両面で罪を問われたが、結果は「無罪」となった。今回のゴーン氏逮捕でも焦点になるであろう「経営判断の裁量」が認められたのだ。
「存在しない会計慣行を創作して強引に立件した。権力行使の態様は異常で、到底許せない」(朝日新聞2011年9月14日)と弁護団に批判された検察の幹部は、「ごめんね」の一言もなく、マスコミに「捜査に乗り出し、起訴したことがおかしかったとは思えない」(同上)というコメントを出すなど、決して自分たちの非を認めなかった。
検察とは常に「正義」であり、彼らに犯罪者認定をされた時点で、裁判の結果などはどうでもいいのだ。
日債銀事件では、損失の原因をつくった旧経営陣や、「粉飾」を指導した旧大蔵官僚はスルーされ、最後の経営陣が12年間も被告人席に座らされ続けて、無実を勝ち取った時にはお一人はかなりのご高齢で、喜びのコメントを出すこともできなかった。
ゴーン氏の夫人は、特捜部がやってきた時に「地獄のように怖かった」とおっしゃったが、実は本当の地獄はこれから始まる。
ゴーン前日産自動車会長憎しで「ベタな悪事」のリークを連発する日産自動車経営陣の闇💢 情報戦の裏側‼️
— Mark (@Masa96182822) 2019年4月11日
かつてクーデターで日産から追われた塩路天皇事件にますますソックリな展開になってきた。裁判を待つまでもなく、次々に「日産関係者」等からのリーク‼️
詳細↓ https://t.co/TvW6zeqW0N
ダイヤモンドにしては真っ当な記事w オレは、今回の問題は別にして日産を再生させた業績は認められるべきと思うし、日産関係者は感謝こそすれ、攻めるべきではないと思ってる。| ゴーン憎しで「ベタな悪事」のリークを連発する日産経営陣の闇 | ダイヤモンド・オンライン https://t.co/iHFyjz3F9S
— ウラtomoart (@tomoart) 2019年4月11日
『検察とは常に「正義」であり、彼らに犯罪者認定をされた時点で、裁判の結果などはどうでもいい』窪田氏による指摘。うん、私たちはまさにこういう社会に住んでいる→ゴーン憎しで「ベタな悪事」のリークを連発する日産経営陣の闇 | 情報戦の裏側 | ダイヤモンド・オンライン https://t.co/wx1n8l7lL0
— 楡科榎 (@wohya) 2019年4月11日
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